スマートフォンやタブレットでお世話になった Blackview さんが、何と今度はミニ PC の販売を始めたようです。

2022年12月下旬に販売はスタートしていますが、実は発売前のサンプル品をご提供頂いていたので、そちらを使って紹介いたします。

今回紹介するのは Blackview MP60 です!

Blackview MP60

【実機レビュー】 Blackview MP60 登場!Blackview は、もう Android だけじゃない!Celeron N5095 搭載ミニ PC の OS は Windows11 Pro!

早速、届いたミニ PC を見ていきましょう。

Blackview という名前にちなんだのでしょうか?黒く高級感のある箱です。

個人的には昔の Apple とかのみたいな、シンプルで紙袋みたいな簡素な感じの梱包が好きですが、箱へのこだわりにはコーポレートアイデンティティも現れると思います。

こういった手の込んだ箱もまた、 Blackview の製品に対する意気込みを感じます

Blackview をご存知ない方のために簡単に説明すると、主にタフネススマホや格安スマホ、Android タブレットを提供しているメーカーです。

https://jp.blackview.hk/

このチャンネルでも、Blackview のスマホをいくつかレビューしました。

今回の製品は、コンパクト PC に分類されるサイズではありますが、手のひらサイズの PC とかを知ってしまうと、NUC 規格程度の大きさだと残念ながらそこまでのインパクトはありませんね。

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Celeron で十分おじさんなコダシマとしては、Jasper Lake 世代のプロセッサでも十分なのですが、NUC 規格だと Core i7 だの Ryzen 7 だのを搭載するものも増えてきているので、メーカーとしては次のステップを用意した布石の1台といったところでしょうか?

何れにせよ、本体を見ていきましょう。

裏面を見てみると、ノート PC とかのバッテリーをロックしているやつみたいなのがあります。

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外せそうなので外してみると…

なんとそこには、隅っこの方に Type-C の端子が!

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んん???

もしかすると!と思い、ビスを外してみると、SATA 接続の端子があるではないですか。

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つまりここは、ストレージの増設用のスペースですか。

てか、元々はこれくらいのサイズだったんですね。

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コダシマ的にはこちらのペタペタな感じのサイズ感が好きですね。

VESA マウンタ用の溝もちゃんと用意されてるので、コチラが本来の姿でしょう。

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てか、この作りだとこれをドックにして拡張性を高めるって感じもありそうですが…どうですかね?Blackview さん?

インターフェースはフルサイズの HDMI 端子×2、USB 2.0×2(前面×1、背面×1)、USB 3.0×2、ミニ PC としては十分ですね。

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前面のインターフェース:左から電源ボタン、USB 3.0×2、USB 2.0×1
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背面のインターフェース:左から電源ポート、USB 2.0×1、HDMI×2、有線LAN×1、イヤホンジャック×1

ってところで、そろそろ使ってみましょう。

※今回の製品は発売前のサンプル品ということで、正規販売品とは仕様が異なる部分がある可能性があることを予めご理解ください。

Blackview MP60 起動

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おほ!光る!

電源を入れると青く光ります。

ちなみに電源が OFF の状態だと赤く光ってます。

通電確認っところですかね?

最近の PC は光るものが多いですね。

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起動してすぐ、初回起動時はセットアップやらアップデートやらで重たく感じるのは仕方ないですね。

この PC に限ったことではありませんが、いちばん最初は落ち着くまで待たないといけません。

コンピュータが落ち着くまで、ちょっと雑談。

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ミニ PC の存在意義について最近、アハ体験があったのでお伝えしたいと思います。

ミニ PC って、販売サイトや Amazon とかでも、コンパクトで持ち運び便利的な謳い文句が書かれているので、そういった使い方をイメージしていましたが、持ち運ぶんならノート PC とかタブレット PC とかのほうが圧倒的に有利ですよね。

ガジェット好きとしては、小さいというだけでワクワクしちゃうんですが、ミニ PC の存在意義って何なんだろうとか思ってたわけです。

んで、なにげに街角を歩いていてふと気が付きました。

サイネージ!

駅やショッピングモールとかで見かける、でっかい画面で映像を流しているやつの端末でミニ PC が使われてたりするのを思い出しました。

以前に、サイネージを扱っている業者に、その裏側を見せてもらったことがありましたが、その時見たのがいわゆるミニ PC に相当するものでした。

あくまでも業務用ということで一般市場にはなかなか出てこない代物を目撃して、ガジェット好きの血が騒いだのを思い出しました。

これらの製品は消費電力も少なく、スペースを取らない、しかも最近ではかなり高性能になったミニ PC にはうってつけです。

また、ネットワークの端末的な使い方、例えば動画視聴のホストとか、音楽配信の端末とか、ホームサーバーみたいな使い方だったり、サーバーだったらファイルサーバーを構築したり、テレワーク用の端末としても良さそうですよね。

ということで、Blackview MP60 のスペックはこちら。

CPUIntel Celeron N5095 (Jasper Lake) 4C/4T 2.9GHz
GPUIntel Core UHD Graphics
RAM8GB LPDDR4
Storage256GB (2TB)
Wi-Fi2.4G + 5G 802.11a/b/g/n/ac/ax
BluetoothBluetooth 4.2
LAN1000Mbps
InterfaceHDMI (4K@60Hz) *2, USB 2.0*2, USB 3.0*2, USB Type-C
TDP15W
OSWindows 11 Pro

このあとベンチスコアチェックでもお話したいと思っていますが、今回の MP60 に搭載されている Celeron N5095 というプロセッサは、第5世代くらいのモバイル向け Core i5 くらいの性能があるようです。

今話したサイネージのように映像出力程度であれば余裕のパワーを持ち合わせています。

RAM とストレージはモデルによって異なりますが、RAM 8GB モデルだとストレージは 256GB、RAM 16GB モデルだとストレージ 512GB です。

今回提供いただいたモデルは後者の 16GB モデルです。

セットアップ直後は、アップデートやら何やらで動作が重たく感じましたが、それらが落ち着くと驚くほど快適です。

第5世代のモバイル向けとは言え Core i5 と同等の性能なので、オフィスソフトとかなら全然余裕ですね。

ってことで、ベンチスコアをチェックしてみます。

Blackview MP60 のベンチスコア

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まずは PassMark のサイト上で N5095 のスコアをチェックしてみました。

https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=Intel+Celeron+N5095+%40+2.00GHz&id=4472

PassMark のチェックでは Intel Core i シリーズで言うところの Core i3-6300T くらいのスコアがありました。

https://www.cpubenchmark.net/cpu.php?cpu=Intel+Core+i3-6300T+%40+3.30GHz&id=2626

なるほど、まぁまぁな性能ですね。

それでは次に実機で計測してみたいと思います。

Chinebench と Geekbench でスコアを計測してみました。

まずは Cinebench 。

https://www.maxon.net/ja/cinebench

結果はコチラ。

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次に Geekbench 。

https://browser.geekbench.com/v5/cpu/19366696

結果はコチラ。

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https://browser.geekbench.com/v5/cpu/19366696

Geekbench だと Core i5-5200U くらいのスコアが出ました。

いずれも概ね第5~6世代の Core i シリーズ、低電力タイプのデスクトップ向け、もしくはモバイル向けくらいのプロセッサ性能があります。

おまけで、ドラゴンクエストXのベンチマークソフトを走らせてみました。

https://hiroba.dqx.jp/sc/topics/detail/c042f4db68f23406c6cecf84a7ebb0fe/#up2

結果はコチラ。

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Blackview MP60 のベンチスコアを見てみると、動画編集や 3D ゲームなどパワーが必要になる用途には向きませんが、書類作成などのビジネス用途や、Youtube 動画の視聴程度であれば余裕の性能です。

それと、MP60 は少なくとも 8GB 以上の RAM が搭載されているので、オフィスソフト程度しか使わない職場であれば、性能面でもスペースの面でも、おまけに経費の面でも最適と言えるでしょう。

というか比較的最近の Core i5 以上のプロセッサを積んでたとしても RAM が 4GB とかしかないと、全く使い物になりません。

実は今勤めている職場の PC がそんな感じです。

そもそも Windows って、色々なサービスがバックグラウンドで動いているので、起動しているだけのアイドリング状態ですら 3GB くらい使っています。

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つまり 4GB しか RAM を搭載していない PC は、起動しているだけでメモリの7割以上を使ってしまうわけです。

そうなると、プロセッサのパフォーマンスを発揮する前にメモリがパンパンになって作業が進みません。

OS が初期設定のままの Windows だと、いくらプロセッサが高性能でも、 RAM は 8GB は積んでいないとまともに使えないというのが実情です。

パーツそれぞれの性能バランスが取れていないとダメなんですね。

んで Linux の場合、重いとされている GNOME デスクトップですらアイドル状態で 1GB くらいしか RAM を使いません。

軽量な Xfce デスクトップだと 700MB 前後で、更に軽量な LXDE や LXQt だと 500MB 程度の RAM しか使用しません。

Linux が軽量と言われるのがわかりますね。

ってことで Linux も試してみます。

Blackview MP60 で Linux は使える?

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Linux を試して見る前に、Linux で最もつまづくところが Wi-Fi アダプタなので、予め Wi-Fi アダプタをチェックしてみました。

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チェックしてみると、Wi-Fi アダプタは Realtek のものが使われていました。

型番にもよりますが、認識されない可能性が高いです。

ってか、いわゆる Wi-Fi 5 対応 IEEE802.11 ac 対応のモデルということなので、まず認識されないでしょう。

ac 対応は、だいたいが認識されず別途ドライバのインストールが必要になるタイプです。

Realtek – https://www.realtek.com/ja/

GitHub とかで RTL8812AU 向けのソースコードをダウンロードして、それをビルドして使う可能性が高いです。

いずれにしろ Linux でも動作するか開発中の open.Yellow.os でチェックしてみました。

open.Yellow.os でテスト。

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起動時に ESC を連打するとセットアップ画面を表示させることができます。

American Megatrends Incorporated (アメリカンメガトレンド) の BIOS (AMIBIOS) だと、だいたい ESC か Del キーの連打でいけますね。

とにかく、USB メモリから起動できるようにセットアップします。

最近の PC はセキュアブートが有効化されていますが、これだと USB メモリなど外部ストレージの OS を起動できません。

セキュアブートを無効化する必要があります。

UEFI 対応の場合

  • セキュアブートの無効化
  • 起動順位の変更

UEFI未対応の場合

  • セキュアブート、Fast Boot の無効化
  • レガシーモードの有効化
  • 起動順位の変更

ココらへん PC によって、若干表現が違うこともあるので、また別の機会に詳しく紹介したいと思いますが、CSM (Compatibility Supported Module) が有効になっている場合はセキュアブートを無効にする必要がある。

ちなみに「UEFI」や「EFI」、「セキュアブート」「CSM」「Fast Boot」「レガシーモード/Legacy」などのキーワードが出てくれば、「UEFI」系、そういったキーワードが一切出てこなければ、「Bios」系と判断できます。

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必要な設定変更が終わったので、いよいよ open.Yellow.os を起動させます。

無事に起動しました。

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で、まず気になったのが、解像度が 720p の HD (1280×720) 固定。

発売前のサンプル品のためでしょうか?

それと Wi-Fiアダプターについては、やっぱりというべきか認識されていません

open.Yellow.os では、オープンソースで提供されているドライバを積極的に取り入れてはいますが、Realtek のはどうしても引っかかりますね。

ですが Wi-Fi と画面解像度以外に、これといった動作に不具合は見られません。

スムーズに動作します。

ただ、open.Yellow.os はまだベータ版のものなので、より完成度の高い Linux でも試してみようと思います。

Ubuntu でテスト。

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MP60 製品紹介ページを見てみると Ubuntu もサポートされているような感じだったので、Ubuntu の Live 環境でも試してみることにしました。

プロプライエタリ・ソフトウェアも積極的ですからね。

でも、ライブ環境ではやっぱり Wi-Fi はだめでした

ここはインストールしてみないとわかりませんが、でもおそらくはドライバのインストールが別途必要になりそうです。

ただ画面解像度の方は 1080p の解像度で表示されました。

ですが、念の為に選択できる解像度を見てみると 1080p と 720p だけ、これは Windows でも同じだったので、この辺はサンプル品が故と思いたいところです。

ちなみに、IO データの画面キャプチャーボードを使って撮影したのですが、こちらも 720p での録画しかできませんでした。

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サクサクな感じは気持ちいいんですが、デバイスドライバに不安が残るので、家で使うとすれば Windows でのテスト用ですかね?

Blackview MP60 Mini PC のまとめ。

【実機レビュー】 Blackview MP60 登場!Blackview は、もう Android だけじゃない!Celeron N5095 搭載ミニ PC の OS は Windows11 Pro!

今回は Blackview の最新ミニ PC MP60 を紹介しました。

2022年12月下旬発売というすでに販売されている製品ではありますが、メーカーからご提供いただいたのは発売前のサンプル品ということで、正規版とは仕様が若干異なる可能性はあります。

それでも、CPU や RAM などは製品と変わりません。

そんな Blackview MP60 を一言でまとめると、ずばりオフィス向けの PC と言うイメージでした。

サイネージの端末とかの話もしましたが、コダシマの使い方とすれば、動画編集よりは、調べ物をしたりブログを執筆したり、時々動画視聴したりといった使い方になる PC です。

ファイルサーバーのホストもいいかもしれませんね。

通電がわかるランプとか、サーバーにしたとき案外と役に立つかもしれません。

また Linux についても試してみました。

【実機レビュー】 Blackview MP60 登場!Blackview は、もう Android だけじゃない!Celeron N5095 搭載ミニ PC の OS は Windows11 Pro!

Linux については、対応していると言えば対応していますが、Wi-Fi とかの部分で完全対応と言い切れないところが、Linux 好きとしては少し残念です。

てか、改めて Celeron の底力を見せられた気がします。

動画再生もフル HD くらいなら全く問題ありません。

古い PC だと動作がもたつきがちな Google Docs などのサービスもサクサク動きます。

動画編集は流石に厳しさを感じますが、画像編集であれば十分に使えます。

コレだけのパフォーマンスが出せるという、技術の進歩におじさんは驚くばかりです。

加えて言えば、消費電力も少なく発熱も少ないため、ファンノイズも無くなり、物書きとかしてるときには集中できます。

という感じで、Blackview MP60 は下駄代わりで使う感じになっています。

Core i シリーズ以上じゃなきゃゴミという人もおりますが、興味を持った方は是非チェックしてみてください。

買うか買わないかは、アナタ次第です!

参考