「Linux ってゲームできないよな!」とか言われますが、できますよ、ゲーム!特にゲームプラットフォームとして有名な Steam なんかは Linux にとても積極的です。
ゲームプラットフォーム Steam

Steam は Windows 向け、macOS 向け、そして Linux 向けのクライアントが用意されています。それに加え、携帯ゲーム機として話題となった Steam Deck に搭載されている OS は、Valve が独自で開発している SteamOS で Linux をベースとした OS なのです。

とは言え、Linux にしろ Windows にしろ、クライアントが色々あっても、それぞれの OS にゲームが対応している必要がありました。そうなると、残念ながらメジャータイトルであっても Linux に対応するゲームは少なくなり、そのせいあって Linux ではゲームができないなどと言われていました。
しかしながら現在では、技術の進歩により Windows 版との互換性が強化され、Linux 版でなくとも多くのゲームが Linux 上でプレイできるようになりました。さすがに100%の互換性はないものの、相当数のゲームをプレイすることができるようになっています。そして互換性についての詳しいレポートは ProtonDB でチェックすることができます。

このサイトでは、主に Linux 環境、特に Steam Deck への対応が積極的に確認されており、最近では Chromebook への対応も検証されはじめています。なんといっても Steam Deck は、自分たちで開発した OS を使ってますからね。ちなみに Steam Machine ってのもありましたよね。
といった感じで、もう Linux でゲームできないなんて時代じゃぁなくなったわけです。
そこで今回は、SteamOS も提供されていることですし、またまたミニ PC のオファーもあったので、お手軽なミニ PC でゲームがプレイできるかやってみようという試みです。
Minisforum NAB6 Lite

今回 SteamOS をインストールしてみるのは、こちらの記事で紹介している Minisforum NAB9 の半分くらいのお値段で手に入る NAB6 Lite です。いずれも、美と愛欲の神 Venus の名を持つミニ PC。欲望渦巻きそう…。
で、「Lite」の文字が示す通り、NAB6 よりもスペック抑えめの機種です。というのも NAB6 は Core i7-12650H 搭載なのに対して NAB6 Lite は Core i5-12600H とグレードの低いプロセッサが搭載されています。その分、お値段も Lite になっていますが、スペックを見てみると気になる点が…。
Model | NAB6 Lite | NAB6 |
CPU | Intel Core i5-12600H (12コア/16スレッド) 最大ブースト・クロック4.50GHz | Intel® Core™ i7-12650H (10コア/16スレッド) 最大ブースト・クロック4.7GHz |
グラフィック | Intel® Iris® Xe Graphics | Intel® UHD Graphics |
メモリ | DDR4 8GB×2 デュアルチャンネル (SODIMM スロット×2、合計最大64GBまで) | |
ストレージ | M.2 2280 PCIe 4.0 SSD×1 (最大2TBまで) | |
ストレージ拡張 | 2.5 inch SATA HDD Slot ×1 (SATA 3.0 6.0Gb/s) | |
ワイヤレス接続 | M.2 2230 WIFI サポート(Wi-Fi 6, BT5.2) | |
有線LAN | ① 2500Mbps LAN (intel i225-v) ② 2500Mbps LAN (intel i226-v) | |
ビデオ出力 | ① HDMI (4K@60Hz) ×2 ② USB-C (4K@60Hz) ×2 (※ケーブル使用お勧め:HDMI to HDMI/ USB-C to USB-C) | |
オーディオ出力 | HDMI×2 / 3.5mmコンボジャック | |
電源 | DC 19V(電源アダプター含み) | |
OS | Windows 11 | |
本体サイズ | 127×127.5×54.7 mm | |
インターフェース | 2×RJ45 2.5Gギガビットイーサネットポート 1×USB-C 3.2 (Gen1、Data Only、前側) 1×USB-C 3.2 (PD Output、Alt DP and Data) 1×USB-C 3.2 (DP Only) 4×USB-A 3.2 (Gen2) 2×HDMI 1×3.5mmコンボジャック 1×DMIC 1×Clear CMOS |
内蔵グラフィックスが、UHD グラフィックスの NAB6 に対して Lite の方は Iris Xe とより高性能なものが搭載されています。仕様上ではグラフィック性能は、むしろ Lite のほうが良いように見えます。CPU は Core i5 ですが、 Lite のほうが Iris Xe ってことは、案外ゲームとかもイケるんじゃない?てか、いけるんなら i5 のほうがお手頃なお値段だし、良いんじゃない?と思うわけです。

こちらの記事でレビューした Core i9-12900HK 搭載の NAB9 と PassMark の数値を比べてみるとマルチコアだとコア数が違うためさすがに見劣りしますが…てか、Single コアだと、実はけっこういい勝負じゃない?

うん、この際、比較してみましょう。最上位と最下位のパフォーマンステストです。
ベンチスコアチェック

今回はゲームに挑戦するので、いつもの Cinebench、Geekbench、PerformanceTEST に加えて FF XV と BLUE PROTOCOL でもチェックします。あ、Blender Benchmark でもチェックします。
まずは、結果を続けてどうぞ。
Cinebench R23

- Multi Core: 11513 pts / Single core: 1719 pts
CINEBENCH R23 | https://www.maxon.net/ja/cinebench
Geekbench 6

- Multi-Core: 10290 / Single-Core: 2340
Windows | https://browser.geekbench.com/v6/cpu/6618168
Linux | https://browser.geekbench.com/v6/cpu/6622982

- OpenCL: 13177 / Vulkan: 16108
OpenCL | https://browser.geekbench.com/v6/compute/2364754
Vulkan | https://browser.geekbench.com/v6/compute/2364762
Geekbench 6 | https://www.geekbench.com/
PerformanceTest

- PassMark Ranking: 4598
- CPU: 24113, 2D: 440, 3D: 2974, Memory: 3063, Disk: 36597
https://www.passmark.com/baselines/V11/display.php?id=212877508094
PassMark PerformanceTest | https://www.passmark.com/products/performancetest/
Blender Benchmark

- Ubuntu: 204.13 / Windows: 163.57
Ubuntu | https://opendata.blender.org/benchmarks/63b6828d-c782-44a6-9404-2f48ec4518d3/
Windows | https://opendata.blender.org/benchmarks/a28d12e7-dc83-4fc3-a842-028bc09817b4/
Blender Benchmark | https://opendata.blender.org/
ここまで見て、なんか意外と i5 でもいいように感じるのはコダシマだけでしょうか?
ここからはゲーム系ですが、内蔵グラフィックスだと、軽量設定くらいが妥当なので、はじめから最も軽量になる設定で計測しました。
FINAL FANTASY XV

- 設定:軽量品質・1280×720・フルスクリーン
- スコア:4392
- 評価:普通
FINAL FANTASY XV Benchmark | http://benchmark.finalfantasyxv.com/jp/
BLUE PROTOCOL

- 設定:1536×864・低画質・仮想フルスクリーンモード
- スコア:7640
- 評価:やや快適
BLUE PROTOCOL Benchmark | https://blue-protocol.com/guide/benchmark
うん。さすがに同世代とは言え i9 と比べると見劣りはしてしましますが、とこうして見てみると、思っていたよりも普通に良いスコアじゃないですか?

数値だけを見れば、ホント Core i5 でも良さそうな気がしてきました。
SteamOS

では、ここからが本題です。Linux ベースの SteamOS の準備をしていきましょう。
はい、SteamOS は Debian 8 のコアをベースに開発されたシステムですって…、あれ???この記事の執筆時点での Debian の最新版が 12 なので…。ってか、SteamOS 3.0 から Arch Linux ベースになっていた気が…。
んー、もしかしてメンテナンスされてないとか?とりあえず、SteamOS をインストールするのに必要なシステム要件をチェック。
https://store.steampowered.com/steamos/buildyourown?l=japanese
- プロセッサー: Intel あるいは AMD の 64bit 対応プロセッサ
- メモリー: 4GB 以上の RAM
- ハードディスク: 200GB 以上のディスク容量
- ビデオカード: NVIDIA グラフィックスカード
- AMD グラフィックスカード (RADEON 8500 以降)
- Intel グラフィックス
- 追加要件: インストール用の USB ポート
- UEFI ファームウェア (推奨)
ストレージサイズは相当な量が必要ですが、案外軽量…、と言いたいのですが、やっぱりちょっとメンテナンスされてない疑惑が濃厚ですね。
実はこのとき、けっこう良い読みしてました。が、それは後ほど…。
とりあえず、インストールの方法なんですが、この文章だとイマイチよくわかりません。実際にやってみて解説します。
SteamOS インストールメディアの作成

まず、インストーラーのダウンロード。ページ上には2箇所、ダウンロードできるところがありますが、どちらも同じファイルです。ちなみに表示されたページには「Download SteamOS: Steam Deck Image」とあります。

実機の Steam Deck の OS とは互換性が無いと書かれていますが…。
表示されるページの URL は確かに違いますが…。んー、微妙に嫌な予感がするんですけれどね。
では、次の手順。サイトに書かれている表現だと、Windows で Zip ファイルの展開先を FAT32 でフォーマットした USB メモリにして、そこに展開すればいいように読み取ってしまいます。ですが正しくは、ダウンロードしたファイルを展開して、その展開したイメージデータをライティングソフトを使って書き込むのが正解です。

しかもダウンロードしたファイルの拡張子が Zip ではありません。「.bz2」という拡張子のこのファイルは bzip2 という形式の圧縮率の高い圧縮アーカイブです。Windows の右クリックメニューに表示される「展開」で、このファイルも展開できます。
ダウンロードした、圧縮データ時点で 2.46GB で、コレを展開すると 7.21GB ものサイズになります。

一般的な Linux のイメージデータだと 2~3GB 程度なので、なかなかボリューミーです。そのため、インストールメディアを作るときには 16GB のものを用意しました。
市販されている 8GB の USB メモリだと、実際に使えるメモリの容量が 8GB に満たないものがほとんどなので、16GB のほうが良いというわけです。

で、パーティショニングは MBR でフォーマットは FAT32 とのこと。…うん。いよいよメンテナンスされてない説濃厚。
とりあえず、今回インストール用に用意した USB メモリは、調べてみると GPT でフォーマットされていたものなので、MBR に変更する必要がありました。
一応、こちらの情報を基に、MBR へ変換。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-server/storage/disk-management/change-a-gpt-disk-into-an-mbr-disk
- 管理者特権でのコマンド プロンプトを開きます。[コマンド プロンプト] を長押し (または右クリック) し、[管理者として実行] を選択します。
- プロンプトに「diskpart」と入力して、ディスク パーティション プロセスを開始します。
- パーティションやボリュームがあれば消去 (削除) して、GPT ディスクを変換用に準備します。
- DISKPART プロンプトで、「list disk」と入力します。 MBR 形式に変換する GPT ディスクの番号をメモします。
- DISKPART プロンプトで、「select disk<disk-number>」と入力します。ここで、<disk-number> は変換する GPT ディスク番号です。
- DISKPART プロンプトで、「clean」と入力して、ディスク上のすべてのパーティションとボリュームを削除します。
- DISKPART プロンプトで、「convert mbr」と入力して GPT ディスクを MBR パーティション形式に変換します。
変換が終わり、イメージファイルの書き込みに入ります。Windows の場合には Rufus もありますし、クロスプラットフォームの BalenaEtcher などを使って USB メモリに書き込みます。

コダシマは Raspbery Pi Imager を使います。こちらも SBC ファンにはおなじみの、クロスプラットフォームのライティングソフトです。これだけのサイズなので、書き込みにもおよそ11分ほどの時間がかかりました。
USB メディアが出来上がったらいよいよインストールです。
SteamOS のインストール

NAB6 Lite のストレージを、テスト用の SSD に差し替えてインストール。USB メモリから起動できるようにファームウェアをイジります。起動時に「Del キー」の連打でファームウェアが起動します。

この機種は UEFI で起動できるようになっているのですが、セキュアブートが有効になっているとインストールメディアから起動できないので、一旦無効化しておきます。では、いよいよ起動です。
…が、起動しません。

ずっとループします。しかも、なんか縦になってるし…。
んー。
嫌な予感的中ですね…。無理する意味も無いかなーと思ったで、Ubuntu に Steam クライアントをインストールしてみました。
Steam のインストール(Ubuntu の場合)

とっても簡単、ストアからインストールできます。ストアからインストールできるのですが…。
※Steam のサイトから.deb パッケージをダウンロードしてインストールすることもできます。
で、インストールはめちゃくちゃ手軽なんですが、起動に時間がかかります。Steam クライアントの起動に1分くらいかかるため、フリーズしたのかと思ってしまいます。わずか1分でも、待つとなると長いもんです。
ちゃんと日本語表示もできるし、ちゃんとゲームもできるのですが…。
ってことで調べてみたところ…、見つけました!
HoloISO

Valve が開発した公式の SteamOS からフォーク(派生)した、HoloISO (ホロ・アイエスオー、ホロ・イソ、正しくはどっちなんでしょうね)がそれです。HoloISO のサイトをチェックすると、公式ではないものの Valve から直接コードとパッケージのほとんどが提供されており、ほぼ編集していないとのこと。
これって「公式」じゃないけれど「公認」ってやつじゃないですか?
いずれ、ほぼほぼ SteamOS と言って過言ではないようです。ドキュメントをざっと見渡して、気になる点といえばグラフィックスでしょうか。
Nvidia について言及されていませんね。どうなんでしょう?
あ、こちらのページに

NVIDIA GPUs (Unfunctional, but might work. No support will be provided to you, don’t ask about it)
https://github.com/holoiso-eol
NVIDIA GPU(機能しないが、動くかもしれない。サポートはありません。)
ってありますね。
Steam Deck のシステムを見ても、グラフィックス周りは AMD のほうが相性が良さそうです。Intel GPU について、あんまり詳細は書かれていませんが、内蔵グラフィックスでも動くには動きそうですね。
MBR とかじゃなくても良いのかな?特にパーティショニングについての記載がないので、試しに GPT にしてやってみましょう。
インストールするときは、とりあえずセキュアブートを無効にすればイイぽいです。まぁ、そうしないと署名のないインストールメディアとかから起動できないですからね。

ブートの設定に関しては、今回は詳しく踏み込みません。
あと、書き込みは DD モードってことで、普通に書き込めばイイって感じですかね?ってことで、HoloISO やってみましょう。
HoloISO のインストール

まず、イメージデータですが、どこから行っても結局は GitHub からのダウンロードになります。イメージデータの書き込みには、またまた Raspberry Pi Imager の登場です。後から思いましたが、Rufus の DD モードとかも試しておけばよかったと思いました。
イメージデータのサイズ的には、他の Linux ディストリビューションより少し大きいですかね。とはいえ、8GB でも問題ありませんでした。インストールメディアができたら早速インストール。
セキュアブートの設定は、さっきやってたんで、サラッと流します。
お!ほらやっぱり Arch Linux だ!

って起動したら、なんだか普通に KDE Plasma のディストリビューションです。
まぁ、でも、インストールの時くらいはそうでしょう。インストール用のライブ環境なのだと思います。

Wi-Fi 接続だけして、後はサクッとインストールしましょう。きっと、インストールしたら、専用 OS っぽくなります。
インストールは…、多分いちばん左側のだよね、きっと。

インストーラーを立ち上げてみると、だいぶシンプルな作りです。
インストール先のストレージを選択して、ユーザー名とパスワードを入力してインストールを進めます。

インストールが始まってすぐは、なんか動いていたんですが、ピタリ動かなくなります。
一瞬、フリーズを疑いましたが、進捗確認できる表示がないだけで、裏で動いているはず…。と、辛抱したのが吉と出ました。3分くらい待ちましたかね?思ったとおりで、しばらくすると画面の表示が変わっていきます。我慢も必要ですね。

イロイロとシンプルな作りのインストーラーなので、あちこちで不安にはなりますが、インストール完了のダイアログが表示されれば無事に終了です。

一旦終了してから起動します。※コダシマは、一回電源切る派です。

起動の前に、なんか少し黙り込んでしまいますが、ちゃんと起動します。

まず、初回起動設定ですね。表示言語とタイムゾーンの設定をします。

ってか、メニューボタンが Xbox じゃないですか???

いずれにせよ、もう実はゲームパッドでも操作できちゃいます。

キーボードとマウスもちゃんと認識されているので使うことができます。パスワードの入力とかはキーボードがイイかな?

入力が終わると一旦、再起動が始まります。
普通の Steam クライアントでも、表示言語の設定とか変更すると再起動するんで、意味としては同じなんでしょう。

で、ログイン。

はい、SteamOS ですね!

レイアウトや見た目もそうですが、設定内容も微妙にクライアントとは違ってます。
システムのアップデートなどなどを済ませたら…、ゲームしましょう!

Streat Fighter とか APEX とかは、ダウンロードに時間がかかるので、まずは軽めのもの。レトロゲーム界隈で賑わってる、ファミコンソフトを 3D っぽくして遊ぶ 3dSen を使って、ファミコンしましょう!
ファミコンの ROM データが別途必要になるので、ROM データを入れた USB メモリもセットしてっと…。

ほうほう。
コントローラーの調整もしてくれるのね。

さらっとしか確認していないので、間違って解釈してるかもですが、ズラッと並んでいるのは、そのゲームタイトルに合わせたプロファイルらしく、ゲームに合った 3D 化をしてくれるようです。

んで、一覧にないゲームは、自分でプロファイルを作ることができるっぽいです。
もうワクワクが止まらない!!!さっそくファミコン!…って、思ったのですが、USB メモリが見つからない…。

通常の Linux だと、/media/xxx みたいな感じのところが USB メモリなんですが、/media がみつからない。だめもとで /mnt (光学ディスクとかのディレクトリ)とかも見てみましたが、どこにもそれらしいのが見つかりません。しばらく粘ってみたのですが、見つけることができませんでした。SSH 接続とかで ROM データを転送しないとダメなのかなぁ…?何だか残念…。
仕方ないので Street Figter V と APEX Legends をダウンロードすることにしました。もう一晩がかりですよ。

翌日、ゲームのダウンロードが完了しているのを確認して、Street Fighter V からやってみました。
スゴい!スゴい!サクサク動く!

画質の設定とか見れば、中品質くらいだったんですが、これだけスムーズにプレイできるならコダシマは文句ないですね。一通り Street Fighter を楽しんだ後は APEX Legends もプレイしてみたくなりました。
ゲームパッドでプレイするの、初めてでした。早速、ソロで参加してみたけれど、全然操作できない…。

あっという間にやられてしまいました。んー、トレーニングからしておけばよかった…。雰囲気でどうにかなるかと思ったけど、無理だったー。
いずれにせよ「まぁ、だいたい OS の雰囲気わかったかなー、撮影もできたし」とか思ってシャットダウンしようと思ったときに気が付きました。

「デスクトップに切り替え」って何???
SteamOS のデスクトップ

さっそく、デスクトップに切り替えてみます。すると、さっきの KDE Plasma!壁紙こそありませんが、普通に KDE Plasma デスクトップの Linux と変わりありません。
これはもしや!
うん、さっきのモードだと、おそらく USB メモリは認識されないようですが、このデスクトップモードだと、USB メモリも使えるんじゃなかろうか?ってことで、挿しっぱなしだった USB メモリを挿し直して、認識するか確かめてみました。

おぉー!キタねー!!!
じゃぁ、Document あたりに ROM データをコピーして、とりあえずファミコンのゲームを…っと。

よし、これならイケる。…ってか、さっきももしかしたら挿し直しで認識してたかも…?
まぁいいや。
もう一度 SteamOS を起動し直して、さっきの 3dSen でゲームをプレイしてみましょう!

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
ちゃんと転送したデータが読み込めています!
じゃぁ、とりあえず Battle City をば…。

おわかりだろうか。
あの平べったかったファミコンのゲームが、立体的に!

うん、面白い!これスゴイねー!!!なんか、懐かしいのと新しいのが組み合わさって、不思議な感覚です。もしかして、この 3dSen だけで動画できちゃう?
今回のまとめ

もう、最後のほうは今回の趣旨をすっかり忘れてしまってましたが、結論「Linux でゲームできます!」。しかも、SteamOS 派生の HoloISO だと、もう完全に Steam Deck 気分ですね。
動作に関しても Ubuntu に Steam クライアントをインストールしてプレイするときよりも、ずっとストレスなくゲームを楽しむことができます。ゲームタイトルもすべてのゲームがプレイできるわけではありませんが、Steam のメジャータイトルの多くがプレイできる環境になってます。

で、PC のスペックについて、今回見た限りでは Core i5 でも、十分にゲームができることがわかりました。今までコダシマは、ミニ PC ってモバイル向けのプロセッサ積んでるから i7 とか i9 じゃなきゃだめなんじゃない?みたいな先入観がありましたが、今回実際に i5 のミニ PC で、ゲームをプレイしてみて、全く遜色なくないことを知りました。プロセッサよりも GPU のほうが大切なんでしょうね。i5 搭載機でも Iris Xe 以上の内蔵グラフィックスと、十分な RAM 容量があれば、ちゃんとゲームをプレイできるというわけです。
今回紹介した NAB6 Lite は Core i5-12600H ですが、グラフィックスが Iris Xe ということで、価格がお手頃でありながら、しっかりゲームもプレイできる機種ということもわかりました。

お金に余裕がある方であれば、最初からゴリゴリのハイエンドゲーミング PC とかでゲームするのでしょうが、コダシマのような底辺市民がゲームできる環境を手に入れるとなると、ここらへんのマシンから始めるのが良さそうな気がします。例えば i9 のモデルを買おうと思ってたけれど、i5 のモデルにして、浮いたお金でゲーム買うとか。イイんじゃないですか?
ゲームガチ勢には、あれこれ突っ込まれそうな気もしないでもないですが、モバイル向け Core i5 でもゲームできます。ってか、Linux でも全然ゲームできます!
といったところで、今回の動画は以上となります。今回も最後までご覧いただき、本当にありがとうございます。