近年は Linux の多くのディストリビューションで、デスクトップ環境が整ってきて使いやすくなりました。Linux は無料で手に入れられるオープンソース OS であり、上級者にとって魅力的な選択肢です。
Linux のセキュリティは強固ですが、通信セキュリティについては今まであまり考慮されませんでした。しかし、昨今はテレワークの浸透により、通信セキュリティの重要性がますます高まっています。
今回の記事では、Linux で通信セキュリティを向上させる VPN についてまとめました。4つの導入の仕方を紹介するので、自分に適した方法を選択して Linux の通信セキュリティを向上させましょう。
VPNとは
VPN(Virtual Private Network)とは日本語で「仮想専用線」と訳されます。トンネリング・カプセル化・暗号化という3つの技術で、通信セキュリティを向上させる仕組みです。
VPN 接続はインターネット上にトンネリングで仮想専用線を構築し、カプセル化と暗号化でデータを保護します。インターネットは通常、不特定多数の人が利用する公衆回線です。しかし、VPN 接続ではトンネリングによってデータをやりとりする拠点同士を結び、クローズドなネットワークを構成して第三者から通信を保護します。
また、仮想トンネルを行き来するパケットはカプセル化によって新しいヘッダを付与されます。この仕組みによって、カプセルのように情報が包まれ第三者に見られません。さらに、パケットの内容は AES暗号化や SSL 暗号化によって解読されないようになっています。
こういった仕組みのためそのため、VPN は第三者に情報漏えいするリスクの最小化が可能です。
Linux で VPN を利用する4つの方法
Linux で VPN を利用する方法は4つあります。
- VPN 対応ルーターを導入
- Linux に VPN サーバーを構築
- 無料 VPN アプリを利用
- 有料 VPN と契約する
初心者でも簡単に導入できる方法から、専門知識が必要な方法まであります。自分に適した導入方法を検討しましょう。
VPN 対応ルーターを導入
VPN 対応ルーターとは VPN 機能を搭載したルーターです。
VPN ルーターを導入して設定すると、離れた場所を共通 LAN で接続したような環境を構築できます。この方法は、ファイル共有・システム共有などに利用されることが多いです。
月額料金がなく運用コストが無料なのが、VPN 対応ルーターのメリットです。一方、デメリットは運用・保守に手間がかかることや専門的な知識が必要なことです。
Linux に VPN サーバーを構築
VPN サーバーとは、VPN 接続をするのに必要な暗号化などの機能を提供するコンピューターやソフトウェアです。機能としては VPN 対応ルーターと同じですが、より詳細な設定ができます。
VPN サーバーのメリットは、運用コストが低いことです。逆に、デメリットは運用・保守・管理に手間がかかることや、かなりの専門知識が必要なことです。
無料 VPN アプリを利用
無料 VPN とは、無料で利用できる VPN アプリや VPN サービスです。無料 VPN はコストがかからない反面、以下のようなデメリットがあります。
- サーバー数・ロケーション数が少ない
- 通信速度が遅い
- 通信容量が制限されている
- 利用期間が決まっている
- セキュリティが甘い
オーストラリア連邦科学産業研究機構の調査によれば、Google Play で配布されている VPN アプリの 84% に情報漏えいが確認されました。無料 VPN はセキュリティ観点から、あまりおすすめできません。
有料 VPN と契約する
有料VPNとは、VPN プロバイダが提供している有料の VPN 接続サービスです。サーバー数・ロケーション数が多く、高速で安定した通信ができます。また、セキュリティも強固でノーログポリシーを採用している VPN プロバイダも多いです。
料金は VPN プロバイダによって異なりますが、月額数百円~1,500円程度です。
たくさんのメリットがある有料VPNを設定するのがおすすめ
初心者でも簡単に導入できるので、有料 VPN はおすすめの選択肢です。Linux でも、配布されているアプリをインストールすれば数分で VPN が利用できます。
有料 VPN を利用して得られるメリットについてまとめました。
通信セキュリティ向上
多くの有料 VPN は 256 ビット AES 暗号化や 256 ビット SSL 暗号化を使用しており、強固なセキュリティを誇ります。
有料 VPN はさまざまなデバイスに対応しており、スマートフォン・タブレット・ノートパソコンでも利用できます。外出先からセキュリティが甘いフリー Wi-Fi に接続しても、VPN 接続なら暗号化されているため情報漏えいリスクの最小化が可能です。
プライバシー保護
ほとんどの有料VPNはノーログポリシーを採用しており、ユーザーのプライバシーを保護します。
ノーログポリシーとは、IP アドレス・閲覧履歴・個人情報などを記録しないことです。記録しなければ情報漏えいもあり得ませんので、ユーザーは完全にプライバシーを保護しつつインターネットを利用できます。
また、VPN 接続では VPN サーバーの IP アドレスに変わります。そのため、海外規制のある国内コンテンツに、国内 VPN サーバーを経由して接続が可能です。
広告・マルウェア・トラッカーの排除
VPN プロバイダによっては、広告・マルウェア・トラッカーを排除する機能がアプリに搭載されています。
マルウェアとは、ユーザーのデバイスに不利益をもたらす悪意あるプログラムの総称です。トラッカーとは、インターネット上でユーザーの行動を分析するために使用されるプログラムです。
広告・マルウェア・トラッカーを排除してより安全にインターネットを楽しみましょう。
Linux なら NordVPN がコストパフォーマンス抜群!
料金(税込み) | 2年間プラン:480円/月 1年間プラン:580円/月 1ヶ月間プラン:1,550円/月 |
サーバー数/国数 | 5,000/59 |
ノーログポリシー | ○ |
通信速度 | ○ |
サポート体制 | ・365日24時間対応 ・日本語対応可 ・メール・ライブチャット |
サービス提供会社 | nordvpn s.a. |
本社所在地 | パナマ共和国 |
公式サイト(日本) | NordVPN |
NordVPN は、Linux 向けのアプリも配布しているコストパフォーマンス抜群の VPN プロバイダです。登録は簡単で2分もあれば VPN の利用を開始できます。
評価機関として定評のある AV-TEST が実施したテストによると、NordVPN の通信速度は競合他社より大幅に速いと判明しました。また、脅威対策機能を備えており、デバイスに不利益を与える広告・マルウェア・トラッカーを排除します。
NordVPN は6台まで同時に VPN 接続が可能です。複数のデバイスを持っている人や、家族と契約をシェアする人にとって同時接続数は重要なポイントです。
口コミでは、カスタマーサポートの対応が親切・丁寧だと高い評価を受けています。NordVPN は、初心者から上級者まで満足できるおすすめのサービスです。
Linux で VPN を利用してセキュリティを向上させよう!
Linux で VPN を利用する方法としては、「VPN 対応ルーターの導入」「VPN サーバーを構築」などがあります。しかし、これらの方法は専門的な知識が必要で保守・管理も大変です。
また、無料 VPN は通信速度が遅くさまざまな制限があります。セキュリティに関してもリスクが大きく、利用はおすすめできません。
Linux で手軽に VPN を導入するなら、有料 VPN の利用を検討しましょう。NordVPN なら月額料金がリーズナブルで、簡単に安全な通信環境を手に入れられます。
VPN で通信セキュリティを向上させ、快適にインターネットを利用しましょう。