【Linux入門】重たいデスクトップランキング: Ubuntu Flavor で見るデスクトップ環境

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【Linux入門】重たいデスクトップランキング: Ubuntu Flavor で見るデスクトップ環境
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今回は Linux のデスクトップ環境についてお話したいと思います。

Ubuntu Flavor

Ubuntu フレーバーではさまざまなデスクトップ環境を試すことができる。

実は今回、初心者に優しい軽量 Linux についてお話しようと思って、Ubuntu フレーバーを使ってデスクトップ環境の違いを調べていました。調べてみると面白い結果になったので、まずはその話をしたくなりました。

まずは Ubuntu flavor について少し話しておきたいと思います。

Ubuntu flavor は Ubuntu をベースにさまざまなデスクトップ環境を組み合わせたものです。

ちなみに現在の Ubuntu はデスクトップに GNOME を使っていますが、以前は Unity というものが使われており、その時には今の組み合わせであるUbuntu + GNOME というエディションは Ubuntu GNOME という名前の Ubuntu フレーバーのひとつでした。

この無印の Ubuntu のほか、現在公開されている Ubuntu flavor は次のとおりです。

  • Ubuntu + KDE = Kubuntu
  • Ubuntu + LXDE (LXQt) = Lubuntu
  • Ubuntu + Budgie = Ubuntu Budgie
  • Ubuntu + UKUI = Ubuntu Kylin
  • Ubuntu + MATE = Ubuntu MATE
  • Ubuntu + Xfce = Xubuntu (Ubuntu Studio)

Ubuntu Flavor ▶https://ubuntu.com/download/flavours

それに加えて正式なフレーバーではありませんが

  • Ubuntu + Cinnamon = Cinnamon Remix

もあります。

Cinnamon Remix について▶https://discourse.ubuntu.com/t/ubuntu-cinnamon-remix-19-10-eoan-ermine-released/13579

今回はこの8つの Linux ディストリビューションで確認してみました。

できる限り同じ条件で確認するために、今回はすべて同じマシンを使いライブで確認しました。

ライブ環境でテスト

今回は LIFEBOOK A550/B を使ってテストしてみました。

  • CPU: Core i5-M560 (2core 4thread) 2.66GHz
  • RAM: DDR3 SDRAM (PC3-8500) 4GB

ライブなのでストレージは割愛します。

LIFEBOOK A550/B の詳しい仕様は▶https://www.fmworld.net/biz/fmv/lifebook/1101/a550b/

それでは、重たいフレーバーから順にランキング形式で紹介します。

“重たい”デスクトップランキング

ランキングは各フレーバーのデフォルトで用意されているタスクマネージャーで計測したアイドル時の RAM 使用量と、Screenfetch に表示された RAM 使用量を参考にランキングしました。

それではランキングいってみましょう!

FlavorTask Manager (MiB)Screenfetch (MiB)
1Ubuntu Budgie1331.2740
2Ubuntu1228.8964
3Cinnamon Remix1014.31135
4Ubuntu kylin973.7630
5Ubuntu MATE890.5432
6Kubuntu409.6462
7Xubuntu394.7368
8Lubuntu317.6299

この結果を見て、今までの認識間違えてたなーと思いましたね。

けっこう軽い KDE 。

画像は Kubuntu 18.04.4 LTS のライブ環境。

というのもまず Kubuntu 。

KDE といえば重量級のデスクトップ環境とばかり思っていました。KDE Plasma 5 になってから軽くなった感じはしていましたが、ここまで軽いとは思っていませんでした。

ただ、他もそうなのか気になったので同じく

  • Ubuntu + KDE = KDE neon 

もチェックしてみました。

KDE Plasma 5 は、実はとても軽量だということが判明。

結果

  • Task Manager: 368.6MiB
  • Scrennfetch: 382MiB

っという具合に、やっぱり軽いことが証明された感じです。なるほど KDE の人気が高くなるわけですね。

意外と重たい MATE 。

画像は Ubuntu MATE 18.04.4 LTS ライブ環境。

あと MATE ですね。

GNOME 2 からのフォークなので、現行の GNOME3より軽くて Xfce よりも少し重たいくらいかな?と思ってましたが、意外と重たかったですね。調べてみると、GNOME 3 に迫る勢いのデスクトップ環境になっているようです。Raspberry Pi でも使えるUbuntuフレーバーなので、正直なところもうちょっと軽いかと思ってました。

なので今回、よけいに KDE の見方が変わりましたね。KDE Plasma 優秀だ!

で、MATE といえば(?) Linux Mint 。

Linux Mint でも比較してみた。

画像は Linux Mint 19.3 Cinnamon エディションのライブ環境。

GNOME 3 からのフォークである Cinnamon と、今話をしていた GNOME 2 からのフォーク MATE 、それとXfce のバージョンが同じようにあるので参考までにコチラも調べてみました。

FlavorTask Manager (MiB)Screenfetch (MiB)
Linux Mint Cinnamon796.9503
Linux Mint MATE728.2381
Linux Mint Xfce428.6377
画像は Ubuntu Cinnamon Remix 20.04 LTS Beta のライブ環境。

Cinnamon なんかは Linux Mint 用に開発されたデスクトップ環境なためか、 Ubuntu 版のものよりも軽いですね。でもコレは Ubuntu 版は公式フレーバーではないので、まだまだ開発の余地があると見たほうが良いかもしれませんね。

てか MATE もUbuntu よりもMint のほうが RAM 使用量が少ないですね。

でもコレくらいだと誤差の範疇かな?

“重たい”デスクトップ最終ランキング

Ubuntu フレーバーのほか、参考にした KDE neon と Linux Mint の各エディションを含めた最終的なランキングは以下のとおりです。

FlavorTask Manager (MiB)Screenfetch (MiB)
1Ubuntu Budgie1331.2740
2Ubuntu1228.8964
3Cinnamon Remix1014.31135
4Ubuntu kylin973.7630
5Ubuntu MATE890.5432
6Linux Mint Cinnamon796.9503
7Linux Mint MATE728.2381
8Linux Mint Xfce428.6377
9Kubuntu409.6462
10Xubuntu394.7368
11KDE neon368.6382
12Lubuntu317.6299

ということで今回は、 Ubuntu フレーバーをもとに Linux のデスクトップ環境についてお話ししました。

Ubuntu フレーバーのそれぞれのデスクトップ環境は、あまり手を加えられていないほぼ初期設定のような状態なのでいろいろな意味で参考になるのではないかと思います。

改めて調べてみると、以前とはだいぶ状況が変わっていて正直おどろきました。

使う環境によっていくらかの誤差はあるかと思いますが、Linux ディストリビューションを選ぶ際の参考になれば幸いです。

オマケ

今回のテストでたくさん USB メモリを使ったのですが、コチラが間違いないですね!

コメント

  1. Persepolis より:

    こういった実験比較は非常に参考になりますが、ほんの一部のデストリビューションを調べて重い軽いを決めてしまうのはよろしくないように思います。
    以前、kubuntuが重いと言われていたとき、他のデストリビューションではそこまで重くありませんでした。しかし、Ubuntu系統の影響力が大きかった当時、Kubuntuが重い・・・つまりKDEは重い、という話が出始めたように思います。
    デストリビューションによってはデスクトップ環境の相性があるかと思います。
    なお、私は10年前から(Kubuntuではないデストリで)KDEを使ってきましたが、重いと思ったことは一度もありませんでした。(もちろんxfceなどと比べてしまえば重いですが。)

    • Persepolis さん
      コメントありがとうございます!
      個人的な考えになってしまいますが今回のUbuntu フレーバーでの比較は、ある程度の平均的な数値が出たものだと思っています。

      おっしゃる通り、ベースとなるLinux やPC のスペック、ネットワーク状況などさまざまな要素が加わり多様に変化するものだとも理解しております。
      ただ文中でも触れた通り、Ubuntu フレーバーで採用されているデスクトップ環境のほとんどが初期状態に近い状態になっており、基本的なシステムも凡そ平均的なものだと思われます。(Budgie ではPlank が追加されていますが…)
      ボクはこの点がいちばん重要だと思っています。

      というのも、例えばボクの好きなLinux ディストリビューションにPeppermint があります。Lubuntu をベースに開発されているため非常に軽量なのですが、システムにXfce 由来のパッケージを多く追加しているため、結果的にXfce に迫るRAM 消費量となり、LXDE としては重たい部類になっています。

      またXfce でも、その便利さゆえGNOME やKDE 由来のパッケージを多数追加しているLinux ディストリビューションも少なくありません。その結果、初期状態のXfce よりもメモリを多く使うデスクトップになってしまっています。

      これらはいずれも初期状態からかけ離れているために起こっている事象だと考えます。
      逆に言えば、GNOME のような重量級のデスクトップ環境でも手を加えれば軽量になりうる可能性があるということです。

      デスクトップ環境とベースとなるLinux との相性も無視するコトはできませんが、Beta 版のウチにフォーラムなどで表面化したさまざまな問題について順次調整がおこなわれ、RCを経て正式にリリースされているLinux ディストリビューションにおいて、相性云々はそれなりに解消されているものと考えます。加えて言えば、Ubuntu の公式フレーバーはカノニカルからの支援も受けているため、他の零細プロジェクトよりも開発環境が恵まれているものと思います。(そうでないと定期的なリリースも困難だと思います)
      長文になってしまいましたが、以上を踏まえ多くのフレーバーを持つUbuntu をLinux の代表として記事を執筆いたしました。
      ご理解いただけたら幸いです。

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