一見すると PC のデスクトップに見えますが…
これ、こう見えて Android タブレットです。
今回は Blackview の最新タブレット Tab 13 を紹介します。
機能もさる事ながら、Blackview ってけっこうちゃんとしているブランドなので、日本国内でも安心して使えますよ。
Tab 13 もなかなか良かったので、ぜひ最後までお付き合いいただければと存じます。
それでは行ってみましょう!
Tab 13 のスペック。
まずはスペック。
同クラスの Android タブレットの中で、ちょっとだけ違いが見えるのが CPU です。
CPU | MediaTek Helio G85 (MT6769V/CZ) A75 @2.0GHz x 2, A55 @1.8GHz x 6 |
GPU | ARM Mali-G52 MC2 @1.0GHz |
RAM | 6GB + 最大 4GB 拡張可能 |
ストレージ | 128GB |
画面サイズ | 10.12 インチ 1920 x 1200 (WUXGA) |
画面比率 | 81% |
リアカメラ | 13MP +0.3MP |
インカメラ | 8MP Samsung S5K4H7 |
バッテリー | 7680mAh |
スピーカー | 12172PCS BOX Speakers |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Network | 3G Bands: WCDMA B1, B8 / 4G Bands: TDD B40, FDD B1, B3, B7, B8, B20 |
OS | Doke OS_P 3.0 (Android 12) |
外寸 (mm) | 238.8 x 157.6 x 7.7 |
重さ | 450g |
素材 | 高耐久アルミ合金パネル |
多くの中華タブレットでは Unisoc T618 が採用されていますが、この Tab 13 には MediaTek Helio G85 (MT6769V/CZ) が採用されています。
Blackview の最近のタブレットは Tab 10、Tab 11、Tab 12、そして Tab 13 とラインナップされていますが、性能面や価格的には Tab 11 が高性能モデルで、Tab 12 のほうが廉価版という感じです。
実際に PassMark での CPU のスコアをチェックすると Tab 12 に搭載されている SC9863A よりも Tab 11 に搭載されている T618 のほうがスコアが良いです。
ということで、性能を比較するのであれば Tab 11 でしょう。
Tab 11 に搭載されている T618 は、先程も触れたとおり多くの中華タブレットで採用されているだけあり、実績は十分。
ミドルレンジのプロセッサとしての性能も十分です。
んでコレよりも更にスコアが良いのが、今回 Tab 13 に搭載されている MediaTek Helio G85 (MT6769V/CZ) です。
RAM 容量は Tab 11 の 8GB に対して、Tab 13 は 6GB と少ないですが、価格と性能のバランスを考慮した結果かと思われます。
Antutu のスコアも v9.x のもので25万超えとされていました。
たしかに25万を超えてきます。
Tab 13 のベンチマークスコア。
ということで、ベンチマークスコアを見ていきましょう。
AnTuTu v9
Geekbench 5
PCMark
3DMark
いずれも、概ね Unisoc T618 と同等くらいの結果です。
場合によっては T618 よりも良かったり悪かったりしますが、ほぼ同等の性能と見ても良いでしょう。
Tab 13 の特徴。
次は Blackview Tab 13 の主な特徴です。
6GB RAM に加え、最大 4GB を拡張して利用可能。
古い PC の OS とかにあった、仮想メモリのようなものでしょうか。
公式サイトでは 27% の高速起動とありますが、ベンチマークスコア測定ソフトでは、その恩恵を数字で見ることはできませんでした。
ベンチマークスコアの計測の際に、メモリ拡張の ON/OFF と 1GB 毎で計測してみましたが、スコアに大差はありませんでした。
このことからもメモリの拡張は、先にも触れた仮想メモリ機能という感じですね。
ちなみに初期値では、3.5GB 拡張されています。
TÜV Rheinland ローブルーライト認証。
工業製品の安全試験・認証を提供している第三者検査機関である TÜV Rheinland のローブルーライト認証を受けています。
アイプロテクションモードを有効にする必要はありますが、
- 夜間モード
- 3段階調節ダークモード
- 読書モード
によって、ブルーライトを軽減させることができます。
目に優しいですね。
最大 1TB TF カード対応。
いわゆる microSD です。
本体の 128GB ストレージ容量に加えて、最大 1TB まで増設可能です。
モバイル端末まで TB の時代が来るとは、学生時代のコダシマには想像ができませんでした。
SIMO インターネット対応。
SIM を必要としないインターネット接続サービスです。
SIMO はソフトウェアのみで、物理的な SIM カードではないため、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、自動車などのすべてのスマート デバイスを、いつでもどこでもインターネットに接続することができます。
1€ から始められるこのサービスの無料トライアルを使うことができます。
もちろんトライアルなので利用容量に制限はありますが、なかなか良さそうなサービスです。
が、これについては後ほどもうちょっと詳しくお話します。
7280mAh 大容量バッテリー。
公称値では 7280mAh でしたが、実際に調べてみると、さらに多く 7680mAh でした。
少ない容量を多く表記するのは見たことがありますが、公称値よりも実際の容量が多いのは初めてでした。
スタンバイ状態であれば、最大1080時間利用可能とのこと。
シンプルにスゴいです。
Doke OS_P 3.0
Android 12 をベースに開発された Doke OS_P 3.0 は、どうやらタブレット向けにカスタマイズされているように思われます。
とくに設定画面のレイアウトなどは、iPad OS のそれにとても良く似ています。
そして何よりも、この Doke OS_P 3.0 の特徴は PC モードです。
PC モード。
この OS に実装された PC モードによって、使い慣れた PC のような…というか、まるで Chromebook のような使い心地になります。
Galaxy の DeX モードとも違い、端末の中だけでレイアウトを変更できるというのは面白いですね。
そのせいあってか、キーボードインターフェースとなるポゴピンが見られます。
Smart PA 対応デュアルボックススピーカー。
迫力あるクリアなサウンドを再生するスピーカーとのことです。
スピーカーは横位置にしたときの左右にしかありませんが、ステレオ感があり、結構なボリュームでも耐えられる音質でした。
最近触れたタブレットの中ではトップクラスです。
凍結室。
ときどき見かける機能ですね。
不要なアプリをワンタップでフリーズし、バックグラウンドでの無断起動を防御する機能です。
バッテリーとメモリを賢く節約できます。
専用の TPU ケース&保護フィルム付き。
TPU はとても柔軟なプラスチック素材のため、軽く傷に強い素材です。
紫外線に弱いため、屋外での使用が多い場合には黄ばんでしまうということも見られますが、今回の Tab 13 に付属されているケースはグレーだったので、黄ばみは目立ちにくいでしょう。
あ、でもブルーの本体のときは何色なんでしょうね?
担当さんに聞いとけば良かったです。
「TPU」とは”Thermoplastic Polyurethane”の略。
日本語では「熱可塑性(ねつかそせい)ポリウレタン」という素材です。
また保護フィルムですが、公式サイトでは「強化メンブレン」と表記されています。
メンブレン (membrane) は英語で「膜」を意味する単語なので、日本語的にいえば保護フィルムということになるでしょう。
一見するとガラスフィルムにも見えるフィルムが同梱されていました。
TPU ケースがいい具合に目印になるので、そのまま貼ると曲がらずに貼れるかと思います。
すぐにケースと保護フィルムを貼る派のコダシマにはありがたいです。
というところが大体の特徴でしょう。
Tab 13 の良かったところ。
実際に使ってみて、コダシマが特に良かったと思うところを3つ紹介していきます。
Doke OS_P 3.0 (Android 12)
すでに特徴のところでも少し話しましたが OS が良いです。
Android 12 をベースとした Doke OS は、タブレット向けのカスタマイズが施されており、特に設定画面のレイアウトは iPad のそれに似た雰囲気があります。
操作方法もジェスチャーナビゲーションにしていると、あたかも iPad を使っているような気分になります。
3ボタンナビゲーションへ変更する際には「設定」⇒「パターンとキー」⇒「仮想キー及びフルスクリーンパターン」にて「画面上の3ボタンナビゲーション」を ON にすると、ジェスチャーナビゲーションから切り替わります。
また、Chromebook のような使い心地の PC モードもなかなか面白いです。
Bluetooth キーボードとマウスを接続して使ってみましたが、まさに Chromebook ですね。
Chromebook の代替品として使えるのではないでしょうか。
また Galaxy スマホの DeX モードとも違い、端末の中だけでレイアウトを変更できるというのは面白いですね。
Galaxy タブレットでも単体で Dex モードを使えるようですが、実はコダシマ、Galaxy タブレット使ったことないのでわかりません。
そのうち1台手に入れて試してみようかと思います。
キーボードインターフェースとなるポゴピンの件を Blackview の担当の方に聞いてみると、専用のマグネットキーボードが2022年の9月か10月に発売されるとのことです。
個人的に専用キーボードが非常に楽しみです。
TÜV Rheinland ローブルーライト認証
ドイツに本社をおく TÜV Rheinland は、第三者検査機関として、ドイツをはじめヨーロッパ諸国、その他の国へ輸出される工業製品の安全試験・認証を提供しています。
また、日本においても担当省庁の許可・指定により国内向けの評価サービスを展開しています。
モバイルモニターでは TÜV Rheinland ローブルーライト認証を見かけることがありますが、タブレットではあまり見たことがありません。
アイプロテクションモードを実装するタブレットはあれど TÜV Rheinland の認証を受けているのは珍しいですね。
Lenovo や Huawei といったトップブランドでしか見たことが無いです。
これは結構な安心材料の一つではないでしょうか。
技適証明。
ちゃんと技適証明されているのもポイントが高いです。
- 技術基準適合証明番号:210-150827
日本国内で流通するのであれば当たり前でなければいけないところですが、海外メーカーの製品だとそうでないものも少なくありません。
Tab 13 では、技適番号をシステムでチェックすることができ、またその番号も実在するものと確認が取れました。
ちなみに技適番号は「設定」⇒「タブレット情報」⇒「法的情報」で見ることができます。
Blackviwe は廉価モデル中心のいわゆる中華スマホ・中華タブレットのブランドではありますが、日本の法令までしっかり守る姿勢は好感が持てます。
TÜV Rheinland の件といい、技適認証の件といい安心して選べるブランドですね。
Tab 13 の気になったところ。
中華タブレットの「あるある」がほとんどなく、なかなか好印象のタブレットですが、特に気になった点を紹介します。
SIMO インターネット
Tab 13 の特徴のところで簡単に触れましたが、SIMO は135以上の国で利用できるインターネット接続サービスです。
最適な利用可能ローカル ネットワークに自動的に切り替えることで、いつでもどこでも中断のない高速モバイル インターネット アクセスを提供するというもの。
SIMO はソフトウェアだけで利用することができ、物理的な SIM カードではないため、SIM 対応しているラップトップ、タブレット、スマートフォン、自動車などに至るすべてのスマート デバイスを、いつでもどこでもインターネットに接続することができます。
SIMO の仕組みは、複数のモバイル ネットワークから近くの信号を自動的にスキャンし、最適なネットワークに接続するため、常に最速のインターネット接続を維持することができます。
ただし登録できる国は限られており、EU 諸国、イギリス、アメリカ、メキシコ、カナダ、日本からのユーザーが対象です。
ちなみに SIMO の拠点はアメリカ・ドイツ・中国にあり、Play ストアで提供されているアプリは US のものでした。
と、日本も利用可能な範囲ではありますが、今回提供された発売前の Tab 13 での SIMOインターネットについては、言語設定のところで既知の問題があり、この動画を撮影している段階では Blackview のソフトウェアチームがそれを分析しているとのことでした。
実際に試してみると、勝手に言語がオランダ語や、中国語に変更されました。
ちなみに言語パックもダウンロードされていました。
また SIMO を設定してみても、現状では普通に SIM や既存の Wi-Fi を利用したほうが快適でした。
1€ からはじめられ、なかなか面白そうだと思ったのですが、今回は不安しかなかったので SIMO は強制終了しました。
※凍結室やアンインストールできないみたいです。
いろいろ残念に思います。
が、動画編集中に Blackview の広報から、正式発売される製品について SIMO の言語の問題は解決されたとのコメントを頂きました。
SIMO サービスをすでに利用されている方や、興味のある方はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
Blackview Tab 13 のまとめ。
今回は Blackview の最新タブレット Tab 13 を紹介しました。
プロセッサは MediaTek Helio G85 とちょっと珍しいものが採用され、RAM も 6GB と比較的多めです。
が、ベンチマークスコアで見てみると、中華タブレットにありがちなミッドレンジのスコアでしたね。
ただ、似たりよったりの機能のタブレットが多い中で、特徴的だったのはやっぱり「PC モード」。
Chromebook を Android っぽく使うのは今までも見かけましたが、Android タブレットを Chromebook っぽく使うのは、コダシマは初めてでした。
スペックもそこそこなので使い方次第では Chromebook ではなく、こちらを選んで見ても良いかもしれません。
また、TÜV Rheinland のローブルーライト認証というのもポイントが高いです。
モバイルモニターでは見かけることが多くなった TÜV Rheinland の認証ですが、タブレットではまだまだ数は少ないです。
さらに、ちゃんと技適証明されているのも日本国内のユーザーとしては安心です。
SIMO インターネットについて、今回は提供品ということで残念な結果ではありましたが、それ以外はなかなか良い出来栄えでした。
普段あまりこういう言い方はしませんが、普通に「買い」のタブレットです。