突然ですが、皆さんは 8 インチタブレットについてどう思われますか?
というのも、今年のタブレットのトレンドは11インチ以上の大画面だと思われていましたが、意外と8インチクラスのタブレットも人気があるようです。
事実 Amazon で 8 インチタブレットを検索すると、多数の製品がヒットします。
スマホが大型化し、一時期 8 インチタブレットの存在意義が問われることもありましたが、最近は再び注目されています。
「スマホとしては大きすぎ、タブレットとしては小さすぎ」という中途半端な8インチというサイズが、実は使い勝手が絶妙に良いサイズと評価されています。さらに、タブレットとしてのサイズが小さいため、液晶のコストが抑えられ、価格も手頃になるというメリットがあります。
しかし、安いだけで性能が低い製品も少なくありません。価格が手頃であることは魅力的ですが、やはりある程度の性能はほしいところです。
このユーザーのニーズを受けて、メーカー側も 8 インチタブレットの性能向上に取り組んでいるようです。今回紹介する HEADWOLF Fpad 3 もそんな1台です。
HEADWOLF の8インチタブレットもいよいよ3世代目となりました。どんどんブラッシュアップされていってます。早速見てみましょう!
HEADWOLF FPad 3 の開封
では届いた HEADWOLF FPad 3 を開封していきましょう。
まずは本体。
そして本体の下には説明書があります。
電源用の USB ケーブルと電源アダプターですね
電源アダプターは、きちんと日本仕様のプラグになっています。
中身はこれだけです。至ってシンプルですね。
次は本体を見ていきましょう。
HEADWOLF FPad 3 の外観
このチャンネルでは HEADWOLF のタブレットを、これまでも紹介してきましたが、FPad シリーズの前の2世代は樹脂製の本体でした。
樹脂製の本体も決して悪い印象はありませんでしたが、高級感と言った面では金属ボディのほうが評価が高いかもしれません。
実際に FPad 3 は金属ボディになり、デザインもシャープでより洗練されスタイリッシュなデザインになった印象を受けます。
技適もちゃんとしてるので、日本国内でも安心して使えますね。
技適の確認はこちら [R] 217-2204532
本体脇には音量ボタンと、電源ボタン。電源ボタンには赤い印が付いています。
意外とこういった配慮がありがたいです。
スピーカーは、縦位置にした際の下部に2つのみ。電源用の USB ポートと並んで配置されています。
こちらの面には SIM カードスロットと、3.5mm オーディオジャックが健在です。
結構ラジオのアプリが入っているタブレットを見かけますが、オーディオジャックに繋いだコードをアンテナにするために、アプリがインストールされていても、オーディオジャックが無いためラジオアプリが使えないというデバイスに、これまで何台も出会いました。
しかし FPad 3 ではそんな心配がありませんね。
ちゃんとラジオアプリも使えます。
ちなみに、コダシマの家はあらゆる電波が入りにくい立地のため、家でラジオ放送を楽しむことができませんでした…。
また、本体には予め保護フィルムが貼られています。が、それをカバーするフィルムも貼られたままなので、それを剥がすときには、注意が必要です。
気をつけないと保護フィルムまで一緒に剥がしてしまいます。
OS は、ほぼ手が加えられていない Android 13 です。
アプリも、シンプルに Google モバイルサービス (GMS) がメインで、オリジナルアプリは見られません。
パフォーマンステスト
では、FPad 3 のパフォーマンスを、見ていきましょう。
まずはスペックの話を少々。
モデル | HEADWOLF FPad 3 Tablet | HEADWOLF FPad 2 Tablet(旧製品) |
CPU | UNISOC T616 A75@2.0GHz×2, A55@1.8GHz×6 | UNISOC Tiger T310 A75@2.0GHz×1, A55@1.8GHz×3 |
GPU | Arm Mali-G57 MP1 1core@75MHz | PowerVR GE8300 |
OS | Android 13 | Android 12 |
ディスプレイ | 8.4インチ 1920×1200 () IPS 8:5 (16:10), 178°, 360nits | 8インチ 1280 x 800 (188ppi) IPS ディスプレイ、 G+Gクラフト、10ポイントタッチ |
メモリ | 4GB LPDDR4X (+4GB 拡張可能) | 4GB |
ストレージ | 128GB eMMC (+2TB TF カード拡張可能) | 64GB(microSD対応upto512GB) |
カメラ | リア: 1300万画素カメラ フロント: 800万画素カメラ | リア: 500万画素カメラ フロント: 500万画素カメラ |
サイズ | 202 × 125 × 7.5mm | 211.2 x 126.2 x 9.7mm |
重量 | 317g | 360g (374g) |
バッテリー | 5500mAh, 10W 対応, 5V/2A | 5500mAh, 5V/2A |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 LE | 5.0 LE |
接続端子 | USB Type-C, 3.5mm オーディオジャック | USB Type-C, 3.5mm オーディオジャック |
ネットワーク | 4G LTE対応(通話可能) 2G:GSM B2/3/5/8, 3G:WCDMA B1/2/5/8 4G:LTE FDD B1/3/5/7/8/19/20/26/28AB, TDD:B41 | 4G LTE対応(通話可能) 2G:GSM B2/3/5/8, 3G:WCDMA B1/8 4G:LTE FDD B1/3/5/7/8/20, TDD:B41 |
プロセッサは、最大 2GHz で動作する高速な ARM Cortex-A75×2コアと、最大 1.8GHz で動作する電力効率に優れた ARM Cortex-A55×6コアを搭載した、エントリーモデルの Unisoc T616 を搭載しています。
この Unisoc T616 は 10インチタブレットでよく使われているプロセッサです。
これまでの8インチタブレットでは T310 や T606 といった、ローエンドプロセッサが使われていただけに、これだけで性能に期待が持てます。
またこの SoC はさらに、LTE モデム (TDD-LTE, FDD-LTE, TDSCDMA, WCDMA, CDMA, GSM)、LPDDR4x 1866 MHz メモリコントローラ、最大 750MHz で動作する ARM Mali-G57 MP1 GPU、デュアルコア ISP (24および8 MPixel対応) を搭載しています。
「デュアルコアISP」は、カメラセンサーからのデータを処理するための「イメージシグナルプロセッサ(ISP)」が2つのコアを持っていることを指します。ISPは、カメラセンサーからの生のイメージデータをデジタル画像に変換する役割を持ちます。
ってことで、モデムも搭載されているため、このタブレットも電話機として使えるモデルです。
※プラチナバンド帯はドコモとソフトバンクが対応しています。
さらにメモリも 4GB に加え、仮想メモリ最大 4GB が拡張でき、最大で 8GB メモリになります。
スペックを見ると、だいぶ 10 インチクラスのスペックに見えるので、これだけでコダシマはワクワクしてます。
では次に、これらのパフォーマンスを、今回も AnTuTu、Geekbench、PerformanceTest 使って数値で見ていきましょう。前世代の FPad 2 との比較です。
AnTuTu
前世代の FPad 2 と比べ 145% のスコアアップです。
このスコアは HEADWOLF の前世代のハイエンドモデル HPad 2 以上のスコアです。
HEADWOLF の中ではトップクラスの性能です。
ただ、ぶっちゃけ最近のタブレットとしては、弱い感じがしますが、これまでの8インチタブレットでは価格訴求のモデルが大半だったため、20万点を超えるものがほとんどありませんでした。
それらと比べると飛躍的に性能アップしています。
Geekbench
シングルコアのスコアはそれほど差が無かったのですが、前世代の FPad 2 に搭載されている Unisoc T310 も Coretex-A75 が1コア搭載されているので、シングルコアの性能は同等というのは当然ですね。ただコアの構成の違いが明らかになったスコアです。
また前世代では OpenCL 非対応の上 Vulkan でも、とても低いスコアしかでませんでした。
しかし FPad 3 なら、ある程度のゲームもできそうです。
PerformanceTest
2D のスコアが低かったのが謎ですが、それ以外はすべてのスコアが前世代を大きく上回ってます。特に 3D グラフィックスのスコアの差は大きいですね。
PerformanceTest でもゲームができそうな結果でした。
ゲームしてみた
ということで、ゲームができそうなスペックだったので、いくつかゲームをプレイしてみました。
3D ゲームも解像度を抑えることで、比較的快適にプレイできました。
実際にゲームをプレイしてみると、スマホでは狭いし、10インチタブレットでは大きいという方に8インチサイズは実にジャストサイズと感じました。
またパフォーマンスについてですが、コダシマのようなライトユーザーであれば、十分満足のいくパフォーマンスではありますが、ベンチスコアが示す通り、上を求めるゲームガチ勢には物足りないスペックかもしれません。
ディスプレイとサウンド
ディスプレイやサウンドについて見てみましょう。
これまでの FPad を含めた8インチタブレットの多くは 1280×800 WXGA (Wide Extended Graphics Array) という解像度のものが大部分を締めていましたが、このモデルでは 1920×1200 WUXGA (Wide Ultra Extended Graphics Array) と大幅に解像度がアップしました。
解像度だけでいうと、これまた、ミドルクラスの10インチタブレットでよく見られた解像度です。
ちなみに、この FPad 3 を筆頭に、今年発表された8インチタブレットの解像度は WUXGA になってきています。
次はサウンド。
スピーカーは縦位置にした際の下部にしかありません。
そのため持ち方などで、スピーカーをふさいでしまったりして、音声に物足りなさを感じてしまうのは否めません。
ですが、3.5mm オーディオジャックは健在です。
やっぱりオーディオジャックは偉大ですね。
互換性の高さはもちろん文句なく、Bluetooth 接続に比べ音質が安定し遅延も殆どありません。バッテリーの消費も少なく、使い勝手はみなさんご存知の通り抜群です。
また、改めて気づいたのですが、オーディオジャックがあることで、音楽を聞きながら同時に充電することができるのは最近忘れ気味でしたね。
お気に入りのヘッドフォンを繋いで、長時間いつまでもお気に入りの音楽を聞くことができるのはポイント高いです。
バッテリー容量について
バッテリーは前世代から引き続き5500mAhです。
8インチタブレットではトップクラスの容量です。
で、5500mAh という容量についてですが、あえて負荷の高いゲームを実際にプレイすると、このタブレットでは最大でおよそ 1000mA の消費電力でした。
これをもとに連続使用時間を計算してみると。
5500mAh/1000mA = 5.5h
およそ5.5時間連続使用できるという結果が出ました。
ただし、使用するアプリや環境に応じて消費電力がが異なるため、使い方によってはもっと長い時間使うことができますね。
サイズや重さの面も考慮すると、十分なバッテリー容量と言えます。
Widevine DRM
Android には Widevine という、Google が提供するデジタル著作権管理(DRM)プラットフォームがあります。主にストリーミングサービスでのコンテンツ保護を目的として使用され、複数のデバイスやブラウザでの動画や音楽の再生を安全に行うための技術を提供しています。
Netflix や Amazon Prime Video などの主要なストリーミングサービスで採用されており、3つの認証レベルがあります。
これらのストリーミングサービスで高画質の映像を楽しむには L1 が必要になりますが、ついに HEADWOLF のタブレットも Widevine L1 に対応するようになりました!
画質の制限を受けることなく、高解像度を楽しめるのは嬉しいですね。
ただし、Prime Video では 1080p の Hull-HD 画質で視聴できましたが、残念ながら Netfilix では HD 画質までしか対応していませんでした。
んー、もう一息!
HEADWOLF FPad 3 のまとめ
ということで、今回の HEADWOLF FPad 3 はいかがでしたでしょうか?
Unisoc T616 搭載や WUXGA のディスプレイ、Widevine L1 対応といった面を見ると、個人的には「ついに一つのゴールにたどり着いた製品」といった印象を受けました。
これまで、多くの 8 インチタブレットは、電子書籍の閲覧や動画視聴中心のコンテンツ消費向けのスペックだったように思いますが、FPad 3 は、それらに加えゲームもできるパワーを備えたと感じました。
ただでさえコダシマは、比較的 FPad シリーズの利用頻度が高かったのですが、よりパフォーマンスが向上した FPad 3 は、さらに出番が増えそうな気配です。
気になるお値段ですが公式サイトで $149.99 、Amazon で 25,999 円とこれまでの 8 インチタブレットとしては、少し高めではありますが、10インチタブレットの性能を、10インチタブレット以下のお値段で手に入るというメリットは大きいです。
しかも、もちろんというべきか、セールやクーポンの配布もあるため、実売価格は2万円以下とこれまでの8インチタブレット程度の値段になる場合もあります。
もしもあなたが、取り回ししやすいコンパクトなタブレットや、手軽に使い倒せる適当なタブレットをお探しだったのであれば、この HEADWOLF FPad 3 はオススメです。
興味を持ったあなたは、是非チェックしてみてください。