今(2019年8月26日現在)、最も注目を集めている Linux ディストリビューション MX Linux の最新版となる 19 の beta 1 が、2019年8月26日にリリースされた。
MX Linux とはどんな OS ?
MX Linux をご存じない方のためにざっくり説明すると、antiX と旧 MEPIS Linux コミュニティ間の共同事業として構築されたプロジェクトでギリシャおよびアメリカにて開発されている。 Debian の安定版 (Stable) ブランチをベースとし、antiX のコアコンポーネントを採用、デスクトップ環境に Xfce を使ったエレガントで軽量なディストロとして人気が高い。
また最近は Linux や BSD などのディストリビューション情報を扱う DistroWatch.com にて、アクセスランキング 1位をキープしており注目度の高い Linux ディストリビューションでもある。
個人的にも好きな Linux ディストリビューションなので、このブログで何度も取り上げている。
今、注目度 No.1 の MX Linux 18.3 がリリースされたので、
▶︎ https://pc-freedom.net/today_pc_story/mx-linux-18-3-release/人気急上昇中 MX Linux の最新版 18.2 がリリースされたので、
▶︎ https://pc-freedom.net/today_pc_story/mx-linux-18-2-release/エレガントな軽量ディストリビューション MX Linux 18.1 がリリースされたので、
▶︎ https://pc-freedom.net/today_pc_story/mx-18-1-release/MX Linux 18 がリリースされたので、
▶︎ https://pc-freedom.net/today_pc_story/mx-linux-18-がリリースされたので、/
今回の変更点は?
▶ https://mxlinux.org/blog/mx-19-beta-1-available-for-testing/
MX Linux 19 beta 1 の概要
- ベース: Debian 10 Buster
- アーキテクチャ: i686, x86_64
- デスクトップ環境: Xfce 4.14
- パッケージ管理: dpkg (APT)
- カーネル: 4.19.5 kernel
MX Linux をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: i686 以上のプロセッサ
- RAM: 512 MB (2 GB 以上)
- DISK: 5 GB (20 GB以上) の空き領域
- (グラフィック: 3D ビデオカード推奨)
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox 68
- メール: Thunderbird 60.8.0
- オフィス: LibreOffice 6.1.5
- グラフィック: GIMP 2.10.12
- ミュージック: Clementine 1.3.1
- マルチメディア: VLC 3.0.8
MX Linux についてのより詳しい情報は
▶ https://mxlinux.org/current-release-features/
インストールについての参考記事
MX Linux 17.1 をインストールしてみた
▶︎ https://pc-freedom.net/linux/mx-linux-17-1-をインストールしてみた/
日本語化についての参考記事
MX Linux の日本語入力環境の整え方。
▶︎ https://pc-freedom.net/basic/mx-linux-の日本語入力環境の整え方。/
個人的な意見ですが、
他にも紹介したい Linux ディストリビューションもあったが、僕の好きな MX Linux がベータ版とは言えリリースされたので、優先的に触ってみた。
MX Linux のリリースサイクルは、年に1回、通常は12月に公式リリースが予定されている。また脆弱性を修正するためのカーネルアップグレードや、ソフトウェアに大きな変更が必要な場合にポイントリリースがされ、ソフトウェアの更新を目的として毎月スナップショットリリースが行われる。
ただし留意点があり、
- MX Linux 自体の開発
- antiX の開発
- Debian (安定版)の開発
- Xfce の開発
以上の4つの相互関係によってリリース時期が決まるため不定期になる。
幸運なことに、今回は7月8日に Debian 10 Buster がリリースされ、8月12日に Xfce 4.14 がリリースされたため、昨年に比べずいぶん早い段階でベータ版がリリースされた。ちなみに昨年リリースされた MX 18 のベータ版は 2018年12月3日にリリースされ、今回のリリースに比べてだいぶ遅い。
MX Linux とほかの Debian 系との比較
いちばんの特徴はコアコンポーネントとして antiX が使われているということ。主要部分が antiX なので、ほかの Debian 系に比べると独特の操作感がある。わかりやすい特徴とすれば、インストーラーや MX Tools 、MX パッケージインストーラだろう。これらは antiX で開発されたツールの MX 版で、ほかの Debian 系には無い独自の機能。
インストーラ
見た目や設定するタイミングこそ違うけれども、基本的に設定する内容はどの Linux ディストリビューションでも同じなので、指示に従って設定していけば問題ない。ただし、起動時に表示言語を日本語にしていなければ、英語で設定を進めることとなる。
MX Tools
何かしらの設定を行いたいときに使うツールになる。デスクトップ環境が Xfce なので Xfce の設定マネージャでも同様の機能を持っているようにも感じるが、実際には Xfce のそれに加えて、MX Linux 独自の機能(後記する MX パッケージインストーラや Conky の設定など)も追加され、より専用性を増したツールになっている。
MX パッケージインストーラ
Debian 系のパッケージインストーラーと言えばやっぱり Synaptic だろう。独自のソフトウェアセンターと Synaptic パッケージインストーラを併用する Linux ディストリビューションが多いなかで、MX Linux は独自のパッケージインストーラを用意している。もちろん Synaptic も用意されているけれども、 MX Linux の場合、出番は極めて少ないだろう。
必要なパッケージを選択すると、依存関係にあるパッケージも自動的に検索しインストールしてくれる。
また Flatpack にも対応しているので、幅広いパッケージを扱うことができる。
MX Linux 19 beta 1 の良かった点・悪かった点
良い
- 中量級とは言っているけれども、今のPCならかなりサクサク動いてくれる。
- 独自の MX Tools や MX パッケージインストーラーの使い勝手が向上。
- ほとんどの Broadcom ドライバーの自動有効化のため Wi-Fi 接続が簡単。
悪い
- やっぱりインストール後に日本語入力環境の設定が必要なのは残念。
- LibreOffice が未だ 6.1.x なのはなぜかな?そろそろ 6.2.x でもいいのでは…。
- まだベータ版なので、ちらほら不具合が出る。(当たり前だね)
MX Linux 19 beta 1 のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
レイアウトや使用感が、若干独特なため「あれ?」と感じることがあるかも。というか、初めて僕が触った時そうだったため、そんなユーザーがいることを懸念し★マイナス1。
日本語の環境… ★★★★☆
インストール後にアプリケーションの日本語化や日本語入力環境の設定をしなければいけないけれども、MX パッケージインストーラのおかげで簡単に設定できる。設定は簡単だけれども、設定する手間があるということで★マイナス1。
システム要件… ★★★★★
Web サイトでは「中量級」という表現をしているけれども、デスクトップ環境が Xfce だし 32bit 版も用意されているので「軽量 Linux 」と言っても、もはや過言ではない。
総おすすめ度… ★★★★★
注目度が高くなる理由がわかる Linux ディストリビューション。ユーザー数もそのうち1位になるかもね。
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ダウンロードする▶ https://mxlinux.org/products/