今、人気急上昇中の MX Linux は、antiX と旧 MEPIS Linux コミュニティ間の共同事業として構築されたプロジェクトで開発されている。
この MX の最新版となる 18.2 が、2019年4月8日にリリースされた。
MX Linux とは?
MX Linux をご存じない方のためにざっくり説明すると、antiX と旧 MEPIS Linux コミュニティ間の共同事業として構築されたプロジェクトで開発されている、Debian の安定版 (Stable) ブランチをベースとした、ディストリビューション(以降ディストロ)。
デスクトップ環境に Xfce を使ったエレガントで軽量なディストロとして人気が高い。
▼以前のバージョン▼
インストールと日本語化については 17.x のものが参考になるので、過去の記事を貼り付けておく。
今回の変更点は?
MX 18.2 では、バグ修正とセキュリティアップデート、インストーラーの改善、および MX ツールのアップデートセットの提供が主なところ。
Firefox と VLC media player も最新版となった。
▼より詳しい情報は▼
Website >> https://mxlinux.org/blog/mx-18-2-now-available/
MX Linux の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: i386, x86_64 (amd64)
- デスクトップ環境: Xfce
- パッケージ管理: APT (dpkg)
主なアプリケーション
- ブラウザ: firefox
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: GIMP
- ミュージック: Clementine
- マルチメディア: VLC media player
MX Linux をインストールするのに必要なスペックは?
- CPU: i686 以上のプロセッサ
- RAM: 2 GB 以上推奨
- DISK: 20 GB 以上推奨
- グラフィック: 3D ビデオカード推奨
- ブロードバンドインターネット接続
▼より詳しい情報は▼
Website >> https://mxlinux.org/manuals/
個人的な意見ですが、
Linux や BSD などのディストロ情報を扱う DistroWatch.com のページヒットランキングで、2019年4月現在で MX は2位につけている。
ちょっと前まで Manjaro が圧倒的だったけれども、最近では(18をリリースした頃からかな?)その差がだいぶ詰まってきている。
ランキングの勢いも使ってみると納得する。
プロジェクトサイト(だいぶ雰囲気が変わった)の冒頭に、中量級(midweight OS)の文字が見られる。
リンクの貼られている Xfce のシステム要件の中で言えば、確かに重たい OS に分類されるであろう。
推奨されるマシンスペックで言えば、Ubuntu とほぼ同等となる。
Ubuntu のシステム要件
- 2GHzデュアルコアプロセッサ
- 2GBのメモリ
- 25GBのディスクスペース
- 1024×768の解像度が利用可能なグラフィックスカード
軽さだけなら Xubuntu や、ベースとなった anti X を選べばよいだろうけれども、快適なユーザー体験のためのツールが MX には用意されている。
改善が進み、使い勝手が良くなった MX Tool なんかは、最近の僕のお気に入り。
MX Tool の一つである MX パッケージインストーラーも、はじめのうちは戸惑うこともあったけれども、使い方を覚えると非常に便利だ。
ある程度の「あいまい検索」ができるので、ぼんやりとしか覚えていないパッケージを探す際に重宝する。
Debian 系のディストロなので、もちろん定番の Synaptic パッケージインストーラーもあるけれども、MX では使うことがほぼ無い。
また、どうでもいいことかもしれないけれども、以前気になって仕方なかった Mozc のアイコンも、今ではちゃんと表示されている。
見た目も洗練され安定性も高くなっているので、普段遣いにはちょうどよくなっている。
デフォルトのブラウザは Firefox だけれども、Chromium や Vivaldi などのブラウザも使うことができる上、Flash などのプロプライエタリ・ソフトウェアもサポートされている。
LibreOffice が 6.0.1.1 のままだったのが不可解。
MX では Flatpak のリポジトリもサポートされているので、そちらから LibreOffice をインストールすると最新版の 6.2.2 になるのだけれども、これだと入力メソッドがうまく動作しないため日本語入力ができなくなってしまう。
この不具合は今後修正されるだろうけれども、現時点では使えない。
現状では、リポジトリのアップデートが行われるまで待ったほうが良いだろう。
テストでは、第2世代の Intel Core i7 プロセッサを搭載したマシンで VirtualBox 6.0 という環境で行った。
メモリは 2048MB で設定し、Youtube の視聴をテストしてみた。
ブラウザ起動時は CPU の使用率が 100% になったが、安定すると 50% 以下で動作する。
720HD の画質で、メモリの使用量が 40~50% のあたりで推移していたので、全画面表示でも快適に視聴できる。
Web 端末としてネットサーフィンや動画視聴をしたり、文書作成する程度でれば何ら問題を感じない。
別記事でも書いているけれども、残念なのは RetroPie がサポートされていないためインストール出来ないこと。
これだけで MX を否定することは全くないけれども、レトロゲーム好きの僕としては残念でならない。
MX Linux は中量級 Linux ディストロと言われているが、 Core 2 Duo でもサクサク動作してくれ、初心者にも使いやすい。
今、人気急上昇中の MX をお試しあれ。
▼ MX Linux をダウンロードする▼
Website >> https://mxlinux.org/blog/mx-18-2-now-available/
▼ MX Linux のインストールはコチラを参考にどうぞ▼