オランダで開発されている EndeavourOS の最新の安定版が、2019年8月17日にリリースされた。
EndeavourOS とはどんな OS ?
EndeavourOS は、Arch Linux ベースのローリングリリース Linux ディストリビューション。 このプロジェクトは、2019年5月に開発が終了した Antergos の精神的な後継者になることを目指しているという。EndeavourOS はデフォルトで Xfce デスクトップを使用し、インストーラーはグラフィカルユーザーインターフェースの Calamares を使ってインストールすることができる。
より詳しい情報は▶ https://endeavouros.com/
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EndeavourOS の概要
- ベース: Arch
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: Xfce
- パッケージ管理: Pacman
EndeavourOS をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: 64bit プロセッサ
- RAM: 1024 MB (2048 MB 以上)
- DISK: 12GB 以上
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox
EndeavourOS についてのより詳しい情報は
▶ https://endeavouros.com/wiki/
個人的な意見ですが、
Arch 系の Linux ディストリビューションということで試してみた。Arch 系についてのイメージは Manjaro の存在を知ってからかなり変わった。以前は「気難しい頑固オヤジ」みたいな印象があり、実際にインストールはもちろんデスクトップ環境の設定やパッケージの追加など、全てにおいてコマンド操作をしなければならず、初心者にはハードルが高いものだった。Manjaro はそんな Arch Linux に、初心者向けの GUI 環境を提供した Linux ディストリビューションだ。(それでも Linux 入門には難しいかも)Manjaro に触れてから、いろいろな Arch 系を試して見るようになった。今回の EndeavourOS もそのひとつとなる。
Antergos と EndeavourOS の関係
当初、Antergos の後継 Linux と思っていたのだけれども、調べてみると何だか少し雰囲気が違った。まず開発国が違う。Antergos はスペインなのに対し、EndeavourOS はネーデルラント連邦共和国(つまりオランダ)。
DistroWatch.com では
The project aims to be a spiritual successor to Antergos – providing an easy setup and pre-configured desktop environment on an Arch base.
https://distrowatch.com/table.php?distribution=endeavour
(このプロジェクトは、Antergosの精神的な後継者になることを目指しています-Archベースで簡単なセットアップと事前設定されたデスクトップ環境を提供します。)
という紹介のしかたをしていた。
さらに Web サイトを調べていくと、どうやら Antergos に関連するコミュニティから新しい EndeavourOS のプロジェクトが生まれたようだ。
EndeavourOS は Antergos の直接的な派生とも後継とも違う Linux ディストリビューション。
ユーザーフレンドリーな Arch 系の開発というアイディアこそ Antergos から生まれているかもしれないけれども、EndeavourOS は実質は全く新しい Linux ディストリビューションと言える。
EndeavourOS とほかの Arch 系との比較
日本人なので、いちばんに気になったのは日本語環境について。他の Arch 系では、東アジア圏の言語はいろいろと設定が必要になる。
Arch 系では初心者向けになる Manjaro ですら、パッケージの追加の他に「.xprofile」の作成や「.bashrc」の編集をしなければならない。EndeavourOS も同じ作業をしなければいけない。しかもパッケージ管理の GUI フロントエンドがないために、パッケージの追加はコマンド操作を必要とする。ここらへんは他の Arch 系に比べ、より源流に近い。
日本語環境については Debian 系や RedHat 系のほうが初心者向けと言える。
EndeavourOS の良かった点・悪かった点
良い
- VirtualBox でテストしたせいなのかわからないけれども(VirtualBoxの検知機能がある)インストーラーを起動すると、自動的に「日本語」が選択された。
- またインストール後は日本語表示される。
- デスクトップ環境が Xfce なので、軽快に動作してくれる。
悪い
- インストール後に日本語表示されるのは良いが、フォントが合ってないためギザギザで見づらい。
- 日本語に対応するフォント(Google と Adobe が共同で開発した日本語対応のフォントがインストールされている)に変更する作業が必要。(なぜそちらをデフォルトにしない?)
- GUI フロントエンドのパッケージ管理アプリがない。
- 日本語入力の設定に必要なパッケージはコマンド操作で行うため、Linux 初心者には少々ハードル高め。
- また、パッケージの追加の他に「.xprofile」の作成や「.bashrc」の編集をしなければならない。
という感じ。
ユーザーフレンドリーを目指しているようなので、今後の開発に期待。
EndeavourOS のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★☆☆☆
インストールこそ GUI で出来るけれども、パッケージ管理のGUIフロントエンドがないのでパッケージの追加が大変かも。
日本語の環境… ★★☆☆☆
インストール直後から日本語表示はできるものの、フォントを変更しないと見づらい上、日本語入力環境の設定が面倒。しかもインライン入力できず。
システム要件… ★★★★★
Arch Linux + Xfce という軽量で安定性の高い組み合わせは最高!
総おすすめ度… ★★☆☆☆
まだまだ「これから」感のある Linux ディストリビューション。ある程度 Linux 経験のあるユーザーがステップアップで勉強するための教材向けかな?
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ダウンロードする▶ https://endeavouros.com/download/