旧 Mandriva Linux の派生(フォーク)である Mageia の最新版 7 が、2019年7月1日にリリースされた。
Mageia 7 とは?
Mageia は 2010年に Mandriva Linux のフォーク(派生)としてスタートしたプロジェクト。
デスクトップおよびサーバー向けの Linux ディストリビューション(以降ディストロ)を開発・提供している。
今回の変更点は?
2017年7月の 6 系から2年ぶりとなるメジャーリリース。
採用されたカーネルは 5.1.14 。
僕のようなデスクトップユーザーには縁のない話だけれども ARM サポートを強化し、実験扱いとして aarch64 と ARMv7 向けのコアを用意している。
いっぽうで ARMv5 のサポートは終了。
現段階では ARM 向けのインストーラーは用意されていないけれども、数カ月以内に人気のある ARM デバイス向けのインストールイメージの提供を計画しているとのこと。
これって Pi のことかしら?
またデスクトップ環境では Plasma が 5.15.4 に、GNOME が 3.32 に、Xfce が 4.13.4 といずれもバージョンアップされているほか、アプリケーションでも rpm 4.14.2 、MESA 19.1 、Firefox 67 、Chromium 73 、LibreOffice 6.2.3 など、多くのパッケージが新しくなった。
より詳しい情報は
▶︎ https://wiki.mageia.org/en/Mageia_7_Release_Notes
Mageia 7 の概要
- ベース: Mandriva
- アーキテクチャ: i586, x86_64
- デスクトップ環境: Cinnamon, GNOME, IceWM, KDE, MATE, LXDE, LXQt, Openbox, WMaker, Xfce
- パッケージ管理:
Mageia 7 をインストールするのに必要なスペックは?
- CPU: AMD, Intel, VIA の任意のプロセッサ
- RAM: 最小 512MB, 推奨 2GB
- DISK: 最小インストール 5GB, 通常セットアップ 20GB
- グラフィック: AMD/ATI, Intel, Matrox, Nvidia, SiS, VIA の任意のグラフィック カード
- サウンド: AC97, HDA, Sound Blaster の任意のサウンド カード
より詳しい情報は
▶ https://www.mageia.org/ja/support/#hw
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox
- メール: Evolutioin
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: GIMP, Inkscape
- ミュージック: Rhythmbox
- マルチメディア: ビデオ
個人的な意見ですが、
7 Beta 3 がリリースされた際にも、いろいろと感想を述べたけれども、今回もいくつか言っておきたいことがある。
Mandriva から派生したディストロには OpenMadriva と PCLinuxOS があるけれども、個人的にいちばん気にっているのはこの Mageia だ。
理由としては
- Web ページが日本語対応
- 日本語化が楽ちん
- 好きなデスクトップ環境が選べる
というところ。
Web ページが日本語対応
東アジア言語をサポートしているディストロはそれなりにあるけれども、Web ページまでが対応しているケースは少ない。
その中で Mageia は、多くのページで日本語に対応している。
どうしても英語だけのページも存在するけれども、英語の苦手なユーザーにとってはハードルがぐっと下がる。
日本語化が楽ちん
最近の Ubuntu 系とまでいかないまでも、日本語入力環境をふくめての日本語化の設定は非常に楽ちん。
インストール時点で表示言語を日本語に設定しておくと、必要なパッケージが同時にインストールされるので、起動時にインプットメソッドと入力システムの設定を行えば、日本語入力ができるようになる。
これは Linux 初心者にはありがたいところだ。
好きなデスクトップ環境が選べる。
Mageia 7 Beta 3 をインストールしてみた際にも少し触れたけれども、使えるデスクトップ環境が豊富だ。
OpenMandriva は KDE Plasma だけ、PCLinuxOS は KDE Plasma と MATE だけというなか、Mageia はクラシックインストールでインストールする際、デスクトップ環境の選択で「カスタム」を選ぶと Plasma, GNOME, Xfce, MATE, Chinammon, LXDE が選択できる他、起動時にはそれらに加え IceWM, Openbox も選ぶことができる。
32bit 版だとデスクトップ環境が限られてしまうけれども、それでも 32bit マシンで使えるのもありがたい。
まだまだ PC の再生に使える Linux といえる。
まとめ
Mageia は Web ページまでも日本語対応していて、ディストロ自体も日本語化が楽ちん。
しかも好きなデスクトップ環境が選べる初心者向けデスクトップ OS 。
おまけ
Raspberry Pi 向けのイメージデータが配布されたら、真っ先に使ってみたいぞ!
Mageia 7 に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
Mageia 7 をダウンロードする
▶ https://www.mageia.org/ja/downloads/