フランスで開発されている Mageia の最新版となる7の Beta 3 が、2019年4月17日に発表された。
正式なリリースまであと少しだ。
Mageia とは?
Mageia は、かつてフランスで開発されていた Mandriva Linux から派生(フォーク)したディストリビューション(以降、ディストロ)。
もともとの Mandriva は Red Hat Linux をベースに開発(このときは Linux Mandrake という名前で開発されていた)されたディストロで、今でもパッケージ管理は RPM である。
Mageia は9ヶ月サイクルでリリースされるよう計画されており、さらに各リリースは18ヶ月間サポートされる。
前回の安定版バージョン Mageia 6.1 は、2018年10月にリリースされた。
今回の変更点は?
主要ソフトウェア、パッケージ管理などがアップグレードされた。
現段階では、Plasma, GNOME, Xfce のデスクトップ環境のものが配布されている。
▼より詳しい情報は▼
Website >> https://wiki.mageia.org/en/Mageia_7_Release_Notes
Mageia の概要
- ベース: Mandriva
- アーキテクチャ: i586, x86_64
- デスクトップ環境: Cinnamon, GNOME, IceWM, KDE, MATE, LXDE, LXQt, Openbox, WMaker, Xfce
- パッケージ管理: RPM (DNF)
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox, Chromium
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: GIMP, Inkscape
- マルチメディア: VLC media player
Mageia をインストールするのに必要なスペックは?(推奨の)
7 については、まだベータ版ということなので、以下のスペックは 6.1 までのもの。
- CPU: 32-bit または 64-bit の AMD, Intel, VIA の任意のプロセッサ
- RAM: 512 MB (2 GB 以上)
- DISK: 5 GB (20 GB 以上)
- グラフィック カード: AMD/ATI,Intel, Matrox,Nvidia,SiS,VIAの任意のグラフィックカード
- サウンド カード: AC97,HDA,Sound Blasterの任意のサウンドカード
▼より詳しい情報は▼
Website >> https://wiki.mageia.org/en/Main_Page
個人的な意見ですが、
先日「Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション」という記事を書いたけれども、そういえばこのディストロも頭文字 M だ。
しかもベースとなるディストロが違うとなると、追記するべきだったかもしれない。
なぜならこの Mageia も、なかなか初心者向けのところが多い。
日本語にも対応していて、インストールから日本語で行える。
まったくの PC 初心者だと「?」となる表現も在るかもしれないが、このブログを読んでいるアナタであればインストールは指示通りに行えば問題がない。
またインストール直後から日本語入力もできるという親切っぷり。
ダウンロードの際に「クラシックインストール」を選ぶと、最近ではあまり見かけなくなってきたけれども、インストールの際に好きなデスクトップ環境を選んでインストールすることができる。
ライブメディアでは Plasma デスクトップ、 GNOME デスクトップ、 Xfce デスクトップのいずれかを選んでダウンロードすることができる。
Plasma と GNOME は、すでに 64-bit 版のみとなっているため、32-bit 版を使いたい場合には Xfce を選ぶ必要がある。
Mageia は、もともと KDE Plasma をデフォルトにしていたディストロなので、インストールの際のデフォルトも Plasma になっている。
今回もいつもの通り VirtualBox にインストールして試してみた。
ためしに LXDE のデスクトップ環境を選んで見る。
起動時にデスクトップ環境を選択する欄があったので見てみると、OpenBox と IceWM もつかえるようだ。
これならスペックの貧弱なマシンでも使える。
ただしアプリの内容は Plasma や GNOME にプリインストールされているものとは若干異なり、いずれも軽量なアプリ中心に構成される。
あと技術的な内容で言うと、データベースに使われている Oracle の MySQL を、オープンソースの MariaDB に置き換えた最初の Linux ディストロとして紹介されることがある。
MariaDB は MySQL と互換性があり、データベース接続クライアントも MySQL 用に設計されたものも使うことができる。
サーバーとかを構築するエンジニアには、わりと重要な内容かと思われる。
また僕のように個人でサーバーを借りて WordPress などの CMS を構築している人にとっても、頭の片隅にでも置いておきたい内容だ。
RPM のディストロをお探しの方は、ぜひお試しあれ。
▼ Mageia をチェックする▼
Website >> https://www.mageia.org/ja/
▼ Mageia Beta をダウンロードする▼
Website >> https://www.mageia.org/ja/downloads/prerelease/