今回はじめて見る方には驚きかと思います。
Windows にそっくりな Linux ディストリビューション Windowsfx を紹介します。
これLinux なんですよ。
Windowsfx とは?
Windowsfx は Linuxfx ともいい、名前からもわかる通り Windowsにとてもよく似た Linux ディストリビューションです。
先日 Windowsfx 11プレビューとして、新しい Windows 11 によく似たバージョンをリリースしました。
これまでも Windows に似たディストリビューションはいくつかありましたが、ここまでコピーしたものはなかったと思います。
TPM 2.0 が必須となり、Windows 11 へアップグレードできなくなった Haswell 世代以前のマシンのための受け皿になるでしょうか?
そんな Windowsfx 11 をざっくりレビューしていきます。
ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
Windowsfx のダウンロードとインストール。
Windowsfx は PC 版と Raspberry Pi 版を開発していますが、Windowsfx 11 は 64bit PC のみのリリースで、Raspberry Pi 版の Windowsfx は 10 です。
んで、Web サイトのダウンロードセンターにあるダウンロードボタンをクリックすると SorceForge のダウンロードページへと続きます。
ちなみに Windowsfx 11 の無料版は30日間の限定です。
フル機能で使い続けたい場合は、シリアルキーを購入しなければいけません。
有料版のみとなった時期もありましたが、ダウンロード数が伸び悩んだのでしょう。
今度はお試し利用ができるようになりました。
Windowsfx 11 のプレビュー02 がリリースされていたので、早速試してみましたが、Rufus の ISO モードだと起動の際にエラーが出ました。
Rufus でインストールメディアを作る場合には、書き込みには DD モードを選択したほうが良いです。
でなきゃ BalenaEtcher を使うかですかね。
んで、 Windowsfx は Windows 11 のように「TPM 2.0 じゃないといけない」とかありません。
Microsoft の Windows 11 でない証拠?に、Celeron 1000M 搭載マシンである Fujitsu LIFEBOOK A553/H にインストールしてみました。
Celeron 1000M は Ivy Bridge 世代のプロセッサです。
TPM アウトな世代です。
いずれにしろ Windowsfx はライブで使ってみることもできます。
ここらへんは Ubuntu 系っぽいですね。
んで、インストーラーは Calamares が採用されています。
インストールでは特に難しいことはないと思いますので、詳細は割愛します。
Windowsfx の外観。
とにかく見た目は隅から隅まで Microsoft Windows に似せてあります。
雰囲気やパット見のデザインなどが Windows に似ているものはコレまでもありましたが、この Windowsfx は桁違いです。
レイアウトやデザイン、アイコンは当たり前で設定画面などまで、えげつないほどのコピーぶりです。
Linux だと思うと逆に使いづらいです。
なんか、うん…。
Windowsとの互換性。
Windowsfx は見た目だけでなく Windows のアプリケーションも実行できます。
Linux でも使える Edge ブラウザ(これはまだベータ版ですが)や Microsoft Teams、Skype や PowerShell (って、これ普通にターミナルじゃね?)、それと Office Online が用意されていますが、その他の .exe や .msi ファイルも実行できます。
Linux では通常 Wine というソフトウェアを使って Windows のアプリケーションを実行します。
Windowsfx でも基本的には同じ用に Wine を使いますが、独自ツールによってかなり高度な互換性を実現しているようです。
これなかなか凄いんですがが、準備にはとても時間がかかります。
関連のパッケージのダウンロードやインストールには、およそ4時間ほどかかりました…。
環境によっても異なるとは思いますが、それでもだいぶ時間がかかるのは間違いありません。
日本語入力について。
Windows アプリの実行の前に日本語入力環境を設定しておきましょう。
Windowsfx にはインプットメソッドの iBus がインストールされていますが、入力システムが入っていません。
Anthy にしろ Mozc にしろ入っていません。
KDE のソフトウェアセンターである Discover で探してみましたが、GUI 環境では見つけられなかったので、コンソールを起動してインストールしました。
$ sudo apt install ibus-mozc
ibus-mozc のインストールが終わったら、インプットメソッドの設定で Mozc を追加します。
これで日本語入力ができる!と思ったのですが、入力は「ひらがな」に変更しないと日本語が入力できませんでした。
無理して iBus を使うより、Fcitx (やっぱりコマンドでインストールしなければいけませんが)の方が使いやすいかもしれません。
いずれにしろ、日本語入力環境はなんとか整いました。
Windows アプリの実行。
せっかく時間をかけて環境を整えたので、いくつか Windows アプリを実行してみました。
まず一番最初に Rufus を実行してみました。
起動はしましたが、ドライブの概念が Windows と Linux とでは異なるためか USB メモリが認識されません。
んで、他にもとおもったのですが、適当なアプリが思いつかなかったのでテキストエディタをいくつかダウンロードとインストールしてみました。
- サクラエディタ https://sakura-editor.github.io/
- Notepad++ https://notepad-plus-plus.org/
- TeraPad https://tera-net.com/
- 秀丸エディタ http://hide.maruo.co.jp/software/hidemaru.html
インストールの際には Windows で起動させているのと変わらず、ウィザードが起動します。
所々で文字化けする箇所も見られますが、たぶん大丈夫でしょう。
これらをインストールして思ったのが
デスクトップにショートカットがある!です。
通常 Linux のアプリケーションは、ランチャーやメニューの中にしかアプリケーションは展開されません。
デスクトップに表示されれないのが普通なので Linux の世界で、デスクトップにアプリのアイコンが表示されているというのはかなかの特徴です。
てか、汎用のアイコンではなく、ちゃんとアプリのアイコンで表示されているのがスゴいです!
んでそのアイコンからアプリを起動できるのもスゴい。
ここらへんは、ちょっとホントスゴいです。
だてに Windows (?) を名乗っていませんね。
ちなみに、テキストエディタは全て起動し、妙なところにサジェストウィンドウが表示されたりもありましたた、日本語入力はちゃんとできました。
Adobe 系のアプリを試してみようかとも思いましたが、そもそもインストールしたマシンのスペックが相当低く、動作しないと思ったので MS Office のインストールを試すことにしました。
が、なぜかモバイル版しか表示されなかったため諦めました。
今思うとベータ版の Edge だったからかな?
Firefox とかほかのブラウザだったら違ったのかな?
いずれにしろ、その他のアプリも試そうと思ったのですが、思いつかなかったのでやめました。
あ、Steam とかでゲームダウンロードして見ればよかったのかな?
気が向いたらやってみようかとも思います。
また MS アプリではありませんが
Only Office Suite もインストールされています。
コレもまた外観が MS Office によく似せてありますが
インライン入力ができないので少々使いづらいです。
てか、こうしてみるとコダシマにとっての Windows とか macOS って、Adobe ソフトを動かすためだけの OS だなぁと思いました。
沈黙の Microsoft 。
それより何より、何も言わないMicrosoftが不気味です。
なぜなら依然存在していた Lindows は、名称が Windows と似ているとして Microsoft から裁判を起こされました。
結果、その社名と製品名を Lispire に変更した過去があります。
にもかかわらず Windowsfx ときたら商標どころか、見た目もまんま Windows です。
数年前から開発が始まった Windowsfx は、発表時からその見た目と機能でけっこう話題になっているのですが、それでも何も言わない Microsoft が気になります。
そこで、日本だけでなく世界中で何かしらの情報が無いかと探してみました。
が、どこにも Microsoft が裁判を起こしたというニュースも、沈黙している確固たる理由も見つけられませんでした。
ただ、憶測にはなりますが、いくつか原因があるかもしれません。
様々な情報を仕入れたうえで、コダシマ的には次の2つが要因ではないかかと考えています。
1.収益化の変化
以前であればOSである Windows そのものの販売が収益化のポイントでしたが、最近では OS の販売自体よりも、アプリなどのアドオンの方が主な収益化のポイントになっていると思われます。
それらアドオンはサブスクリプション化で安定的に収益を上げることができます。
またライセンス料を取るなら、ハードウェアメーカーへ OEM のライセンス料を徴収するほうが個人ユーザーの負担を見えにくくすることができるため、結果的に個人向けの OS のライセンス料にこだわる必要がなくなったのではないかと思います。
むしろ Windows の名前を使われたほうが、知名度が高くなり得体のしれないパチモンより手軽になった本物のほうが良い!というユーザーも出てくることでしょう。
そんなこんなで、そこまでうるさく言うのも得策ではないといったところでしょうか?
泳がされている感じですかね?
わかりませんが。
2.Microsoft も Linux に依存せざるを得ない。
王者の余裕というべきでしょうか?
いくら互換性を高くしたとしても、あくまでも別のOSのためシステム的に100%動作保証はされません。
所詮パチモンだろ?ということで泳がされていたのかとも思いましたが、ちょっとそれだけでは無いかもしれません。
もう一つの要因として考えたのが、Microsoft が Linux を無視できなくなったということ。
WSL の実装からもわかるように、Microsoft が Linux をシステムに使い始めました。
というか、Microsoft 自体も開発に Linux を用いており、先日も CBL-Mariner が公開されました。
サーバー業界では Windows よりも Linux のシェアが高く、Microsoft は Linux を無視できないのは間違いありません。
Linux を敵視することは得策ではないととらえたのでしょうか?
なので Windowsfx の存在についても、無駄に波風立てないようあえてそっとして、様子を伺っているようにも見えなくもないです。
ってか、それよりも Windowsfx ってここまで Windows に似せておきながら、無料版はあるもののプロ版のフロントエンドになっています。
30日間はプロ版と同等の機能が使えますが、30日を超えると機能に制限がかかるというやつです。
何も言われないからといって開発費という名のもとに堂々と販売するあたり、なかなか商魂たくましいですね。
Windowsfx のまとめ。
ということで今回は Windows のコピーOS?
Windowsfx をざっくりチェックしてみました。
Windowsfx は見た目だけでなく、Windows の .exe や .msi までも実行できる、かなり気合の入ったものでした。
Windows アプリを動作させるまでの手間や Windows アプリがどこまで動作してくれるのか、また今後の開発や料金体系、Microsoft の対応やら、いろいろと気になる部分はありますが、なかなか興味深いディストリビューションではないでしょうか?
話のネタにちょっと触ってみても面白いかもしれません。
Hardware Requirements
Base on | Ubuntu LTS |
Origin | Brazil |
Arch | x86_64 |
Desktop | KDE Plasma |
Processor | 2Core+ CPU (4Core 以上推奨) |
RAM | 2GB+ (4GB 以上推奨) |
Storage | 20GB+ (64GB SSD推奨) |
Monitor | Full-WXGA 1366*768 + |
other | ブロードバンドインターネット接続 |