新生活向けの Linux 記事でも書いてみようと DistroWatch.com を眺めていたら、ページヒットランキングで気が付いたことがあった。

DistroWatch.com のヒットランキングで、トップ3を占めているディストロは、頭文字がすべて M で始まる。

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション
2019年4月10日現在のページヒットランキング

DistroWatch.com のランキングはあくまでも、DistroWatch.com が扱うページのヒットランキングのため、実際のユーザー数などとは違うけれども、認知度だったり注目度だったりの目安となるものであるため、Linux 開発をしているプロジェクトは DistroWatch.com への掲載を目標の一つとしている。

なので、実質のユーザー数は少なくとも注目度が高いとランキングの上位に名前が並ぶこととなる。

DistroWatch.com のランキング

2019年4月現在のランキングトップ3は以下の通り。

No.1 Manjaro

Arch 系のディストリビューション

  • アーキテクチャ: x86_64
  • パッケージ管理: Pacman
  • デスクトップ環境: GNOME, KDE, Xfce

このほかにもコミュニティエディションとして Awesome, Bspwn, Budgie, Cinnamon, Deepin, i3, LXDE, MATE, Openbox がある。

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No.2 MX

Debian 系の軽量ディストリビューション

  • アーキテクチャ: i686, x86_64
  • パッケージ管理: dpkg (APT)
  • デスクトップ環境: Xfce

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No.3 Mint

Ubuntu (Debian) 系のディストリビューション

  • アーキテクチャ: i368, x86_64
  • パッケージ管理: dpkg (APT)
  • デスクトップ環境: Cinnamon, MATE, Xfce

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それぞれの特徴をザックリ紹介したい。

Manjaro Linux

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション

Manjaro は、シンプルで無駄のないシステム開発を目指す Arch Linux(以降 Arch )をベースとしたローロングリリースのディストロ。

Arch とは異なりデスクトップ環境がプリインストールされているため、初心者にも扱いやすい。

ただし日本語入力環境の設定が、そこまで親切とは言えないので Linux 初心者にとっては最初のハードルとなるかも。

公式のデスクトップ環境に Xfce, KDE, GNOME が提供されており、このほかにもコミュニティエディションとしてawesome, Bspwm, Budgie, Cinnamon, Deepin, i3, LXDE, LXQt, MATE, Openbox が用意されている。

Archと同じパッケージマネージャーである Pacman を採用し、Arch と互換性はあるものの、独自のリポジトリ(貯蔵庫)を運用してるため、Arch 公式のリポジトリにアクセスすることはできない。

しかし Arch のリポジトリからコピーしたパッケージの機能テストをした上で、 Manjaro のリポジトリとして公開されているので、更新のタイムラグはあるものの安定性はバツグン。

またローリング・リリースなので、順次最新バージョンへアップデートされていく。

軽量なデスクトップ環境と、持ち前のシンプルなシステムが組み合わさり、高速で安定性の高いディストロとして人気。

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MX Linux

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MX は、超軽量ディストリビューション antiX と旧 MEPIS Linux コミュニティ間の共同事業として構築されたプロジェクトで、Debian GNU/Linux をベースとした中量級のシンプルで安定したオペレーティング・システムとして開発されている。

中量級とは言ってもデスクトップ環境は、カスタマイズされた Xfce が採用されているため、非常に軽快に動作してくれる。

独自の MX Tool によって、様々な設定が管理でき、パッケージの追加も MX Tool の中にある MX パッケージマネージャーで行うことができる。

日本語化についてもバージョンが進むにつれ精度が増し、設定の手間もだいぶ省けきた。

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Linux Mint

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション

つい数年前まで DistroWatch.com のページヒットランキング首位を走り続けていた高い人気とユーザー数を誇るディストロ。

Ubuntu をベースとして開発されているが、その使いやすさから本家 Ubuntu よりもユーザー数が多い。

シンプルさや軽快さよりも、最新技術を使って誰にでも使いやすい Linux を提供することを目的として開発されている。

デスクトップ環境には GNOME 3 から派生した Cinnamon と、GNOME 2 から派生した MATE 、軽量な Xfce の3種類存在する。

インターフェイスのデザインは、どのデスクトップ環境も Windows に似せているため、Linux 初心者でも移行しやすい。

日本語化については、インストール直後から日本語入力ができてしまう。

今回紹介した中では最も初心者向けといえるディストロ。

また、Ubuntu の上流にある Debian GNU/Linux をベースとした LMDE (Linux Mint Debian Edtion)もある。

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この3つは、僕もオススメのディストロで、いずれも普段使いとして稼働している。

そして Linux 初心者にはオススメのディストロでもある。

使い方次第のオールマイティ Linux で何する?

そもそも Linux を使って何をするかによっても、選ぶディストロが違ってくる。

得意分野的なものが、それぞれのディストロにはある。

そのへん今回の頭文字 M たちは、けっこうオールマイティな感じで使える。

普段使いのデスクトップ OS として、オフィススイートもあるし、画像編集ソフトや動画編集ソフトもある。

Windows や macOS の代替えとしても、十分に使える。

また、Linux の得意とするサーバー構築やプログラミングなどの開発環境だって十分に整えることができる。

そして何より、それら全てが無料で使えるというありがたさ。

今回の3種類のディストロは、これら全方向に向けて使うことができる優れもの。

Linux で何がしたいか、ボンヤリとしている人であれば、ひとまずこのディストロを使って、何ができるかを体感した方が早いかもしれない。

以下に頭文字 M にデフォルトでインストールされているソフトウェアの一部を紹介する。

Web ブラウザ

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション
webブラウザの定番 Firefox

まず今の世の中 PC を使う上で外せないのが、Web ブラウザ。

ブラウザについては、多少ディストロの色が出てくる。

多くの場合には Firefox をデフォルトのブラウザとするディストロが多いけれども、Chromium や Google Chrome をプリインストールするものもある。

最近では Vivaldi をプリインストールしているディストロも見られる。

ちなみに頭文字 M は、いずれもデフォルトのブラウザは Firefox を採用している。

オフィススイート

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション
オフィススイートなら LibreOffice

次に必要になるのがオフィス関連だろう。

今回紹介している頭文字 M は(というか、ほとんどのディストロは)LibreOffice がプリインストールされている。

クロスプラットフォームのソフトウェアなので、Linux だけでなく Windows でも macOS でも同じ環境で使うことができる。

グラフィックス

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高機能な画像編集ソフトといえば GIMP

書類作成に関連して、画像編集も今や外せないものの一つにあげられる。

無料で使える高機能な画像編集ソフト GIMP は、もはや定番と言える。

この GIMP もクロスプラットフォームなので LibreOffice 同様、 Windows でも macOS でも同じ環境で使うことができる。

ちなみに、Manjaro には Adobe Illustrator に相当するドローソフト Inkscape がプリインストールされている。

もちろん大体のディストロのリポジトリにはあるので、後から追加することができる。

マルチメディアプレイヤー

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション
再生できないメディアは無い?! VLC メディアプレイヤー

様々な音楽データや動画データを再生できるマルチメディアプレイヤーが用意されている。

多くのディストロでは、やはりクロスプラットフォームの VLC メディアプレイヤーが採用されている。

Mint では、独自のメディアプレイヤーを採用しているけれども、Manjaro と MX では、定番の VLC メディアプレイヤーが採用されている。

プログラミング言語

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション
グラフィカルユーザーインターフェイスの開発環境 FLTK

プログラミング言語として、Python がプリインストールされている。

Python は、コードがシンプルで扱いやすく設計されており、C言語などに比べて、さまざまなプログラムを分かりやすく、少ないコード行数で書けるといった特徴がある。

プログラミングを始めようと思っているのであれば、いずれのディストロでも用意されているのですぐに始められる。

Linux ですが、何か問題でも?

以上、めぼしいところをピックアップしてみたが、これ以外にも音楽作成ができる DAW や、動画編集ソフトなどもあるので、Linux でも何ら問題がない時代になった。

Linux は、一度は PC に触れたことがありもっと PC を知りたい人や、PC でいろいろなことをやってみたい人にお勧めしたいオペレーティングシステムだ。

個人的には特に、これからより多くのことを学んでいくであろう高校生や大学生に、是非とも Linux を使ってもらいたい。

中古 PC + Linux の相性は非常に良いため、どの分野においてもハードウェアやソフトウェアにたくさんお金をかけなくても環境を整えることができる。

新生活に Linux を加えてみてはいかがだろうか?

頭文字 M なら、それができる。

ちなみに…

ゲームのエミュレータもたくさんあるので、僕なんかはレトロゲームをプレイするのに使っている。

Linux を始めるなら“頭文字 M ”の Linux ディストリビューション
NES エミュレーションソフト Fceux

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