カナダで開発されている AV Linux の最新版となる 2019.04.10 が、2019年4月3日にリリースされた。

AV Linux とは?

AV Linux の名前を聞いて卑猥な想像をしたのは僕だけじゃないはず。

マルチメディアコンテンツ制作向け AV Linux 2019.04.10 がリリースされたので

でもこの AV は Audio Visual の方。

マルチメディアコンテンツ制作者を対象と した Debian ベースのディストリビューション(以降、ディストロ)で、オーディオおよびビデオ制作ソフトウェアを数多くプリインストールしている。

さらに、低遅延オーディオパフォーマンスのために IRQ スレッディングを有効にしたカスタムカーネルも含まれている。

AV Linux は、インストールももちろんできるけれども、ライブ DVD またはライブ USB メモリからも実行できる。

ちなみに、ISOログインユーザー名とパスワードが必要になるので注意。

  • 64bit:ユーザー名:isotesterパスワード:avl64 (rootパスワード:avl64admin)
  • 32bit:ユーザー名:isotesterパスワード:avl32 (rootパスワード:avl32admin)

▼より詳しい情報は▼
Website >> http://www.bandshed.net/2019/04/03/av-linux-2019-4-10-released/

AV Linux の概要

  • ベース: Debian
  • アーキテクチャ: i386, x86_64
  • デスクトップ環境: Xfce
  • パッケージ管理: dpkg (APT)

主なアプリケーション

  • ブラウザ: Firefox, Chromium
  • グラフィック: Blender, GIMP, Inkscape
  • ミュージック: Ardour, Audacity, Calf Studio Gear, Carla, Guitarix, Hydrogen, MuseScore
  • ビデオ編集: Cinelerra, Kdenlive, Openshot

AV Linux をインストールするのに必要なスペックは?

プロジェクトサイトでシステム要件の記述を見つけることができなかったので、 Ubuntu Studio のシステム要件を参考とする。

  • CPU: 2 GHzデュアルコアプロセッサ
  • RAM: 2 GB 以上
  • DISK: 25 GB 以上
  • モニタ: 1024 x 768の解像度が可能なVGAモニタ

▼より詳しい情報は▼
Website >> http://bandshed.net/forum/index.php

マニュアルのダウンロード >> http://bandshed.net/pdf/AVL2019UserManual.pdf

日本語化について

表示言語は、わりと簡単に日本語化できたけれども、日本語入力環境がイマイチうまく設定できなかった。
ibus にしろ Fcitx にしろ、うまく動作してくれない。
何か見逃しているところがあるのだろうか?

個人的な意見ですが、

クリエイター向けのディストロとしていちばん最初に名前が浮かんだのは、システム要件のところでも名前を出した Ubuntu Studio である。

マルチメディアコンテンツ制作向け AV Linux 2019.04.10 がリリースされたので

広い意味で言えば(Ubuntu もベースは Debian だからね)どちらもベースは Debian だし、デスクトップ環境はどちらも Xfce と似ている部分が非常に多い。

しかし AV Linux は、ストレージへのインストールはもちろんできるけれども、ライブ CD での使用を前提としているのか、ちょっと違和感を感じる。

また全くの僕の印象だけれども、ソフトウェアもグラフィックス関連やビデオ編集などのソフトウェアもプリインストールされ、マルチメディア向けとされているが、どちらかというと DAW などが豊富なので作曲や音楽編集に向いているような印象を受ける。

以前、しばらくの間 Ubuntu Studio を普段使いの OS として使ってい時期があるので、少し使い勝手を比べてみた。

資金面で潤沢な Ubuntu の方が、細部までの作り込まれている感じを受けるのが正直な印象。
AV Linux は、決して悪いディストロとは思わないけれども、ユーザービリティの面で遅れをとっていると言わざるを得ない。

「独自性」は諸刃の剣。

マルチメディアコンテンツ制作向け AV Linux 2019.04.10 がリリースされたので
インストーラーなどを行う”Systemback”は独特な使い心地。

吉と出るか、凶と出るかは開発者がどれだけユーザー寄りの目線を持てるかによるところだろう。

ただ、AV Linux で好感のもてるところは、同じようなソフトウェアを詰め込んでいるわけではないところ。
DAW にしろ、グラフィックスソフトにしろ、重複するソフトウェアが少ない。

マルチメディアコンテンツ制作向け AV Linux 2019.04.10 がリリースされたので
豊富なマルチメディアコンテンツ制作向けアプリケーション

ここはソフトウェア選びをキチンと行なっている証拠だろう。

なんでもかんでも詰め込めばいい的な発想の多いフリーウェアの中で、ちゃんと見極めて必要なものだけを揃えているところは好印象。

Ubuntu Studio よりも若干がクセがあるけれども、興味のある方は以下の URL からチェックしてみると良い。

▼ AV Linux をチェックする▼
Website >> http://www.bandshed.net/avlinux/