英国で開発されている Lubuntu ベースのディストリビューション、Peppermint の最新版となる 10 が、2019年5月17日にリリースされた。
Peppermint とは?
Peppermint OS は、Xfce および LXDE デスクトップ環境のコンポーネントを統合し、 Ubuntu 長期サポート (LTS) をベースとした軽量の Linux デスクトップディストリビューション。
Peppermint OS はまた、独自の「Ice」を使って SSB (Site Specific Browser: サイト固有のブラウザ) を作成することができる。
SSB は Web アプリをより簡単に、ローカルディスクにダウンロードしたもののように使うことができるのが特徴。
Peppermint 10 Respin の変更点はこちら
▶ https://peppermintos.com/2019/12/peppermint-10-respin-released/
Peppermint 10 Respin の概要
- ベース: Lubuntu LTS
- アーキテクチャ: i386, x86_64
- デスクトップ環境: LXDE, Xfce
- パッケージ管理: dpkg (APT)
- カーネル: 5.0.0-37
主なアプリケーション (SSB)
- ブラウザ: Firefox
- オフィス: (Microsoft Office Online)
- グラフィック: (Pixlr)
- マルチメディア: メディアプレイヤー
アプリケーションの多くは Ice を使って Web アプリをローカルアプリのように使うことができる。
Peppermint をインストールするのに最小のスペックは?(推奨)
- CPU: Intel x86 (x86_64またはamd64互換プロセッサ)
- RAM: 512 MB (2 GB 以上)
- DISK: 3.8 GB (4 GB 以上)
より詳しい情報は
▶ https://peppermintos.com/guide/downloading/
個人的な意見ですが、
大好きな Linux でもあり、普段使いしている Peppermint の最新版と聞いて飛びついた。
このブログでは何度も紹介しているけれども、その魅力を十分に伝え切れているか正直自信がない。
それくらい溺愛している Linux ディストリビューションになる。
見た目の魅力。
macOS や Youtube などで「ダークテーマ」が使われるようになる前から、Peppermint ではダークテーマのようなインターフェイスが使われていた。
しかも配色が独特なため、見た目は非常に派手に見える。
また、ファイルマネージャーに Cinnamon デスクトップ環境で使われている非常にスムーズな Nemo ファイルマネージャが採用されており、リモートネットワーク共有への簡単に接続できるほか、デスクトップアイコンのきめ細かな制御、カスタムアクションスクリプト、および新しい壁紙マネージャーと一緒にデスクトップの背景を簡単に構成できる。
派手だけではない、堅実な作りといえる。
動作環境と日本語環境。
しかしながら使ってみると、Lubuntu をベースとしているため、上記にあるハードウェア要件でもわかるとおり、古いマシンでも動作は非常に軽快で問題なく動いてくれる。
また、日本語対応について以前のアップデートから設定が不要になった。
▶https://pc-freedom.net/today_pc_story/peppermint-9-respin-2-がリリースされたので、/
文字化けもなく、インストール直後から日本語入力までできるようになった。
必要なシステム要件の面やリソースの面から言って、個人的には Peppermint がいちばんの再生 PC の救世主だと思っている。
Webアプリケーション管理ツール「Ice」。
Peppermint いちばんの特徴とも言える、独自の Web アプリケーション管理ツール「Ice」を使って SSB (Site Specific Browser: サイト固有のブラウザ) を作成することができる。
SSB は Web 上にあるアプリをローカルにインストールされたアプリと同じように使えるようにしている便利な機能。これによりストレージの空きスペースが少なくても、安心して使うことができる。
デュアル・マルチブートなどを考えているユーザーにも、空きスペースで頭を悩ませることがなくなるだろう。
Peppermint と Lubuntu との比較
デスクトップ環境。
Peppermint も基本的には Ubuntu をベースとし、リポジトリも Ubuntu のものをメインに Peppermint 独自のものを提供している。
デスクトップ環境は LXDE をベースに Xfce の機能を追加したような環境のため、一般的な LXDE デスクトップ環境とは少し異なる。
そのため、以前の記事で LXDE デスクトップ環境の Linux ディストリビューションを比較紹介したとおり、LXDE デスクトップ環境としては RAM 使用量がほかよりも少し多めになっている。
以前の記事
▶ https://pc-freedom.net/linux/lxle-18-04-3-release/#LXLE_Lubuntu
実質的には LXDE と Xfce の中間程度の RAM 使用量になる。
とはいえ繰り返しお伝えしている通り、ハードウェア要件は非常に低いので、古いマシンでも安心して使える。
アプリケーション。
インストールされているデスクトップ向けアプリケーションも、 Peppermint は Ice SSB による Web アプリケーションを中心に構成されているので、ブラウザ+ Ice というのがメインになる。
もちろんアクセサリーやユーティリティもあるが、Peppermint には LXDE だけではなく Xfce のものも含まれる。
GNOME や Plasma といった環境よりも少ない RAM で動作しながらも、それらに近い環境を作るための努力が伺い知れる。
なので調整さえ行えば、より軽快な環境も実現できる。
見た目は派手だけれども、実に堅実でアイディア豊かな Linux ディストリビューションである。
Peppermint の良かった点・悪かった点
良い
- 見た目がかっこいい!(ボク好み)
- 軽くてサクサク動いてくれる!
- Ice があれば、ストレージ容量が少なくても安心!
- 日本語入力環境もバッチリ!
悪い
- Peppermint Settings Panel が翻訳されていないので、英語が苦手な人は大変かも。
Peppermint のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
Ubuntu ベースなうえレイアウトも Windows っぽいので、初心者でも問題なく使い始められる。慣れないうちは Ice の設定に戸惑うかも。
日本語の環境… ★★★★☆
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
日本語での表示はもちろん、インストールも日本語でできるうえ、インストール直後も特別な設定なくして日本語入力ができる。残念なのは一部の項目(特に設定画面)が日本語翻訳されていない。
システム要件… ★★★★★
Linux のなかでも軽量なディストリビューションなので Windows XP 世代や Vista 世代のマシンでもサクサク軽快に動作してくれる。
総おすすめ度… ★★★★★
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
その見た目と軽量性・安定性で溺愛している Linux ディストリビューション。特に Ice を一度使ってみると Linux の概念が変わるかもしれません。何度も繰り返すけれども、派手な見た目とは裏腹に、実に堅実でアイディア豊かな Linux ディストリビューションをアナタにもぜひ使ってほしい!
Peppermint に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
ダウンロードする▶ https://peppermintos.com/guide/downloading/