USA で開発されている Lubuntu ベースの軽量 Linux ディストリビューション LXLE の最新版 18.04.3 が、2019年9月9日似リリースされた。
LXLE とはどんな OS ?
LXLE は、LXDE デスクトップ環境を使用する Lubuntu ベースの Linux ディストリビューション。
古い PC の再生を目的として設計されており、システムリソースを節約しつつ誰でもかんたんに使えるよう開発されている。
LXLE 自体は Ubuntu と同じ LTS スケジュールでリリースされ、リポジトリも Ubuntu と共通のものが利用できる。
また LXLE は Lubuntu のシステムやアプリを取捨選択し、より古いマシンでも使えるよう再調整した、折衷的なリスピンとしてフォーラムベースのユーザーサポートを用意している。
今回の変更点は?
バグ修正などの問題解決のほか、さまざまなアプリケーションが置き換え、または削除された。
置き換えられたアプリケーション
- GIMP ⇒ Pinta
- Htop ⇒ Lxtask
- デフォルトターミナル ⇒ sakura
- FBreder ⇒ Bookworm
- OpenShot ⇒ Pitivi
- Libreoffice ⇒ GOffice (Abiword, Gnumeric, Spice-Up)
- 削除されたアプリケーション
- パルスオーディオイコライザー
- Lubuntu Software Center
- Java OpenJDKはほとんど
など。
より詳しい情報は
▶ https://lxle.net/articles/?post=lxle-18043-released
LXLE 18.04.3 の概要
- ベース: Lubuntu (Ubuntu, Debian)
- アーキテクチャ: i386, x86_64
- デスクトップ環境: LXDE
- パッケージ管理: dpkg (APT)
LXLE をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: Intel Pentium 4, Pentium M, AMD K8 以上
- RAM: 512 MB (512 MB 以上)
- DISK: 8 GB (20 GB 以上)
- モニタ: XGA (1024×768 以上)
主なアプリケーション
- ブラウザ: SeaMonkey
- メール: SeaMonkey Mail / News / RSS Client
- オフィス: GOffice (Abiword, Gnumeric, Spice-Up)
- グラフィック: Pinta
- ミュージック: Guayadeque ミュージックプレイヤー
- マルチメディア: Parole メディアプレイヤー
LXLE についてのより詳しい情報は
▶ https://wiki.lxle.net/doku.php/start
個人的な意見ですが、
Lubuntu (Ubuntu) LTS をベースにしているため、リリースサイクルはゆっくりしているように感じる。とにかく使いやすさと軽量化の面でカスタマイズされている Lubuntu という立ち位置の Linux ディストリビューションなので、インストールされているアプリケーションをはじめとして、いろいろと細かなところで違いが見られる。
LXLE とほかの Lubuntu ベースとの比較
同じく Lubuntu ベースの Linux といえば、代表的なディストリビューションは Peppermint 。個人的に好きな Linux で、普段使いもしている。
アプリケーション
LXLE, Lubuntu, Peppermint の3つで比較してみると、いずれもインストールされているアプリケーション(ブラウザやオフィススイート、画像編集ソフトなど)に特徴が見られる。初期段階では以下の通り。
LXLE
- ブラウザ:SeaMonkey
- オフィス:GOffice
- 画像編集:Pinta
Lubuntu
- ブラウザ:Firefox
- オフィス:LibreOffice
- 画像編集:なし
Peppermint
- ブラウザ:Firefox
- オフィス:Microsoft Office Online (ICE SSB による)
- 画像編集:Pixlr (ICE SSB による)
メモリ使用量
LXDE といえば、その軽さをウリにしているデスクトップ環境。ここで違いを比べてみるのも興味深かったので、今回チャレンジしてみた。
メモリ使用量を同じく測定するために、計測には Htop を使った。 LXLE は今回のリリースで Htop から Lxtask に変更になったのだけれども、あえてインストールした。
Htop と Lxtask では結果が異なり、 Lxtask のほうがどの結果を見ても 100 MB 程度多めに表示される。なので同じアプリケーションにする必要があった。
動作環境は、CPU: Intel Core i7-2600S、RAM: 16GB RAM
、VirtualBox 6.0.12(ホスト OS は Windows 10 Pro)という内容。
アイドル時のメモリ使用量
- LXLE: 270~280 MB
- Lubuntu: 340~360 MB
- Peppermint: 370~380 MB
ブラウザを起動し Youtube 視聴
- LXLE: 570~730 MB
- Lubuntu: 750~780 MB
- Peppermint: 830~850 MB
アイドル時のメモリ使用量は LXLE が他よりも 100 MB 程度メモリ使用量が少ない。また Youtube 視聴に関しては、ブラウザの違いが出たと思わるが LXLE が Youtube の視聴にも関わらず、安定するとわずか 600 MB 程度のメモリ使用量と他よりもだいぶ少ない。全体的に Peppermint が思いの外メモリを使っていて、Lubuntu が中間的な結果となった。
とは言うものの、いずれも 1024 MB (1 GB) 以下のメモリ使用量と非常に軽量なのは言うまでもない。
LXLE の良かった点・悪かった点
インストールされているアプリケーションは特徴的だけれども、もちろん定番のアプリケーションをインストールすることができる。本家 Lubuntu よりさらに軽量に仕上がっているのは素晴らしいの一言。
良い
- 本家 Lubuntu よりも軽快。
- インストール直後から日本語入力ができるのはイイ。※
悪い
- 個人的には使い慣れないアプリばっかり。
- ※環境によっては日本語入力設定が必要。原因はよくわからないので、いちおう日本語入力設定しなければいけないと思っていたほうが良いかも。
LXLE のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
アプリケーションの見直しで、ずいぶん軽いのばかりになった。が、特徴的だから使い方で少し迷うかもね。
日本語の環境… ★★★ ☆ ☆
インストール直後から日本語入力できるのは◎と、思っていたが、環境によっては設定しなければいけない。また一部翻訳されていない箇所が残念だけれども、普段使う分には問題なし。(と思う)
システム要件… ★★★★★
さすが Lubuntu ベースと言ったところ。古いマシンでも VirtualBox の仮想環境でもサクサク軽快に動いてくれる。
総おすすめ度… ★★★★☆
使いやすい軽量 Linux として開発されているだけある。日本語環境も良好なのでパソコン再生にも使えるね。
LXLE 18.04.3 に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
ダウンロードする
▶ https://www.lxle.net/download/