またしても衝動買いしてしまったこの中古ノート PC は Dell Inspiron 14-3452 。
「Dell のノート PC しばらく使ってないな…」となんとなく思い、ヤフオクでついつい入札。そしてそのまま落札してしまった。
しかしこのノート PC は、想像以上にクセが強かった。
Inspiron 14-3452 の仕様
落札金額 2,500 円(送料別 1,500 円)のInspiron 14-3452 のもともとの仕様は以下の通り。
- CPU: Celeron Dual Core または Pentium Quad Core プロセッサ
- RAM: DDR3L-1600 MHz (PC3-12800s) 2 GB (スロット1)
- Storage: eMMC 32 GB または HDD
- USB: USB 2.0 (2), USB 3.0 (1)
- Network: Wi-Fi (802.11ac/b/g/n), Bluetooth 4.0
ざっとこんな感じ。
そして今回落札したマシンの状態は
- CPU: Celeron N3050 1.6 GHz
- RAM: DDR3L-1600 MHz (PC3-12800s) 2 GB
- Storage: eMMC 32 GB
バッテリーはダメになっていて、電源アダプタも無し。
USB やネットワークについては同じ。
というところ。
落札した後に気づいたのだけれども、このマシンは廉価版で HDD や SSD を増設・換装できないモデルだった。
少々「やっちまった」感はある。
なぜなら HDD や SSD を接続できれば、わりと簡単にインストールと起動ができるのだけれど、eMMC だけだと意外と苦労した。
今回始めて知ったのは eMMC から Linux を起動させるには UEFI を有効にしなければいけないということ。低リソースでも動作する 32-bit 版を利用することはできない。Ubuntu のインストールにチャレンジしたけれども、いくつか事前準備があったのでそれをメモしておく。
Dell Inspiron 14-3452 の起動
作業したことをまとめると…
- GParted などを使い eMMC を初期化。
- 電源を入れ [ F2 ] を連打し、Setup 画面 (BIOS) を表示させ以下の設定をする。
- BIOS をデフォルトに戻す。
- Boot を UEFI に変更。
- Secure Boot ⇒ Enable(有効)
- Load Legacy Option Rom ⇒ Disable(無効)
この設定ができていれば USB メモリから起動でき、インストール後もちゃんと起動する。
ちなみにインストールメディアとなる USB メモリの作成はコチラを参考に。
Rufus (Windows)
▶https://pc-freedom.net/software/how-to-use-rufus/
Etcher (Windows, macOS, Linux)
▶https://pc-freedom.net/software/make-linux-installation-media-with-etcher/
っとココに至るまで、実はいろいろと試行錯誤した。
インストールメディアから起動しない?!
実はいつもの調子で用意したインストール用の USB メモリを接続し、起動したけれども何度やっても「Support Assist」が表示され一向にインストール画面に進むことができなかった。
そもそも電源アダプタが付属していなかったので汎用のものを使っていたのだけれども、どうやら純正でなかったことが引っかかっていた理由のようだ。
また、バッテリーもダメになっていたので。
「Adapter Warnings」を「Disabled (無効)」にした。
しかし、また別なメッセージが出てきたので、「Battery Charge Configuration」も「Primarily AC Use」してみた。おまけに「SupportAssist System Resolution」も「2」⇒「off」にした。
これで「Support Assist」をスルーして、USB メモリから起動できるようになった。(はず)
他にも起動時に「F12」キーを連打して、ブートしたいデバイスを選択して起動させるのもありかな。
UEFI 一択。
USB メモリから起動させる場合には「Legacy」でも「UEFI」でも起動するが、「Legacy」を選択しているとインストール後に起動してくれない。前述の通り eMMC から起動させる場合には UEFI でないとダメ。
これは通常の BIOS (Legacy) だと eMMC からの起動をサポートしていないことが理由らしい。そのため最初に BIOS が UEFI に設定されていることを確認し、以下の項目を設定する。
- Boot を UEFI に変更
- Secure Boot ⇒ Enable(有効)
- Load Legacy Option Rom ⇒ Disable(無効)
まずはコレで、USB メモリからも eMMC からも起動できる。
一通り設定したら [ F10 ] で設定内容を保存し、再起動させる。上記の設定が正しければ、問題なく USB メモリから起動できる。
もしも USB メモリから起動できない場合には、Dell のロゴが表示されているうちに [ F12 ] を連打し、さきほどの「Boot Option」を表示させる。
「UEFI OPTIONS:」に表示されているなかから接続したインストールメディア「USB1 – UEFI OS (~) 」を選択することでインストールメディアから起動させることができた。
今回、まずはテストで Ubuntu をインストールしてみた。インストールについてはコチラの記事を参考に。
eMMC から Ubuntu を起動させる。
事前の設定がちゃんとしていると問題なく起動されるはずだけれども、起動できなかった場合には以下のような設定を行う。
Dell のシステムで Ubuntu を起動させるのには「shimx64.EFI」を使用しなければイケないらしく、これを「Boot」の項目で設定するっぽい。
Boot Option の設定。
「BOOT」の画面にある「Boot List Option」の「File Browser Add Boot Option」で設定する。
Select Media Drive
⇒Acpi(PNP0a03,0)/Pci(10|0)/Ctrl(0)/HD(Part1,~)
⇒<EFI>
⇒<ubuntu>
⇒shimx64.EFI
Input File Name
[任意名前]
設定が終わると「Boot Option Priorities」に表示される。
これで [F10 ] または「Exit」の項目で「Save Changes and Reset」を選択すると Ubuntu が起動する。(はず)
参考:Dell PC に Ubuntu Linux をインストールする方法
▶https://www.dell.com/support/article/jp/ja/jpbsd1/sln151664/dell-pc-に-ubuntu-linux-をインストールする方法?lang=ja
参考:XPS 13 9343: Unified Extensible Firmware Interface(UEFI)BIOS用に設定されたデルPCにUbuntu Developer Edition 14.04をインストールする方法
▶https://www.dell.com/support/article/jp/ja/jpbsd1/sln297060/xps-13-9343-unified-extensible-firmware-interface-uefi-bios用に設定されたデルpcにubuntu-developer-edition-14-04をインストールする方法?lang=ja
Ubuntuをインストールしたけれども…
無事に Ubuntu がインストールでき、起動もできたのだけれども…重たい。(Ubuntuのインストールについてはコチラ)
動作モッサリ。
Ubuntu だと荷が重いみたいなので、他の OS を選ぶことにする。プロセッサも Celeron だし、ストレージの容量も少ないので用途が限られる。しかし、持ち運びには大きめだけれども個人的には好きな大きさで、キーボードの打鍵感もボク好みなので使えるようにしたい。
さて、何を選ぼう…。
迷った末に、擬似 Chromebook にしてみることにした。
選んだのは擬似的に Chromebook が作れる Neverware の CloudReady 。
最近の Chromebook はハイスペックになってきたけれども、基本的には Windows マシンなどよりも低スペック。きっとちょうどよいに違いない。
インストールの仕方については以前 YouTube で紹介しているのでリンクを貼っておく。
CloudReady インストール▶ https://youtu.be/wV5WBsvbRHo
- 6:20 CloudReady をダウンロードする。
- 7:17 インストールメディアを作る。
- 9:04 PC にインストールする。
これで Inspiron 14 は擬似 Chromebook (Chromiumbook) になった。
用途としては主にブログの執筆を中心に、YouTube の視聴などに使う予定だ。
Chromiumbookにしてみたものの…。
なんとまぁ、Chromium の良いところが裏目に出た。
セキュリティが厳しすぎて、ちょっとでも環境が変わるとすぐにインターネットへのアクセスが遮断されてしまう。
有線 LAN で接続するのであればまだしも、Wi-Fi 接続するのであれば、IP アドレスを固定するなどしなければ何度もこの画面に出会うことだろう。
CPU が Celeron N3050 1.6 GHz なので、それほど高機能というわけではないが 2コアのプロセッサなので、まだ使いみちはありそうだ。
CloudReady でもしっくり来なかったので、またほかの Linux を物色してみることにする。
ちなみに現在の候補は以下の通り。
あっ。
どれも Xfce デスクトップ環境だ。
も追加しておこう。
まとめ
Apple のマシンを筆頭に、一部メーカーではサードパーティ製のパーツを許さないフシがある。製品クオリティの維持というのが本筋なのだろうが、中古やジャンクという界隈ではそれがけっこうネックになる。Dell Inspiron 14 -3452 というノート PC もその一つに数えられるのでろう。
とてもクセが強いマシンだけれども、逆にそれが物好きなボクの感性を刺激してやまない。
手の係る子ほどカワイイというやつかな?
でも、純正バッテリーと純正 AC アダプターは絶対に持っていたほうが、何かと都合が良いことがわかった。イロイロと不具合もありつつ、まだ使い道がありそうなのでもう少し手元に置いておこうと思う。