LinuxをデスクトップOSとして使い始める前に、理解しておきたいLinuxのデメリットについて解説していきたいと思います。
Linuxのおもな3つのデメリット。
Linuxを始める前に理解していたほうがいいデメリット。
大きく分けて3つに分けられると思います。
- Windows ではありません。
- 種類多すぎ。
- 日本語環境が弱い。
ではこれらについて一つずつ解説していきます。
Windowsではありません。
まず、Windows ではありませんということ。
分かる人からすれば当たり前なことなのですが、そもそもパソコン初心者はOS(プラットフォームとも呼ばれることがありますが)その違いを理解していない場合がよく見られます。
その理由としてあげられるのが、世の中の9割近くが Windows で動いているということ。なので、「パソコン=Windows 」という理解をしてしまう人がいてしまうのです。
それくらいシェアが圧倒的なので、当然ながら専用のソフトウェアや対応するハードウェア、関連情報が圧倒的に多いです。
でも Linux は Windows ではないので違う部分がたくさんあります。
カスタマーサポートがない。
いちばんの違いはカスタマーサポートがないことでしょう。お金を払って手に入れる Windows とは違いLinux は無償で提供されています。
つまり Linux はタダで使うことができます。
でもそれは、Linux がボランティアなどのプロジェクトで開発されているためで、商売として OS を販売している Windows のように困ったお客様を相手するカスタマーサービスのようなサポートが無いことを意味しています。
もちろん Mac でもありません。
実は Linux と macOS は遠い親戚のような関係ですが全く別物の OS です。Mac も現在では macOS を無料で提供していますが、Apple 社製のパソコンでしか使うことができません。ほかのメーカーのパソコンでは使うことができません。厳密にいうと違うのですがMac の場合 OS の価格が本体に含まれているようなイメージですね。なので Mac にもカスタマーサービスがあるわけです。
調べることが多い。
なので、困ったことがあっても自力で調べなければいけません。
カスタマーサービスがないので、困ったことがあっても電話して聞くこともできませんし、Linux のシェアも低いので周りに使っている人も少なく相談できる人もなかなか見つけられないでしょう。わからないことや知りたいことはそれぞれのプロジェクトのユーザーグループやフォーラムと言ったもの、関連の書籍やインターネットを駆使して身につけていく必要があります。
WindowsやMacを前提としたソフトウェアは使えません。
そして次にあげられる大きな違いは、業界のデファクトスタンダードになっているようなソフトウェアが使えません。
例えばビジネスの現場でいう Microsoft Office や、デザインの現場で言う Adobe の Photoshop や Illustrator などのグラフィックスソフト、音楽の現場で言う Pro Tools といったようなソフトウェアは使うことができません。
ある日突然、プロジェクトが無くなることも…。
さらに、多くの Linux はボランティアで開発されているためボランティアの運営が厳しくなると、ある日突然、何の前触れもなくプロジェクトが消滅してしまうことがあります。
ある程度の規模のプロジェクトは企業並みに組織がしっかりしているため、そのようなリスクは低いと思われますが、基本的には寄付で成り立っているプロジェクトが多いため、気に入った Linux には使うだけでなく寄付することも考えるべきかもしれません。
このように Linux と Windows にはイロイロな違いがあります。
まずはこの違いを理解せずに Linux を導入すると、
- 使い方がわからないけど誰も教えてくれない。
- 買ったソフトウェアが使えない
- 周辺機器が正常に動かない
などなど、ただただ困ったことが起こり続ける事態になります。
Linux と Windows の違いをしっかり理解しておきましょう。
ちなみに。
ちなみに Linux でもRedHat や SUSE といった一部商用の Linux では、企業が有償で Linux やそのサービスを提供しているためカスタマーサービスがあります。
種類多すぎ。
Linuxはめちゃくちゃ種類があります。
本来 Linux とは OS の核になるカーネルという部分を指す名前で、OS 全体を指す名前ではありませんが、基本的なシステム、核になるシステムが同じなのでLinux カーネルを使って開発されたさまざまな OS のことを、ひとくくりに Linux ディストリビューション(俗にディストロ)と呼びます。
Linux はフリーな OS と言われますが、タダで使えるからフリーなわけでなく、自由に使えるからフリーという意味です。
Linux はフリーソフトウェアの一つで、この自由を意味するフリーとは、だれでも改造して配布できることも含まれれているため
一定のルールはありますが、それを守れば個人でも団体でも、もちろん企業でも Linuxディストリビューションを開発して配布する事ができます。そういった背景があるため、大小さまざまな Linux が世界中で開発され配布されています。
デスクトップ環境。
フリーソフトウェアの世界では、いろいろなコンセプトでソフトウェア開発が進められます。たとえば、新旧いろいろなパソコン環境で使えるようにするのもその一つ。
Linux をグラフィカルユーザーインターフェースで使えるするようにするデスクトップ環境も、最新のパソコン向けな高機能でリッチな環境のものから古いパソコンでも使える軽量でサクサク動くものまで、さまざまなパソコンに向けたものがたくさんあります。それらデスクトップ環境では、レイアウトが違いいたり、操作方法が違ったりとデスクトップ環境の数だけ操作方法も変わります。
厳密に言うと違うのですが、イメージとすれば「プロジェクト×デスクトップ環境」というくらい Linux ディストリビューションは存在します。
その中から自分の用途や作業内容に合ったものを選ぶのは一苦労ですね。ボクなんかは最終的には見た目や雰囲気で選ぶことが多いです。
日本語環境が弱い。
Linux は日本語があまり得意ではありません。
もともと英語圏で生まれたものなので、日本語を始めとした東アジア圏の言語に弱いです。
CJK: Chinese-Japanese-Korean
中国語・日本語・朝鮮語をコンピュータで扱う場合には英数字の他に、漢字・ひらがな・カタカナ・ハングルが必要になります。これらの文字はアルファベットとは違い、マルチバイト文字というものを使います。
マルチバイト文字を入力するには、複数のキー入力の組み合わせで文字の読みを入力し、更にその読みを任意の文字に変換するという英語にはみられないとても複雑なシステムが必要になります。
基本的には英語で成立しているシステムに、日本語などの東アジア圏の言語は文字を表示させるための環境や、文字入力するための環境をベースのシステムに追加しなければいけません。
最近ではサポートされる Linux ディストリビューションも増えましたが、基本的には自力で設定しなければいけません。
ちなみにインストール直後から日本語入力ができる Linux として
- Ubuntu
- Linux Mint
- Fedora
- openSUSE
などが代表的です。
Linuxのおもなデメリット。
今回の Linux のおもなデメリットをおさらいします。
まずWindowsではありません。
わからないことも自分で調べなければいけないしいきなりなくなることもあります。そして Windows 用のソフトウェアはもちろん使えません。ちなみに Mac でもありません。こちらは以下同文です。
次に種類多すぎ。
世界中に大小さまざまなLinux があるので、自分の用途や作業内容に合ったものを探し出すのが大変ということ。
最後に日本語環境が弱い。
言語的にシステムが複雑になってしまうためしかたないところもありますが、現在では日本語をサポートしてくれる Linux ディストリビューションも増えてきました。
これらデメリットをしっかり理解した上で、Linux をデスクトップOSとして使い始めると意外と問題が少ないように思います。