今回はその内容についてお知らせしたいと思い、いろいろ予定していたのを全てキャンセルして、記事を用意しました。
見つかった問題とは?
まず、発覚した問題について。
現在のビルドを仮想環境で使用する場合、インストール時に画面がフリーズしてしまうことがわかりました。
こんな感じで、画面が「要約」のところでフリーズしてしまっています。
バックグラウンドでインストールが続けられているため、インジケーターはチカチカしています。
たしかにインストールされている雰囲気はあります。
ちなみに、実機にインストールする場合にはスライドショーと進捗を知らせるシークバーが表示されます。
環境により異なりますが5〜10分で突然、インストール完了を知らせる画面に切り替わります。
インストール自体に問題は無いものの、フリーズしているため正しくインストールされているのかどうかが不安になるところです。
このような不具合が見られたのは Virtualbox を始めとして、VMWare、BOX、KVM と、ほぼすべての仮想化ソフトで見られました。
それまでのビルドでは主に実機での動作テストに注力していたため、仮想環境についてはちょっとスルー気味。
ベータテストによって改めて修正の必要性に気がついたわけです。
この不具合については原因の究明がなされ、すでに修正済みです。
ちょっと前くらいまで、世界中のプロジェクトでも仮想環境の不具合、主にパフォーマンスが激烈に落ちる、画面が乱れるなど不具合を、既知の問題として普通にリリースしていた時期もありましたが、最近では仮想環境までしっかり動作した上でリリースというのが暗黙のルール的になっている風潮があるので、ここはもう少し突き詰めたいと思っていたところです。
実機へのインストールについて。
仮想環境での不具合と同時に HP 製の一部ノート PC 、デスクトップ PC で、ライブ環境が起動しないという事象も確認されました。
どうも HP の BIOS・UEFI での問題(特に2014年以降の製品に見られる?)らしいのですが、この不具合については調査中になります。
動作確認できる環境も限られているため、見つけられなかったところではあります。
ちなみに、所有している Compaq Pro 6300 SFF および ProDesk 600 G1 SFF ではいずれも普通に起動してくれました。
不具合が報告されたのは第6世代の Intel Core i 搭載デスクトップと第8世代搭載のノート PC Elitebook 840 G2 です。
比較的新しい世代のもので不具合が出ているイメージですが…。
兎にも角にも、詳しい原因については現在調査中です。
公式リリース延期について。
ということで冒頭でもお伝えした通り、9月末日の正式リリースを予定していましたが、現状では正直間に合いそうもありません。
また、まだまだ未知の不具合が出てくる可能性もあるため、より多くの目で磨きをかけるべく、修正できる問題を修正した後、パブリックベータの公開をしたいと思います!
といっても、実のところまだ日程が決まっていません。
公開の目処がつき次第、Twitter やブログなどでお知らせいたします。
もちろん Youtube もです。
通知を ON にしてお待ちいただければ幸いです。
ちなみにパブリックベータの配布は主に OSDN を使う予定です。
OSDN は、日本のオープンソースソフトウェアプロジェクト向けのホスティングサイトで、SourceForge.net の姉妹サイトでもあります。
「日本」というところにこだわりたい当プロジェクトでは、OSDN をメインで使いたいと考えております。
もちろん他での配布も検討はしていますが、メインは OSDN というところです。(できるかどうかは別として)
今回のまとめ。
今回は、リリースの延期についてのご報告でした。
現状では、仮想環境での不具合と一部実機での不具合について確認しており、只今その問題解決に取り組んでいます。
ある程度の目処がついた段階で、パブリックベータを OSDN にて公開し、そのフィードバックをもとに正式リリースに望みたいと考えています。
ということで、o.Y.o のリリースを楽しみにして頂いていた方には大変申し訳ありませんが、自身を持ってちゃんとした OS を提供したい一心でございますので、誠に勝手ではございますが、ほんともう少しお待ち下さい。
おまけ。
ホントは今回 Flatpak の使い方についての動画を予定していました。
Flatpak はアプリケーションやランタイムを管理するためのツールです。
Flatpak モデルでは、アプリケーションはホスト環境とは別に、独立してビルド・配布することができ、アプリケーションはサンドボックス化されます。
ざっくりいうと、依存関係も含めて1つのパッケージにして、実行時にホスト環境から隔離されるというものです。
似たようなもので Ubuntu などで使われている Snap というのがあります。
Snap と Flatpak の大きな違いは、Snap はデスクトップアプリケーションやデーモンはもちろん、カーネルを含めたシステム丸ごとをパッケージ化できるのに対して、Flatpak はデスクトップアプリケーションソフト専用です。
なんか Flatpak のほうがショボい感じにも聞こえてしまいますが、この Flatpak は Snap や従来の dpkg とも共存できる上、デスクトップアプリケーションソフトなら、ほとんどの場合 Snap よりも快適に使うことができます。
また GNOME では積極的に Flatpak を採用しており、GNOME ソフトウェアでは Flathub のリポジトリを追加すれば、GNOME ソフトウェア上でパッケージを管理することができるようになります。
というか、多くの Linux ディストリビューションでは Flathub のリポジトリを有効にするだけで Flatpak が使えるようになりましたけどね。
そこらへんの解説動画を作っていましたが、なんかそれどころじゃなくなっちゃいました。
それでも、お小遣い稼ぎがしたいので、ガジェット回の動画のアップはします。
それと、o.Y.o のリリースが一段落ついたら裏話やこぼれ話をメインにしたメンバーシップや、好き勝手やるサブチャンネルも予定していますので、そちらの方のチェックもしていただけると幸いです。
参考サイト
- Flatpak – https://flatpak.org/
- Flathub – https://flathub.org/home