32bit OS は地球を救う。

8月になると愛は地球を救う番組が放送されますよね?

それで思い出したのが今回紹介する Emmabuntüs です。

はじめに。

愛は 32bit パソコンも救う?32bit パソコンに Linux をインストールしてみよう #6. EmmabuntüsEmmabuntüs DE 4 Alpha 1

名前にウムラウトとか入っていますが、読み方はおそらくエマブントゥスっぽいので、今回はエマブントゥスで統一します。

それでこの Emmabuntüs は、愛は地球を救うという某番組とは一切関係ないのですが、プロジェクトのコンセプトと言うか方向性の雰囲気が似ているので関連して思い出してしまいます。

その理由は、このディストリビューションの開発の背景にあります。

このディストリビューションが開発されるきっかけになったのが、慈善団体の「Emmaüs (エマオ)」という組織に寄贈された中古のコンピュータです。

まず「Emmaüs (エマオ)」って何?と思ったので、調べてみるとフランス人のカトリック教司祭アッベ・ピエール (Abbé Pierre) という人が1949年に始めた貧困やホームレスの救済活動が元になっており、1954年にエマオ協会が設立され、1971年にエマオインターナショナルとして組織され、現在37か国350のグループが存在する団体のようです。

PORTRAIT OF ABBE PIERRE FAMOUS AND ENGAGED CATHOLIQUE PRIEST WHO FOUNDED EMMAUS COMMUNITY IN THE WHOLE WORLD BORN IN 1912 DIED IN 2007

いろいろ調べてみると、どうもエマオではなくエマウスと呼ぶようなのですが、この動画では引き続きエマオと読んで行きます。

ざっくりいうとホームレス支援のためのリサイクル品を販売する協会というイメージかと思います。

で、このエマオに寄贈された中古のコンピュータの修理を簡素化するために開発されたディストリビューションが Emmabuntüs ということのようです。

基本的には Linux 初心者に向けたものですが、軽量なオペレーティング・システムのためハードウェアの寿命を伸ばし、原材料の過剰消費による廃棄物の削減にも一役買っているというものです。

Linux 初心者と地球に優しいという感じでしょうかね?

で、より多くのニーズを考慮して構成されているため、たくさんのソフトウェアがプリインストールされています。

どういうことかというと、たとえばこの Emmabuntüs で再生したマシンの多くは貧困層に提供されます。

なので、インターネット環境が整っていない地域などでも当然提供されます。

そのためインストール後にソフトウェアの追加の必要が、ほぼないように開発されたという面もあるようです。

この Emmabuntüs がインストールされた再生マシンの販売が団体の収入源の一つとなっています。

ね。

なんとなく某番組の方向性っぽくありませんか?

ちなみに、開発チームはボランティアとのことです。

ボクのブログなどでも、Emmabuntüs はフランスで開発されているという表現をしていますが、厳密に言えばちょっと違いますね。

という感じの背景がある Linux ディストリビューションなので 32bit マシンでもまだまだ使えそうな勢いです。

Emmabuntüs のダウンロードとインストール。

プロジェクトサイトにリンクが貼られていますが、SourceForge からのダウンロードになります。

今回はまだアルファ版ですが次期 Debian 11 Bullseye をベースとした DE 4 を試してみたいと思います。

インストールするのに必要なハードウェアの条件は

  • CPU: 2.0GHz+
  • RAM: 1024MB+
  • Storage: 40GB+

より詳しい情報は
https://emmabuntus.org/installer-emmabuntus-debian-edition-4/#Prerequis

多くのニーズに応えるため、たくさんのアプリケーションがプリインストールされているのでイメージデータのサイズは大きめです。

一般的な Linux ディストリビューションだとおよそ 2GB くらいのサイズのものが多いですが、Emmabuntüs は 3GB を超えます。

なのでダウンロードには少し時間がかかりました。

続きは動画で、

Emmabuntüs のまとめ。

Emmabuntüs についてまとめて見たいと思います。

Emmabuntüs はホームレスなど貧困層支援のためにリサイクル品を販売する慈善団体に寄贈された、中古マシン再生用に開発された人と地球に優しい Linux ディストリビューションでした。

軽量でたくさんのアプリケーションがインストールされている上、インストール後に Xfce と LXQt のいずれかのデスクトップ環境を選択できるのも特徴的でした。

一般的なデスクトップアプリのほか、Debian エデュケーションなどで見かけるような教育向けアプリもたくさんインストールされています。

教育向けディストリビューションに PrimTux というものがありますが、この PrimTux のプロジェクトサイトもフランス語ですね。

Debian ベースの上、32bit 版も開発されていたり Emmabuntüs との共通点が多いですね。

個人的にはオフライン環境なら無敵?と思うほどプリインストールされているアプリケーションは多いです。

設定が必要だけれども日本語化もバッチリなので、興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?