Linux に興味のあるアナタは、1台のコンピュータに複数のオペレーティングシステム(以降 OS )をインストールしてみたくなることは無いだろうか?
そんなとき、パーティションの編集という作業が必要になる。
パーティション
Windows にしろ macOS にしろ、もちろん Linux だって OS インストールするためのプライマリパーティション(ザックリ言えば最初の区切り)なるものが必要になる。
そして、このプライマリパーティションは OS によって、管理するファイルフォーマットが違う(世代によっても異なる)ため、それぞれにあったフォーマットにしなければいけない。
代表的なフォーマット
- Windows … FAT16, FAT32, NTFS, exFAT
- macOS … APFS, HFS + (Mac OS 拡張フォーマットとも呼ばれる)
- Linux … ext2, ext3, ext4, xfs, btrfs
パーティションマネージャ(パーティション編集ソフト)
プライマリパーティションを用意し、 OS にあったファイルフォーマットの作成やサイズ変更などの編集をするためのソフトウェアが存在する。
Windows では「EaseUS Partition Master」「AOMEI Partition Assistant」などが知られているけれども、Linux にも手軽に使える同様のソフトウェアが存在する。
それが GParted だ。
GParted とは?
GParted 正式名を GNOME Partition Editor といい、直感的なグラフィカル環境で、データを消すことなくパーティションのサイズ変更やコピー、移動ができる無料のパーティションマネージャ。
その GParted を CD や USB メモリにインストールし、ライブで使えるようにしたものが、今回紹介する GParted Live 。
2019年5月25日に、まだ beta 版ではあるが 1.0.0 がリリースされたので、さっそく試して見ることにした。
GParted は「データを損失しない」とされているが、プロジェクトサイトにも注意書きとして「パーティション編集すると、データが失われる可能性があります」として、データのバックアップをすすめている。
備えあれば憂いなし。
GParted に限ったことでなく、パーティション編集ソフトはすべて該当するので、作業の前にはデータのバックアップをちゃんと取っておこう。
選べる3つアーキテクチャ
i686
もっとも古いマシンに対応する 32bit 版は、x86 およびx 86-64 ベースマシンで動作する。
物理アドレスは 4GiB に制限されており、シングルコアプロセッサのみ対応。
よくわからない場合は、まずこれを試してみるとよい。
i686-PAE
32bit 版での x86(i686 およびそれ以上)とする x86-64 ベースマシンで実行される物理アドレス拡張(PAE: Physical Address Extension)に対応した 4GiB 以上のメモリが扱える XTension や、複数コアのプロセッサをサポート。
amd64
64bit 版は、4GiB を超えるメモリにアクセスできる能力を備えた x86-64 ベースマシンで動作し、複数コアのプロセッサをサポート。
レガシー BIOS の代わりに UEFI を搭載した新しい(2010年以降)コンピュータの場合はこれを試してみるとよい。
GParted Live の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: i686, x86_64
- デスクトップ環境: Fluxbox
GParted Live を使用するのに必要なスペックは?
- CPU: Pentium II 以降
- RAM: 256 MB
GParted Live を使ってみる。
今回、VirtualBox でパーティション編集を試してみた。
起動
特に指定がなければ、リストいちばん上の GParted Live (Default settings) を選択する。
キーマップの選択
〈 コンソールデータの設定 〉
キーマップはキーボード上のシンボルのレイアウトを記録します。
– ‘アーチリストからキーマップを選択する’:あなたのアーキテクチャに固有の定義済みのキーマップの一つを選択してください(USB以外のキーボードにはお勧めです)。
– ‘キーマップに触れない’:/ etc / console内のキーマップを上書きしません。これはinstall-keymap(8)で手動で管理されます。
– ‘Keep kernel keymap’:次にシステムが起動するときにキーマップが読み込まれないようにします。
– [全リストからキーマップを選択]:すべての定義済みキーマップを一覧表示します。 クロスアーキテクチャ(多くの場合USB)キーボードを使用するときに推奨されます。キーマップを扱うための方針:
アーチリストからキーマップを選択
キーマップに触れないでください
カーネルキーマップを保存する
全リストからキーマップを選択
任意の項目を選択。問題がなければ初期設定されている “Don’t touch keymap ” を選択。
言語設定
初期設定では ” US English ” になっている。
日本語も対応しており、日本語は[ 15 ]をタイプして Enter キーを押して決定する。
モード設定
(0)GPartedを自動的に使用するためにXを起動し続ける
(1) ‘Forcevideo’を実行して手動でXを設定する
(2)コマンドラインプロンプトを入力する
初期設定では[ 0 ]になっており、問題がなければこのまま Enter キーを押して決定する。
パーティションテーブルの形式
実際にパーティションの編集をしていく。
VirtualBox でのテストだけれども、普通のストレージと同じように、初期段階では未割り当て(未フォーマット)の状態になっている。
そのままではパーティションの編集ができないので、まずはパーティションの週ができるよう、画面上部のメニューから「デバイス」⇒「 パーティションテーブルの作成 」を選択する。
警告のウィンドウが表示される。
パーティションテーブルの形式について確認されるので、任意の形式を選択し [ Apply ] をクリックする。
パーティションテーブルの形式は、インストールする OS によって異なるので予め調べておくと良い。
パーティションテーブルの形式が決まると「!」が消え、パーティションを編集できるようになる。
パーティションの作成
まずは新規のパーティションを作成する。
「新規パーティションの作成」ウィンドウでは、
- 前方の空き領域
- 新しいサイズ
- 後方の空き領域
- Align to (合わせる単位)
- 種類
- Partition name (パーティションの名前)
- ファイルシステム
- ラベル
を設定することができる。
「✔」アイコンをクリックするまで、操作は保留されるので、他に操作が必要なければ「✔」アイコンをクリックする。
デバイスに対して操作を適用させるための確認ウィンドウが開く。
以下の画面が出れば作業完了。
パーティションの削除
パーティションを削除するには画面上部の「×」アイコンをクリックして作業を進める。
パーティションを削除すると、削除されたパーティションは「未割り当て」になる。
作業を実行するには、先にも述べたとおり「✔」をクリック。
デバイスに対して操作を適用させるための確認ウィンドウが開く。
以下の画面が出れば作業完了。
先程は確認しなかったけれども「▶詳細」をクリックすると、実行された操作の内容が表示される。
パーティションのリサイズと移動
画面上部の「>|」アイコンをクリックすると、パーティションのリサイズや移動ができる。
「リサイズ/移動」ウィンドウでは
- 前方の空き領域
- 新しいサイズ
- 前方の空き領域
- Aling to ( 合わせる単位 )
の編集ができる。
内容が決まったら「リサイズ/移動」をクリックする。
作業を実行するには、先にも述べたとおり「✔」をクリック。
以下の画面が出れば作業完了。
以上のように GParted の操作は非常にシンプル。
また外部ストレージから起動し、操作できるので手軽に使うことができる。
おまけ
対応するフォーマットがたくさんあるので、試しに複数のパーティションを別々にフォーマットしたらどうなるか見てみた。
ファイルフォーマットごとに色分けされているので、視覚的にどのフォーマットがどれくらいのサイズかがわかりやすくなっている。
デュアルブートやマルチブートをお考えのアナタは、以下の URL を今すぐクリック!
▼より詳しい情報は▼
Website >> https://gparted.org/index.php