Windows や macOS の代わりになる OS を目指して開発されている elementary OS の最新版となる 6.0 のベータ版がリリースされたので、さっそく試してみることにしました。

今回のリリース、現時点であんまり見た目は変わらなそうです。

見た目よりも、中身の変更のほうがメインのようです。

共同創設者兼 CXO (ん?)である Cassidy JamesBlaede (キャシディ・ジェームス・ブレデ) は、 2021年4月30日に elementary OS 6 Beta のリリースをアナウンスしました。

ってか、”CXO” って役職が何なのかわからなくて調べてみたんですが、結果から言うと “CXO” っていう役職はありませんでした。

おそらくCEO 以外の「なんでも屋」という意味なんでしょうかね?

…わかりませんけど。

とりあえず6ベータのリリースです。

elementary OS って?

elementary OS をご存じない方のために、一応今回のベータ版を紹介をする前に elementary OS をサクっと紹介しておきます。

https://elementary.io/ja/

elementary OS は Ubuntu をベースに、独自のデスクトップ環境 Pantheon を提供している Linux ディストリビューションで、Daniel Foré (ダニエル・フォレ)、 Cassidy James Blaede (キャシディ・ジェームス・ブレデ) によって創立されました。

「高速でオープン、かつプライバシーを尊重する、Windows や macOS の代わりになる OS」として提供されており、Web サイトは日本語表示にも対応しています。

また、以前から賛否がありますが、ほかのプロジェクトよりも積極的に寄付を募っているのが特徴です。

最近では T シャツとかのグッズ販売などで、資金の調達を行っているようですね。

elementary OS は、世にいう「箱を開けて、すぐ使える」というやつを目指して設計されており、またその見た目や操作感から、登場時から macOS とよく似ていると言われています。

ちなみに macOS のインターフェイスが、使いやすいかどうかの議論はここではしません。

そして今回のリリースは、まだベータ版なのでこれからまた変更される点もあるかと思いますが、現時点で気になった点を紹介していきます。

新しいインストーラー。

まずは、新しいインストーラーです。

今までのインストーラーは他の Ubuntu 系と同じく “Ubiquity” が使われていましたが、見た目と使い勝手が今までの(Ubiquity、Anaconda、Calamares)どれでもない、全く新しいインストーラーになってます。

Meet the Upcoming Installer

https://blog.elementary.io/meet-the-upcoming-installer/

こちらのブログ記事を読む限り、Pop!_OS の System76 と共同で新しいインストーラを開発したようです。

The new installer for elementary OS is finally here and brings much faster and more straightforward installs for both end users and OEMs.

elementary OS の新しいインストーラーがついに登場し、エンドユーザーと OEM の両方にはるかに高速で簡単なインストールをもたらします。

This is an area we would appreciate a lot of testing across different hardware and configurations, so if you are able to spare a non-primary machine for elementary OS testing, start by installing it!

これは、さまざまなハードウェアと構成で多くのテストを行うことをお勧めする領域です。したがって、プライマリ OS テスト用に非プライマリマシンを惜しまない場合は、インストールすることから始めてください。

https://blog.elementary.io/meet-the-upcoming-installer/

ということなので、Virtualbox にインストールしてみようと思ったのですが、ツイッターでもつぶやいたとおり、ディスプレイ解像度の変更ができずインストールを断念しました。

これって、今後改善されるのかな?

ちょっと調べきれなかったのでわかりませんが、気になるところではあります。

なので、実機で起動させてみました。

Jumper EZbook X3 (Amazonリンクです)

なるほど。

すでに雰囲気が今までと違う感じですね。

インストーラー自体は別にあるはずなので、まずはお試し環境で雰囲気を掴んでみたいと思います。

ということで、デモモードを試すを選択。

こちらもツイッターでつぶやきましたが、インストール前のテスト環境でも日本語入力ができるようになっていました。

日本人にはありがたいですね。

っと、その前にフォルダの表示言語の変更も聞かれました。

変更しておきましょう。

んで、確認。

ちゃんと日本語で表示されていますね。

再度、インプットメソッド。

使う前に Mozc にチェックを入れないといけませんが、逆に言うとそれだけで日本語入力が出来ます。

5.1 まではインストール後に、インプットメソッドの追加設定をしたりしてましたけど、それすらなくなりました。

いや、最近の Linux はホント国際化が進みましたね。

パネルが少々邪魔ですが、設定でオフにできます。

気になる方は非表示にしましょう。

海外で開発された Linux で、インストール前から日本語入力できるとか、ほんの数年前まで考えられませんでしたね。

外観の設定。

インストール後の初回起動設定でも設定する項目ではありますが、気になっていたのでチェックします。

事前に知っていた「ダークスタイル」と「アクセントカラー」です。

「システム設定」>「デスクトップ」>「外観(タブ)」で設定できます。

elementary OS には、今までずっとダークスタイルがなかったので、とても新鮮に感じます。

というか、最近のデスクトップの流行りですね。

あと、以前はシステムのフォントサイズや Plank アイコンサイズは数値で大きさを設定していましたが、5.0 からか 5.1 からだったか忘れましたがサイズの設定は「小」「デフォルト」「大」「最大」というように、決められたサイズから選ぶようになりました。

たしかに、あんまり中途半端なサイズって使うことがありませんからねぇ。

「ドックとパネル」でも同様に、アイコンサイズの設定が3種類のみです。

いずれも、こっちのほうが潔くて、選びやすいかもしれません。

で、なんとなく新しい elementary OS の雰囲気がつかめたのでインストールします。

elementary OS のインストール。

インストーラーは、たぶんアプリケーションにあるはず…。

ですね。

さっきのインストーラーです。

インプットメソッドのパネルが気になりますが、そのうち消えるのでスルーです。

言語とキーボードを選択したら、今度はクリーンインストールします。

お?

あぁ、電源アダプタを繋げていませんでした。

インストールの際には、必ず電源を繋げなければいけないディストリビューションもありますが、elementary OS は今の所、ゴリ押しできるみたいです。

バッテリーは満タンなので、このままインストールします。

このマシンには eMMC と SSD が積まれているので、どっちにしようか悩みましたが、速度はあまり変わらないので eMMC にインストールします。

次は、ドライブの暗号化ですが、ベータ版なのでスルーします。

で、ここまで来るとインストールが始まります。

あれ?

ローカル設定とか、ユーザーの設定とかがないぞ?

ふむ。

今までのインストーラーとは随分変わりましたね。

インストールが終わるとデバイスの再起動をクリックするか、Enter キーで再起動するのですが、いつまで経っても起動しなかったので強制終了した後に起動しました。

なんとか無事に起動してくれて一安心です。

初回起動。

んで、ここから初回起動設定が始まります。

まずは表示言語の設定ですね。

次にキーボード。

そして、ここでユーザー設定です。

んで、セットアップを完了させ、今さっき設定したばかりのログインパスワードを入力してログインです。

今までの Ubuntu 系で使われていたインストーラー Ubiquity とは違い、全く新しいスタイルのインストーラーになってますね。

個人的には割といい感じだと思います。

Virtualbox の件以外は好きかも。

Welcome 画面では、早期アクセスビルドのアナウンスがされます。

安定版へのアップグレードが出来ないとのこと。

安定版が出たらインストールし直さなきゃないですね。

んで、コレがホントの Welcome 画面ですかね。

次は「外観の選択」です。

「ダークテーマ」と「アクセントカラー」を決めるさっきのデスクトップの設定のやつですね。

次は「位置情報サービス」任意で設定してください。

今回はOff。

で、5.0 から実装された「夜間モード」。

まぁ、ここらへんは最近の OS の流行りかな?

「自動削除」も既に実装されていた機能。

ぼちぼち他のディストリビューションでも見かけますが、問答無用に削除してしまう CUI 環境とは違い、いかにもデスクトップ指向のディストリビューションって感じです。

あとはアプリケーションについて。

今回のバージョンから Flatpak 対応です。

最近リリースされるディストリビューションは、軒並み Flatpak に対応してきました。

あれ?

elementary OS って snap ってどうだっけ?

Ubuntu 系だから対応してそうだけど…

まぁ、コチラは後でチェックしておこう。

今回はチョットスルーします。

ぎゃ!

画面が乱れた!

んー。

どうしよう…。

と思った途端にもとに戻った。

バグだね。

でもどのタイミングで起きるのかな?

ま、これも今はスルーしておきます。

とりあえずコレで設定はおしまいです。

ルックアンドフィール。

やっぱり macOS は macOS で Linux は Linux だなぁと思いますが、それでもやっぱり elementary OS には見た目と使い勝手で macOS に似た部分が多いと感じます。

6ベータでは基本的に、見た目にあまり変わりはありませんが、ぼちぼち使い勝手に変更があります。

その筆頭がマルチタッチジェスチャ。

これ Youtube で 5 と 6 の比較があったのですが、めちゃくちゃなめらかに動作するようになっています。

ピンチとかあるかと思ったけど、今のところはなさそう。

でも、この調子だとジェスチャを追加したりできそうな雰囲気。

正式リリースまでになんとかなるのかな?

それと、すべてのデバッグが終わってないとのことなので、ベータ版のうちはデバイスによって不具合があったりするかもしれませんね。

でも、このジェスチャの感じは、特に Mac ユーザーなら嬉しいかもしれませんね。

まとめ。

ということで elementary OS 6 Beta をインストールして、気になる部分をピックアップしてみました。

やっぱりまだベータ版なので、画面が乱れたり正しく機能しない部分が多く見られます。

なんか Web ブラウザもちゃんと動作してくれませんでした。

Firefox なら問題なかったけどね。

正式リリースの日付は未定ですが、まだ先になるのは間違いないので、さまざまな不具合が解消されていくことでしょう。

実際にこのベータ版は、デイリースナップショットということで、毎日たくさんのアップデートが入ります。

もしかしたら、正式リリースの頃には、見た目にも目立つ変化が出てくるかもしれませんね。

Manjaro とか Xfce デスクトップで、macOS もどきにカスタマイズするようになってから

それほど魅力を感じなくなっていましたが、コレはコレでまたチョット使ってみたくなりました。

正式リリースが楽しみです。

追記:

Youtube には「おまけ」があります。

チェックしてみてください。