セキュリティ指向の Debian 系ディストリビューション Septor Linux の最新版となる 2019.1 が、2019年2月9日にリリースされた。
Septor Linux とは?
Septor Linux は、インターネットを匿名で閲覧するための完璧なコンピューティング環境をユーザーに提供するオペレーティングシステム。
Debian GNU / Linux をベースとし、広範囲のコンピュータで動作する安定した信頼できるディストリビューションをユーザに提供する。
Debian wiki → https://wiki.debian.org/Derivatives/Census/Septor
今回の変更点は?
Debian テストリポジトリからのシステムアップグレードと、アプリケーションのアップグレードがメイン。
主に、以下のアプリケーションがアップデートされた。
- Thunderbird 60.4.0-1
- LibreOffice 6.1.5
- VLC media player 3.0.6-1
- Tor 0.3.5.7-1
- Privoxy 3.0.28-2
など。
Septor Linux の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: KDE Plasma
- パッケージ管理: APT (dpkg)
主なアプリケーション
- ブラウザ: Tor
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice, Kontact, КOrganizer, Okular, Kwrite, Kate
- グラフィック: GIMP
- ミュージック: KMix
- マルチメディア: VLC media player
Septor Linux をインストールするのに必要なスペックは?
Septor Linux の Web サイトにハードウェアに関する記載がなかったため、 Debian のシステム要件を参考とした。
- CPU: Pentium 4 (1 GHz) 以上
- RAM: 1 GB 以上
- DISK: 10 GB 以上
Website → https://septor.sourceforge.io
個人的な意見ですが、
KDE Plasma 5 になり、KDE もだいぶサクサク動く感じがする。
調べてみたら、デバイス間での連携の向上や、グラフィカルインターフェイスは、ハードウェアアクセラレーションに OpenGL を利用する QML (アプリケーションのユーザインタフェースをデザインするための宣言型言語) に移行し、性能の改善と消費電力の改善が達成されたという。
ちょっと何を言っているかわからないけれども、つまりは描画処理を GPU に任せることができるようになり、 CPU の負担を軽減することで電力の効率などが向上したということだ。
実際に 1 GB 程度の RAM でも、そこそこ快適に動いてくれる。
RAM の使用量だけで言えば、 GNOME や Cinnamon といったデスクトップ環境と大差なくなってきたみたいだ。
この Septor も、アイドル状態では RAM の使用量は 500 ~ 600 MB 以下だった。
ちなみに、KDE のシステムモニタでは GiB (ギビバイト)が使われていたので、GB (ギガバイト)とは誤差が出るので注意。
さすがにブラウザを起動させたりすればそれ以上になるかとも思ったが、VirtualBox でテストした段階では 1 GB 以内で収まっていた。
こうなってくると、デスクトップ環境に対する見方や考え方が変わってくるなぁ。
Septor Linux は、マイナーで情報もかなり少ないことに代わりはないけれども、思いの外サクサク動いてくれる KDE のデスクトップ環境と、Debian 系のディストロということでアプリも豊富にある。
なによりブラウザが Tor ということもあって、プライバシーを気にする方にはおすすめのディストロだ。
Website → https://septor.sourceforge.io