2019年2月6日、ルーマニアで開発されている Gentoo Linux 系ディストリビューション(以降、ディストロ)Redcore Linux の最新版となる 1812 がリリースされた。
Redcore Linux とは?
Redcore Linux はデスクトップ指向の Gentoo 系ディストロ。
Redcore LinuxはGentoo Linux(安定版+一部不安定版)に基づくディストリビューションであり、現在は廃止されている Kogaion Linux の続きです。KogaionのLinux自体は、Gentoo LinuxのSabayonをLinux上で最初にベースのディストリビューション、以降であり、それは2011年以来RogentOS開発グループによって開発されましたGhiunhan Mamut(別名V3n3RiX)自身が2014年1月にRogentOS開発グループに参加しました。
しかし、5年以上の開発期間を経て、RogentOS Development Groupは2016年11月にKogaion Linuxを中止することを決定し、そしてRedcore Linuxが誕生しました。
引用: https://redcorelinux.org
Redcore Linux の開発コンセプトは、Gentoo Linux を使いやすく提供することにあり、ターゲットは通常のデスクトップ OS として使えるようにすること。
そのため、サーバーアプリケーションなどはリポジトリにほとんどない。
今回の変更点は?
前回の安定版は2018年7月1日に発表され、そこからの変更点の詳細は以下のURLから確認できる。
https://redcorelinux.org/news/redcore-linux-1812-codename-luna-stable
更新の多くは、アプリケーションのアップデートが中心だけれども、LXQt および KDE それぞれのデスクトップ環境の不具合の修正と安定性の向上が行われた。
Redcore Linux の概要
- ベース: Gentoo
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: LXQt, KDE
- パッケージ管理: emerge
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox, Opera
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: GIMP, Inkscape, Blender
- ミュージック: mpv
- マルチメディア: VLC メディアプレイヤー
Redcore Linux をインストールするのに必要なスペックは?
情報がなかったため同じ Gentoo 系の Sabayon の環境を参考とする。
- CPU: x86_64
- RAM: 512 MB (1 GB 以上推奨)
- DISK: 20 GB (30 GB以上推奨)
https://pc-freedom.net/linux/初心者に優しいgentoo系linuxのsabayonとは?/
Website → https://redcorelinux.org
個人的な意見ですが、
ルーマニアで開発されている Redcore Linux はデスクトップ OS として開発されているという。
しかも Gentoo 系 Linux というのが、また驚きである。
ルーマニアと聞くと、個人的にはドラキュラのモデルになったと言われる「ヴラド・ツェペシュ(ワラキア公)」を思い出す。
ちなみに「ツェペシュ」は姓でもミドルネームでもなく、「串刺しにする者」を意味するルーマニア語の異名であり「ドラキュラ」と同様にニックネームということだ。
残忍な戦いぶりばかりが目立つが、歴史を紐解くと故国を侵略から守るために戦った偉大な英雄ということがわかる。
話はそれてしまったけれども、正直なところルーマニアの印象はその程度しかなかった。
とにかくマイナーなディストロのため、日本語はおろか英語での情報もかなり少ない。
以前にイタリアで開発されている Gentoo 系ディストロ Sabayon を紹介したことがある。
こちらも初心者向けとの触れ込みがあった。
インストールは簡単だったけれども、設定などなかなか難しくホントの初心者には導入のハードルが高かった。
Redcore も少し触れてみた感想は「Sabayon」よりもわかりやすいかも。
インストールは Manjaro などでもおなじみの Calamares が使われており、日本語表示も対応している。
日本語でインストールすれば、日本語表示にはなるが…。
デスクトップ指向というだけあり、普段遣いの定番アプリは一通り用意されている。
まだちゃんと確認していないけれども、プロプライエタリ・ソフトウェアもいくつか用意されているようだ。
でも気のせいか、日本語入力システムが見当たらないのだが…。
もう少し Gentoo Linux を勉強しなければいけない雰囲気がプンプンする。
とはいえ、充実したアプリ群と、 LXQt のデスクトップ環境は軽快に動作してくれ、とても小気味いい。
Redcore Linux は Gentoo 系の偉大な英雄になり得るのか?
ちょっと勉強しながら Redcore Linux の日本語化にチャレンジしてみる。
成功したら紹介します。
コメント
こんにちは。
Redcore Linuxで日本語入力システムの構築をしたいと思っています。
Desktop環境はLXQtです。
scim-anthyをインストールしたいと思っています。
何か情報をいただけますと助かります。
よろしくお願いいたします。
usuha さん
コメントありがとうございます。
Redcore の日本語入力設定については放置していたので正直わかりません。
また普段 SCIM ではなく Fcitx ばかり使っているので必要なパッケージについても不明です。
ですが Gentoo Linux で Fcitx を設定するのであれば以下の内容で設定できます。
Redcore で動作する確証はありませんがご参考までに。
①まず日本語表示をさせるため「.xinitrc」に以下の内容を書き込みます。(Redcoreでは割愛できるはずです)
export LANG=ja_JP.UTF-8
setxkbmap -rules evdev -model jp106 -layout jp
exec fvwm-crystal
②同じ「.xinitrc」へキーボードの設定を書き込みます。(ただし GUI 環境で設定できていれば割愛できるので、Redcoreならここも割愛できると思います)
export LANG=ja_JP.UTF-8
setxkbmap -rules evdev -model jp106 -layout jp
exec fvwm-crystal
③Fcitx-Anthy をインストール。(SCIM についてはよくわかりません)
$ sudo emerge fcitx fcitx-configtool fcitx-anthy
④Fcitx の起動設定を「.xinitrc」へ書き込みます。(太字のところが重要になります)
export LANG=ja_JP.UTF-8
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=”@im=fcitx”
fcitx
setxkbmap -rules evdev -model jp106 -layout jp
exec fvwm-crystal
⑤Xウィンドウサーバーを再起動する。
$ startx
日本語表示と日本語入力の設定は以上ですが、動作確認でタスクトレイのアイコンか以下コマンドで設定画面を開いてみてください。
$ fcitx-configtool
源流の Gentoo Linux であれば以上の設定で日本語入力まで出来るようになるはずです。
ベースのシステムが同じなので多分流用できます(SCIMではありませんが…)
いろいろあやふやですがチャレンジしてみてください。