外出自粛のなかで、ちょっとでも息抜きになれば幸いです。
以前紹介した GPi ケースに転送する用のゲームをダンパーという機械を使って吸い出すのと、より快適に GPi ケースでゲームがプレイできるようセットアップしてみました。
ゲームと言えば。
アナリティクスによるとこのブログと YouTube チャンネルは、昭和生まれのおじさま方が集まるところになっているので、ゲームといえばファミコンやスーファミの世代だと思います。
以前にも RetroPie でレトロゲームを扱った動画をいくつかアップしました。
今回はゲームの吸い出しから紹介したいと思います。
まず先に注意。
今回、紹介する内容では著作物であるゲームのデータを吸い出して使用しますが、吸い出した ROM データを配布・販売することは法律で禁止されています。
またレンタルなどの借り物から ROM データを吸い出した場合にも法律に触れる場合があります。ROM データの吸い出しは必ず購入したゲームから行ってください。
今回紹介する機材やソフトウェアなどの使用について、当チャンネルでは一切の責任を負いかねますので全て自己責任にてお願いいたします。
以上を理解していただいた上で、読み進めていただけたらと思います。
では GPi ケース用に環境を整えていきます。
Dumpする。
どんなエミュレータでもゲームをプレイするには、まず ROM データを用意するところから始めなければいけません。以前紹介した RetroPie などで使った ROM データはダンパーと呼ばれる ROM データの吸い出し機を使って用意しました。
IT 用語の中にダンプ(英: dump)という言葉があります。
一言で説明すると、データをファイルなどに出力することをダンプと呼びます。
旧世代のゲーム機では ROM カセットが使われており、エミュレータなどでプレイする場合には ROM カセットからゲームデータをダンプする必要があります。この時に使う装置を「ダンパー」と呼びます。
まずはこのダンパーを使って、ROM データを吸い出すところからはじめます。
今回はゲームバンクウェブドットコムが販売する「レトロダンパー」を使ってゲームを吸い出します。
レトロダンパーはゲームバンクウェブドットコムのサイトか、Amazon で購入することができます。
※2021年3月29日現在、公式サイトでは新型コロナウィルスによる感染症の影響で入荷が遅れているようです。
ダンパーの使い方。
ダンパーの基本的な使い方はとてもシンプル。
- ダンパーと PC を付属の USB ケーブルで接続する。
- 専用のソフトウェアを PC にダウンロードし展開する。
- 専用のソフトウェアでゲームデータを吸い出す。
これでゲームの ROM データが用意できます。実際の作業については動画を参照してください。
データのチェック。
このまま問題なく使えることも多いのですが、念のためにちゃんと吸い出せているかチェックします。
ROM データのチェックには「オールドゲーム ROM研究」が公開している「ROM Checker」を使います。
このソフトウェアはたくさんのゲーム機の ROM データのヘッダ確認や不良 ROM の確認ができます。
ちなみにチェックできるのは対応するゲーム機の販売当時の日本版のもののみになります。
ROM Checker で問題がなければ、エミュレータで使える ROM データの出来上がりです。
オペレーティング・システム。
GPi ケースでそのまま使える OS はいくつかありますが、その中から今回は Recalbox を選びました。
理由は日本語対応しているからです。
そこはやっぱり NES ではなくファミコンの国の人なので。
GPi ケースの発売元である Retroflag のサポートページにもリンクが貼られていますが、Recalbox から GPi ケース用のイメージデータがダウンロードできます。
ダウンロードはコチラから▶https://archive.recalbox.com/
Recalbox の使い方などについては以下の URL から確認できます。
Recalbox。
Recalbox の準備は、ほかの Raspberry Pi 用の OS と同じ手順で用意できます。
- イメージデータのダウンロード。
- Etcher で microSD カードに書き込む。
- Raspberry Pi にセットして起動。
今回は GPi ケースで起動させるために、初期起動時は OS 側でデバイスのセットアップなどで時間がかかります。
電源を入れてから起動まで、およそ1分30~50秒ほどかかりました。
ここは気長に待ちましょう。
Recalboxのセットアップ。
Recalbox をより快適に使うために、3つほど設定をいじりました。
いじったのは以下の3つ。
- システム言語の変更。
- コントローラーの設定。
- ネットワークの設定。
ひとつずつ説明していきます。
システム言語の変更。
Recalbox は日本語に対応しているので、システムの設定で表示言語を日本語に変更することができます。
システムの設定 (SYSTEM SETTINGS)⇒LANGUAGE⇒日本語
設定が終わり「CLOSE」を選択すると再起動を促されます。
コントローラーの設定。
初期設定のままでも使うことができますが、実はAボタンとBボタンの設定が逆になっているので、ゲームをプレイする時に違和感があります。
というか、長年染み付いている操作で動いてくれないのはストレスです。
コントローラーの設定 (CONTROLLERS SETTINGS)
長押しと書かれていましたが、長押しは効きません。
十字キーの下を押してスキップさせます。
またホットキーは特に指定がなければセレクトボタンが良いでしょう。
ネットワークの設定。
Raspberry Pi Zere W であれば Wi-Fi 対応機種なので、コチラを設定することで SSH などでの遠隔操作ができるようになります。
ネットワークの設定 (NETWORK SETTINGS)
- WIFI を有効にする⇒ ON ※少しの間フリーズします。
- WIFI の SSID ⇒任意のものを選択。
- WIFI のキー⇒ SSID のキーを入力。
設定が終わり「閉じる」を選択するとまた少しのフリーズの後、Wi-Fi が有効になります。
すべての設定を反映させるため、ここでまた再起動をします。
※ときどき再起動がうまくいかずフリーズすることがあります。そのときは残念ですが強制終了し、改めて起動し直しましょう。
再起動後にまたネットワークの設定をのぞくと、IP アドレスが表示されるようになります。
これで一通りの準備が終わりました。
いよいよゲームの転送に移ります。
ゲームの転送。
ゲームの転送には SSH を使って操作するものもありますが、Recalbox の場合、Wi-Fi 接続ができればもっとずっと簡単。
Windowsエクスプローラーのネットワークにアクセスし、アドレスバーに「\\RECALBOXGPI」(日本語キーボードやフォントだと¥¥RECALBOXGPI ) と入力すると GPi ケースの Recalbox へアクセスすることができるようになります。ちなみに小文字でもOK。
あとは先ほど用意した ROM データを任意のフォルダにコピーするだけです。
ゲームをコピーした後は「メニュー」⇒「ゲームの設定」⇒「ゲームリストの更新」でゲームライブラリを更新することができます。もちろん再起動でも反映されます。
まとめ。
今回はレトロゲームの吸い出しと、 GPi ケースでより快適にゲームをプレイするためのセットアップをやってみました。
ゲームの吸い出し。
- ダンパーと PC を付属の USB ケーブルで接続する。
- 専用のソフトウェアを PC にダウンロードし展開する。
- 専用のソフトウェアでゲームデータを吸い出す。
- おまけ。ROM Cheker でデータのチェック。
OSのセットアップ。
- システム言語を日本語に変更。
- コントローラーの設定を修正。
- ネットワーク設定にて Wi-Fi の有効化。
ゲームの転送。
- Windowsのネットワークにアクセスし、アドレスバーに「\\RECALBOXGPI」を入力。
- 「Share」⇒「roms」⇒「(任意のフォルダ)」に ROM データをコピペ。
※もちろん GPi ケースの電源は ON です。