ポーランドで開発されている高速で軽量な Linux ディストリビューション SparkyLinux 2020.02 “Po Tolo” が、2020年2月10日にリリースされたので試してみた。

SparkyLinux とはどんな OS ?

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
https://sparkylinux.org/

SparkyLinux は、 Debian をベースとして、ポーランドで開発されている高速で軽量なデスクトップ指向の Linux ディストリビューション。安定版と (Semi) ローリング版が開発されており、今回リリースされた 2020.02 Po Tolo は(Semi) ローリングリリース版となる。ちなみにナンバリングは 6 となる。

軽量だけれども安定性が高く、デスクトップ OS として充分なソフトウェアもプリインストールされている。

変更点の詳しい情報は▶ https://sparkylinux.org/sparky-2020-02/

SparkyLinux の概要

  • ベース: Debian
  • アーキテクチャ: i686, x86_64
  • デスクトップ環境: MATE, LXQt, Xfce, MinimalGUI (Openbox)
  • パッケージ管理: dpkg (APT)
  • カーネル: 4.19.67-2
  • インストーラー: Calamares 3.2.18

SparkyLinux をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)

  • CPU: i686 または amd64 プロセッサ
  • RAM: 256 MB (1.0 GB 以上)
  • Storage: 10 GB (20 GB 以上)

主なアプリケーション

  • ブラウザ: Firefox 72.0.2
  • メール: Thunderbird 68.4.2
  • オフィス: LibreOffice 6.4.0
  • マルチメディア: VLC media player 3.0.8

SparkyLinux についてのより詳しい情報は
https://sparkylinux.org/wiki/doku.php/minimum_system_requirements

個人的な意見ですが、

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
久しぶりにリリースされた MATE エディション。日本語化もOK。

SparkyLinux は、このブログでも何度か紹介している。

SparkyLinux ▶︎ https://pc-freedom.net/?s=sparkylinux

今回のリリースではしばらく更新されていなかった MATE エディションがリリースされていた。MATE はカスタマイズの自由度が高く高速なデスクトップ環境として人気が高まっている。Xfce デスクトップ環境と同等かそれ以上高速なため、さまざまな Linux ディストリビューションで採用されている。

せっかくなので今回はこの MATE エディションを触ってみた。

メモリ消費量

SparkyLinux の魅力は何と言ってもその軽量さ。

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
メモリはアイドル状態で 450〜480 MiB 動作する。

MATE エディションのアイドル時はおよそ450〜480 MiB で動作する。YouTube 動画を再生してみたところ初期設定の 480p の解像度だとおよそ 960 MiB 程度で動作し、1080p の解像度だと 1.04 GiB 程度で動作していた。

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
解像度によりメモリ消費量は変わるけれども、基本的にYoutube ではたくさんメモリを消費する。

YouTube や Facebook などのような Web サイトはどうしてもメモリをたくさん消費するので仕方ないが、Web ブラウザをさらに軽量なものにするなどすれば、もう少しメモリ消費量を抑えることができるかもしれない。

LibreOffice はおよそ 550MiB 程度で動作していた。

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
LibreOffice では 550 MiB 程度のメモリ消費量。まずまずかな?

日本語環境

SparkyLinux はインストール前でも日本語表示を選択できる。

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
起動時に「More Languages…」を選択すると、英語以外の言語を選ぶことができる。
SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
日本語も用意されているので、インストール前から日本語表示ができる。

しかし翻訳されていない部分が少し多いのは残念。ちなみにその翻訳されていない部分は英語ではなくポーランド語というのが特徴的だった。

また、インストール後に初回起動のスクリプトが自動的に実行され、アップグレードと不足している言語パッケージをインストールしてくれる。

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
初回起動時には自動スクリプトにてシステムのアップグレードと不足の言語パッケージがインストールされる。

ただし日本語入力設定についてはインストールされないため、改めてインプットメソッドなどをインストールする必要がある。

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
日本語入力については改めてパッケージのインストールが必要。

少し手間はかかるものの、難易度はそれほど高くないのでぜひチャレンジしてもらいたい。

SparkyLinux 2020.02: ポーランド発の軽量Linuxがリリースされたので試してみた。
パッケージをインストールして、再起動すれば日本語入力できるようになる。

SparkyLinux の良かった点・悪かった点

良い

  • デスクトップがシンプルでわかりやすい。
  • どのエディションも軽量でサクサク動く。
  • Debian 系なのでソフトウェアが豊富。

悪い

  • 日本語入力設定にちょっと手間がかかる。
  • 翻訳し切れてない部分が結構ある。

SparkyLinux のおすすめ度(5段階評価)

初心者向け度… ★★☆☆☆

Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。

難易度はそれほど高くはないけれども、初めて Linux を扱うユーザーには設定などの面で戸惑うところがあると思われる。特にこのセミ・ローロングリリース版はテストブランチベースなためか、あちこちで修正が必要なので手間がかかる。

日本語の環境… ★★★☆☆

日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。

起動の際に日本語を選択することができるため、インストール前でも日本語表示できる。またインストール後にスクリプトが起動し日本語化が行われる。初めての時はちょっとびっくりするかも。日本語入力設定は改めてパッケージをインストールしなければいけないので少し手間がかかる。

システム要件… ★★★★★

古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。

とにかく軽い!いちばん重量級のエディションが Xfce という軽量ぶり。まだ 32-bit 版も開発されているので、軽量 Linux を探している方にはおすすめ。

総おすすめ度… ★★★☆☆

全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。

軽量で安定感のある Linux ディストリビューション。デスクトップ OS としても充分な機能を持っているので、古い PC の再生などに役立つに違いない。SparkyLinux は個人的に、今回紹介したセミ・ローリングリリース版よりも安定版の方がおすすめ。

SparkyLinux に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
ダウンロードする▶ https://sparkylinux.org/download/rolling/