ついに MX Linux の KDE Plasma 版が2020年8月16日にリリースされた。
ベータ版も試していたが、やっぱり MX 好きとしては見逃せないので試してみた。
MX Linux とはどんな OS ?

Debian GNU/Linux の安定版をベースとして開発されている中量級の Linux ディストリビューション。
antiX と旧 MEPIS コミュニティの協力的事業として開発されており、それぞれのディストリビューションからベストなツールと特色を用いることを目的としている。
MXコミュニティによって作られパッケージングされた追加のソフトウェアと共に、antiXのコンポーネントを用いてシンプルな構成、高い安定性、安定したパフォーマンスを提供し、エレガントかつ効率的なデスクトップを結合するように設計されている。
Linux や BSD などのさまざまなディストリビューションを扱う DistroWatch.com では 2019年から、ページヒットランキング1位になっており、注目度の高い Linux ディストリビューションとしても知られる。
今までの MX は Xfce デスクトップだけの開発だったが、今回は MEPIS 以来の KDE デスクトップを採用。
▼より詳しい情報は▼
https://mxlinux.org/blog/mx-19-2-kde-now-available/
MX-19.2 KDE の概要
- ベース: Debian
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: KDE Plasma
- パッケージ管理: dpkg (apt)
- パッケージ形式: deb
- カーネル: 5.6.0-2
MX-19.2 KDE をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: 64bit プロセッサ
- RAM: 1GB 以上 (2GB 以上)
- Storage: 5GB 以上 (20GB 以上)
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox
- メール: Thunderbird
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: GIMP
- ミュージック: Clementine
- マルチメディア: VLC media player
▼MX-19.2 KDE についてのより詳しい情報は▼
https://mxlinux.org/blog/mx-19-2-kde-now-available/
MX-19.2 KDE 個人的な意見ですが、
ベータ版のときの記事でも書いたが、2013年に停止した旧 MEPIS プロジェクト以来、KDE Plasma デスクトップを利用した最初の正式ポートされた MX / antiX ファミリーということで、旧 MEPIS をご存知の方には感慨深いところがあるに違いない。
ボクは当時の MEPIS のことは資料でしか知らないために、具体的なことを語ることができないのだけれども、エレガントなディストリビューションとして人気があったのは、今回のリリースで垣間見ることができた気がする。
KDE Plasma

KDE では Plasma デスクトップと Applications が提供されている。
カテゴリーによっては MX 独自のツールと KDE のツールとでかぶるものも出てくるが、それは他のディストリビューションにも言えること。
正直なところもっと MX の独自性が見られるかとも思ったが、KDE はカレーみたいな印象。
カレーがどんな料理もカレー味にするのと一緒で、KDE もどんなディストリビューションでも KDE っぽくなる。
KDE Plasma は様々なカスタマイズが自由にできる魅力はあるけれども、初期段階ではとりわけ目立った特徴がないのが特徴というイメージを持っている。
あえて macOS っぽくするのも面白いかもね。
MX Tools

MX Linux の魅力のひとつが、独自の MX Tools 。
ハードウェアのセットアップやコーデンクのインストール、アプリケーションの管理などが行える。
KDE Plasma 版でも MX Tools は健在で、その使い勝手もそのまま。
MX-19.2 KDE と Xfce 版との比較
ひと目で違いがわかるタスクバーの位置。
Xfce 版ではいかにも Linux っぽい (?) 画面左側にタスクバーを配置するレイアウト。

KDE 版では Windows ライクな定番レイアウトになっている。

で、「あれ?」っと思ったのが MX Tweak 。
テーマのカスタマイズは、設定できる項目が Xfce 版よりも減っている。
Xfce 版では「Panel」「テーマ」「Compositor」「Display」「Config Options」「その他」のタブが存在し、それぞれたくさん設定項目があった。

KDE 版では「Plasma」「その他」の2項目だけとなっている。
見た目のカスタマイズは Kvantum 任せられたというところだろうか。

MX-19.2 KDE の残念な点と良い点
残念な点
- 個人的には MX 感よりも KDE 感のほうが強い。
- もっと MX の独自性があっても良かったと思う。
良い点
- 思った以上にサクサク動作してくれる。
- MX Tool も健在。
- Windows ライクなレイアウトは Linux 初心者向けかもしれない。
MX-19.2 KDE のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
初心者のいちばん最初のハードルは「どこ」に「なに」があるかがわからないことではないだろうか。
若干独特なレイアウトの Xfce 版よりも Windows ライクな KDE Plasma の方が、もしかしたら初心者には使いやすいレイアウトかもしれない。
日本語の環境… ★★★☆☆
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
システム言語はライブ環境から日本語に対応しているけれども、入力環境はインストール後に必要なパッケージをインストールする手間がある。
難易度は高くないが、手間がかかる。
システム要件… ★★★☆☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
今回採用された KDE Plasma 5 は以前のバージョンよりも効率が良くなり、多少古いマシンでもある程度動作してくれる。
最近のマシンであれば問題なく動作してくれる。
総おすすめ度… ★★★★☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
良くも悪くも MX っぽくない MX がやってきた。
新しい時代の MX にワクワクしないわけがない。
でも残念ながら、日本語設定は今までのままなので星マイナス1。
それでも一度は使ってみて欲しいディストリビューション。
MX-19.2 KDE に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
▼ダウンロードする▼
https://sourceforge.net/projects/mx-linux/files/Final/