MakuluLinux は最新版となる LinDoz 2020 を、2020年2月24日にリリースしたので試してみた。
MakuluLinux LinDoz とはどんな OS ?
MakuluLinux LinDozは、Windowsのクローンとして設計されたものではなく、WindowsユーザーとLinuxユーザーの両方にとって馴染みのある領域であり、テーマはWindowsのレプリカではなく、単なる「類似」デザインです。どの環境から来たのかは関係ありません。LinDozにログインすると、親しみを覚えることができます。
出典▶http://www.makululinux.com/wp/lindoz/(Google 翻訳より)
MakuluLinux LinDoz の概要
- ベース: Ubuntu
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: Cinnamon 3.6.4
- パッケージ管理: dpkg (apt)
- パッケージ形式: deb
- カーネル: 5.3.0
MakuluLinux LinDoz をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: 64-bit プロセッサ
- RAM: 2GB (4GB) 以上
- Storage: 10GB (20GB) 以上の空き領域
主なアプリケーション
- ブラウザ: Google Chrome
- メール: Evolution
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: Pinta
- マルチメディア: mpv Media Player
▼ MakuluLinux LinDoz についてのより詳しい情報は▼
http://www.makululinux.com/wp/lindoz/
MakuluLinux LinDoz 個人的な意見ですが、
MakuluLinux では、通常の ISO データのほか VirtualBox 用の OVA ファイルも用意されているので、この OVA ファイルを使って VirtualBox 6.1.4 でテストしてみた。
(一応、両方試してみたところ、微妙な違いがあったのだけれども、今回その違いの詳細については割愛します)
ホストマシンのスペックは以下の通り。
- CPU: Core i5-9400F 2.90GHz
- RAM: DDR4-2666 (PC4-21333) 64GB
用意された OVA を読み込むとゲストマシンは以下の設定になる。
- CPU: 4 Core
- RAM: 3 GB
- Strorage: 40 GB
- ビデオメモリ: 128 MB
- グラフィックコントローラー: VMSVGA
- アクセラレーション: 3D
まずはじめに、MakuluLinux の公式サイトには、
MakuluLinux LinDozは、Windowsのクローンとして設計されたものではなく、WindowsユーザーとLinuxユーザーの両方にとって馴染みのある領域であり、テーマはWindowsのレプリカではなく、単なる「類似」デザインです。
出典▶http://www.makululinux.com/wp/lindoz/(Google 翻訳より)
という一文から始まる。
画面のレイアウトやデザインなどをはじめとして、明らかに Windows ユーザーをターゲットとしている。
というか エディションの名前である LinDoz は Freespire でも少し触れた ( https://pc-freedom.net/linux/freespire-6-0-release/) Lindows をもじったもののような気もする。
公式サイトや、紹介動画では繰り返し「あくまでも Linux 」「 Windows のクローンではない」ことを強調している。
用意されているテーマはすべて Windows のデザインが元になっており、オフィスのアイコンなどはそのままなので、思わず「あっ!MS Office 入ってる!」と思ってしまう。しかしながら、よくよく見てみるとそれは LibreOffice 。なんだかちょっと騙された気分。繰り返し言われてたのにね…。
あらかじめ Wine や PlayOnLinux もインストールされているので、Windows から移行しやすいように設計されている。
Microsoft Store に見えるアイコンも、クリックすれば Linux でおなじみの画面が表示される。見た目こそ Windows に見えるが、やっぱり Ubuntu 系の Linux ディストリビューションなのは間違いない。
ライブ環境
実際に USB メモリに入れてライブ起動させた場合と、VirtualBox で起動させた場合と異なるため注意が必要。
USB メモリから起動させた場合には、そのままライブで起動する。
ISO データを VirtualBox で起動させた場合、ライブ起動する前にユーザー名とパスワードの入力が必要。
- ユーザー名:makulu
- パスワード:makulu
※ VirtualBox 用の OVA ファイルを使った場合も同じユーザー名とパスワード。
日本語環境
Ubuntu 系なので、日本語にももちろん対応している。しかし、日本語入力環境については、インストール後に設定が必要となる。最近の Ubuntu ベースだと、日本語でインストールすると、日本語入力に必要なパッケージまでインストールされるが、MakuluLinux は残念ながらそうではなかった。
パッケージのダウンロードとインストールには時間がかかるが、GUI 操作だけで日本語化が完了する。
ClamTk
ClamTk は、オープンソース (GPL) で提供されているクロスプラットフォームのアンチウイルスソフトウェア ClamAV (Clam AntiVirus) の GUI フロントエンド。CUI で操作する ClamAV とは違い、ClamTk は Linux 初心者でも簡単に使うことができる GUI 環境。ファイアウォール程度しかインストールされない Linux ディストリビューションが多い中、アンチウィルスソフトまでインストールされているのは、わりと珍しいかもしれない。
OpenDrive Sync
気になる機能にOpenDrive Sync (ODrive) という Google Drive にアクセスするツールがある。
面白そうだったのでさっそく試してみたものの、セキュリティで弾かれてしまった。仮想環境だからダメだったのか原因の特定はできていない。
ただし、コレが正常に機能すれば Google ドキュメントなども手軽に使えるのではないだろうか。
MakuluLinux LinDoz と Q4OS との比較
Ubuntu + Cinnamon というシステムの内容を見ると、Linux Mint と同様に思えるが、今回は Windows のインターフェイスに似せて開発しているということで Q4OS と比較してみた。
MakuluLinux の場合は Cinnamon をカスタマイズして Windows に似せているが、Q4OS の場合は KDE からの派生である Trinity をデスクトップ環境として採用している。
一見するとどちらも同様に開発されたようにも見えるが、実際に使ってみるとその差が見えてくる。
特に目立つのがメモリの消費量。MakuluLinux は、アイドル時でもメモリ消費量は 980MiB 程度になっているので、何かしらアプリケーションを起動するとすぐに 1GiB 程度までメモリを消費する。古い Windows ではデザインやエフェクトを簡略化させてパフォーマンスを向上させるせっていがあった。MakluLinux のテーマでは古い Windows 9X 世代のデザインから Windows 10 までのテーマが用意されており、これでパフォーマンスが変わるかどうか試してみたが違いはなかった。
そもそも、Cinnamon は Linux の中では高めのスペックを必要とするため、最近軽量になってきた KDE を更に軽量にさせた TDE との差がでても不思議ではない。
ちなみに Linux Mint の Cinnamon エディションでは以下のシステムが最低限要求される。
- 1GB RAM(快適に使用するには 2GB を推奨)
- 15GB のディスク容量(20GB を推奨)
- 1024 x 768の解像度
仮想環境の場合、これにグラフィックスアクセラレーションの設定が推奨されたりする。
快適に MakuluLinux を利用するには 2 Core 以上のプロセッサが望ましいだろう。(とういうか、64-bit プロセッサの場合はデュアルコア以上のプロセッサを想定して開発されているような気がする)
さらにおまけで Q4OS TDE エディションをインストールできる最小スペック。
- CPU: 300 MHz
- RAM: 128 MB
- DISK: 3 GB
- Display: XGA 1024 x 768
まとめ
結論として、MakuluLinux は古いマシンには不向き。
Linux Mint を表面的に Windows に見せかけた Linux という印象もあるが、Windows からストレス無く Linux へ移行するためのアイディアとして開発しているための結果なのだろうと思う。Windows と Linux Mint のどっちつかずのような印象も受けた MakuluLinux だったが、実際に触れてみるとなかなか味わいがあり、精力的で面白い Linux ディストリビューションだと感じた。
MakuluLinux LinDoz の残念な点と良い点
残念な点
- わりと重たいので、古いマシンには不向き。
- リリースサイクルが不安定なので、いつ開発が終わってしまうか不安…。
- なんで ODrive が使えなかったのかな?
良い点
- アンチウィルスソフトがプリインストールされている Linux ディストリビューション、久しぶりに出会ったかも。
- Google Chrome や Steam など、Windows ユーザーでも馴染みのあるソフトウェアがプリインストールされているのは嬉しいね。
- Windows ユーザーなら見慣れたアイコンで、機能がイメージしやすいかも。
MakuluLinux LinDoz のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★☆☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
Windows からの以降をターゲットとした Linux ディストリビューションのため、アイコンなどはマイクロソフトのものに似せている。例えば LibreOffice のアイコンが MS Office のアイコンそのままだったりとか…。ちょっと騙された気分になる。
日本語の環境… ★★★☆☆
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
日本語のサポートはされているが、インストール後に日本語環境の設定が必要になる。最近の Ubuntu 系にしては珍しいかも。
システム要件… ★★★☆☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
Ubuntu をベースに、Cinnamon デスクトップ環境を採用しているため高めのが必要になる。中身的に Linux Mint Cinnamon エディションなので、それと同等のスペックが必要。
総おすすめ度… ★★★☆☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
見た目と、プリインストールされたアプリケーションの構成が独特なので、ちょっと雰囲気の違う Linux を探しているのであれば試してみるのも面白いかも。
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http://makululinux.online/downloads/MakuluLinux-LinDoz-x64-Stable-2020-02-21.iso