Manjaro プロジェクトは、最新の安定版 19.0 Kyria を2020年2月25日にリリースしたので、さっそく試してみた。
Manjaro とはどんな OS ?

Manjaro Linux は Arch Linux をベースとし、高速で使いやすいデスクトップ指向のオペレーティング・システム。グラフィカルユーザーインターフェイスのインストーラーで、Linux 初心者でも簡単にインストールでき、自動ハードウェア検出や、安定したローリングリリース、複数のカーネルをインストールする機能、グラフィックドライバーを管理するための特別な Bash スクリプトなど、さまざまな機能が含まれている。
コアデスクトップとして Xfce が採用されており、より上級ユーザー向けに KDE, GNOME が提供されている。さらにコミュニティがサポートするさまざまなデスクトップフレーバーも用意できる。
今回の変更点は?
このリリースでは、Xfce 4.14を出荷し、デスクトップおよびウィンドウマネージャーでのユーザーエクスペリエンスの洗練に主眼を置いています。また、「Matcha」という新しいテーマに切り替えました。新しいディスプレイプロファイル機能を使用すると、好みのディスプレイ構成の1つ以上のプロファイルを保存できます。また、新しいディスプレイが接続されたときにプロファイルの自動適用を実装しました。KDEエディションは、強力で成熟した機能豊富なPlasma 5.17デスクトップ環境に独自のルックアンドフィールを提供します。このリリースでは、これを完全に再設計しました。
出典▶https://forum.manjaro.org/t/manjaro-19-0-released-gnome-kde-xfce-architect/126010
Manjaro の概要
- ベース: Arch
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: GNOME, KDE Plasma, Xfce, (Awesome, bspwm, Budgie, Cinnamon, Deepin, i3, LXQt, MATE, Openbox)
- パッケージ管理: pacman
- パッケージ形式: tar.xz, tar.zst
Manjaro をインストールするのに推奨するスペックは?
- CPU: 1 GHz 以上のプロセッサ
- RAM: 1 GB 以上
- Storage: 30 GB 以上の空き領域
- Display: 高解像度 HD (Full-WXGA: 1366×768)
- ブロードバンドインターネット接続
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox
- メール: Thunderbird
- オフィス: (LibreOffice, FreeOffice)
- グラフィック: GIMP
- ミュージック: Audacious
- マルチメディア: VLC メディアプレイヤー
▼ Manjaro についてのより詳しい情報は▼
https://wiki.manjaro.org/index.php?title=About_Manjaro
Manjaro 個人的な意見ですが、
Linux の中でもトップクラスの安定性を誇る Manjaro は、GUI インストーラーによって導入のハードルが下がった。
コチラの記事でも詳しく紹介している。▶Manjaro Linux ってなんじゃろ?
インストール

もはや定番の Calamares でインストールすることができる。インストーラーの指示にしたがって設定していくことで、インストール自体は Linux 初心者でも問題ないと思われる。またインストールの途中でオフィススイートをインストールしないか、LibreOffice または FreeOffice を選択することができる。
AUR (Arch User Repository)
Manjaro でも AUR を利用することができるが Manjaro チームではサポートしていない。なので AUR を利用する場合には、自己責任となる。場合によっては正常に動作しない場合もあるので、利用する場合には注意が必要。
だが AUR には、Google Chrome などのプロプライエタリ・ソフトウェアを含め、非常にたくさんの便利なパッケージが含まれているので、ボク個人としては使います。
ローリングリリース
Arch 系の最大の特徴でもあるローリングリリース。Manjaro ももちろんローリングリリースモデルを採用している。ローリングリリースはカーネルのアップデートを始めとしたシステムを断続的に更新していくリリースモデルで、最近では Debian 系や Fedora 系、SUSE 系などでもローリングリリースを採用している。そういえば Winodws 10 もローリングリリースになったね。
いつでも最新の状態を自動的に維持できるのは、非常に便利。
日本語入力設定
最近の Linux は入力環境までも多言語対応しているものが多い中、Manjaro はまだインストール後に日本語入力設定をしなければいけない。Linux 初心者にとっては、この日本語入力設定がいちばんの難関かもしれない。しかし、一度覚えてしまえば大丈夫。
ココをクリアすれば、快適な Manjaro ライフが待っている。
Manjaro の残念な点と良い点
残念な点
- Xfce でもだいぶ重たくなってきた…。
- 日本語入力設定が面倒くさい…。それも魅力なのかもしれないけれど。
良い点
- 初心者にはハードルが高かった Arch Linux を手軽に使えるようになったのは◎。
- 商用パッケージ並みにしっかり作り込まれたオペレーティング・システムだと思う。
- なんだかんだ言っても AUR が使えるのは強い。
Manjaro のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★☆☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
Arch 系 Linux ディストリビューションとしては初心者向けだけれども、Ubuntu や Linux Mint, Fedora や openSUSE などと比べると、日本語入力設定などの面で少し難易度が高い。
日本語の環境… ★★☆☆☆
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
慣れるとそれほど難しくはないけれども、設定には手間がかかる。以前は日本語でインストールすると文字化けすることもあったが、今ではちゃんと文字化けせずに日本語表示される。
システム要件… ★★★☆☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
標準のデスクトップ環境は Xfce だが、システムが肥大してきたためかアイドル時でもギリギリ 1 GB 以下のメモリ消費量となっている。GNOME と KDE だと、アイドル時で 1 GB 以上のメモリ消費量と重たい。軽量なエディションを使いたい場合はコミュニティフレーバーの Awesome や bspwm, i3, Openbox などを選ぶほうがよい。
総おすすめ度… ★★★★☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
高速で安定性が高く、しかもローリングリリースでいつでも新鮮な Linux ディストリビューション。どちらかというと経験者向けではあるが、個人的にも好きな Linux ディストリビューションなので皆さんに使っていただきたい。
Manjaro に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
▼ダウンロードする▼
https://manjaro.org/download/