Linspire の無料版 Freespire は、最新版となる 6.0 を2020年2月10日にリリースしていたので試してみた。
Freespire とはどんな OS ?
Freespire は、かつて Linspire がスポンサーとなったコミュニティ運営の Linux ディストリビューション。 Freespire は一度2008年に廃止されが、2017年から PC / OpenSystems LLC により Ubuntu をベースとした有料の Linspire と 無料の Freespire の開発が再開された。現在も開発は PC / OpenSystems LLC によって行われている。
実は、かつて日本で販売されていた Lindows の流れを組む Linux ディストリビューションでもある。
▼より詳しいリリース情報は▼
https://www.freespirelinux.com/2020/02/freespire-60-released.html
Freespire 6.0 の概要
- ベース: Ubuntu (Debian)
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: MATE 1.2
- パッケージ管理: dpkg (APT)
- カーネル: 5.3.0-28
Freespire 6.0 をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: x86_64 IntelまたはAMDベースのプロセッサ
- RAM: 2 (4) GB 以上
- Storage: 15 (20) GB 以上の空き領域
主なアプリケーション
- ブラウザ: Chromium 79.0.3945.79
- オフィス: Adiword 3.0.2, Gnumeric 1.12.35
- グラフィック: GNOME Paint 0.4.0
- ミュージック: Rhythmbox 3.4.2
- マルチメディア: Paroleメディアプレイヤー 1.0.1
▼Freespire 6.0 についてのより詳しい情報は▼
https://www.freespirelinux.com/p/faq.html
個人的な意見ですが、
Linspire と Freespire は、Red Hat と Fedora、SUSE Linux と openSUSE などのような関係性を持った Linux ディストリビューションと言える。
また前述の通り、Freespire はかつて存在した Lindows を源流とした Linux ディストリビューションである。
Lindows をご存じない方のためにザックリ説明すると、当時の Lindows, Inc. が開発及び販売をしていた Linux ディストリビューション。Windows ライクなグラフィカルユーザーインターフェイスや、Windows の API を実行する Wine の組み込み、日本語版においては ATOK を始めとした環境が整備されていた一般ユーザーを強く意識した、当時としては珍しい Linux ディストリビューションだった。ちなみに販売は後のライブドアとなるエッジが販売していた。
【WPC EXPO】エッジ堀江社長、「LindowsでOSを選べる時代がついに訪れた」
https://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2003/09/18/495.html
しかしマイクロソフトとの商標の問題があり、2004年に社名を Linspirel, Inc. 変更するとともにディストリビューションの名前も変更となった。
「Lindows」が消滅へ–マイクロソフト、2000万ドルでリンドウズと和解
https://japan.cnet.com/article/20069901/
MATE
Freespire は今まで KDE をデスクトップとして採用してきている。MATE の採用は 4.5 ぶりとなる。それ以前の軽量版のリリースは Xfce を採用していた。
実際に軽量かどうかでいうと、Linux としては少々微妙。
アイドル時で 3.8 GiB (およそ 4GB )中、724.3 MiB (およそ 760 MB) 程度の使用量で安定していた。軽量 Linux ばかり扱っていたので、アイドル状態で 20% のメモリ消費量は少し多く感じた。そのためか、初見で触っていた時の体感は少々モッサリ感のある使い心地だった。
Web サイトでは Windows 7 世代の PC を対象に最適化したという内容が記載されている。たしかに Windows 7 世代の PC であれば問題なく動作してくれるであろう。
Ice SSB
プリインストールされているアプリケーションで気になったのが、 Peppermint で開発された Ice SSB が Freespire でも使うことができる。そのためかプリインストールされているアプリケーションが LibreOffice ではなく AbiWord と Gnumeric だったり、GIMP ではなく GNOME Paint だったり。メーラーに至ってはインストールされていないのは Ice SSB のせいだろうかと勘ぐる。
非常に便利なツールだけれども、Web アプリによっては読み込みに時間がかかり過ぎて使えなかったり、セキュリティの都合により使えなかったりするものもあるので注意が必要だけれども、Google のドキュメントやスプレッドシートなどが手軽&快適に使えるようになるのは個人的には魅力を感じる。
Freespire 6.0 と Linux Mint との比較
ボクが初めて Linux Mint を知ったとき、Lindows を連想した。あくまでも個人的なイメージの話なのだけれども、ロゴや開発コンセプトが似ているように思い、一瞬は派生の Linux ディストリビューションなのかな?とも思っていた。
そのためボクの中では Freespire と Linux Mint は似ているという認識がある。
それぞれ全く別の Linux ディストリビューションだけれども、どちらも Ubuntu をベースに開発されており、使いやすさを重視しプロプライエタリ・ソフトウェアもいとわない姿勢などが似ているように感じ点。またデスクトップ環境も以前までは KDE や Xfce だったが、今回のリリースでは MATE を先行させている面なども、より似ているのかな?という感じが強くなる。(プロジェクトサイトには次に「 KDE が登場する」とアナウンスされている)
しかし、リリースサイクルが非常にゆっくりなためか、Freespire は Linux Mint ほど知名度は高くない。
Freespire 6.0 の良かった点・悪かった点
悪い
- MATE デスクトップ環境だけれども、思いのほか重たく感じる。次の KDE はどうなる?
- リリースが2年に1度と、非常にのんびり。バグ修正とかってどうなのかな?
良い
- インストールから日本語でできるうえ、日本語でインストールすると入力もできるようになっている。
- レイアウトは Windows 、アイコンは macOS で使い勝手は思いのほか良い。
- Ubuntu ベースなので、必要な情報は Ubuntu のものが流用できる。
Freespire 6.0 のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
知名度は低いものの使い勝手は非常に良い。一部専門的な雰囲気がある Ice SSB だけれども、設定も使い方も簡単。Linux 初心者でも安心して使い始めることができる。
日本語の環境… ★★★★★
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
インストールも日本語でできるうえ、インストール直後から日本語入力もできるスグレモノ!また翻訳もほぼ完璧。
システム要件… ★★★☆☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
デスクトップ環境は軽量の部類に入る MATE が採用されているけれども、使用感は少し重たく感じる。事実、アイドル時のメモリ消費量は少々高めだった。
総おすすめ度… ★★★★☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
さすが Ubuntu ベースといった感じ。優等生グループに属する Linux ディストリビューション。派手さはないけれども堅実に使える。
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▼ダウンロードする▼
https://www.freespirelinux.com/2020/02/freespire-60-released.html