独立したローリングリリースの Linux である KaOS の最新のスナップショットとなる 2020.05 が、2020年5月3日にリリースされていたので試してみた。

KaOS とはどんな OS ?

KaOS 2020.05: KDE と Qt にこだわった独立系Linuxがリリースされたので試してみた。
https://kaosx.us/

KaOSは、1つのアーキテクチャ (x86_64) に1つのデスクトップ環境 (KDE Plasma) を提供することに重点を置いた、独立したローリングリリース Linux ディストリビューション。

今回の変更点は?

KaOSは、新しいく安定した 5月のリリースは、多くの新機能についてではなく、更新と再構築についてです。

このディストリビューションのベースのほとんどは、新しい GCC 9.3.0、Glibc 2.31 および Binutils 2.34 ベースのツールチェーンで再構築されています。 ICU 66.1、Boost 1.72.0、Krb5 1.18、Glib2 2.64.2ベースのスタック、Guile 2.2.6、Mesa 20.0.6、NetworkManager 1.22.10、Perl 5.30.2、Linux 5.6.8およびQt 5.14には、その他の再構築が必要でした .2。 前回のメジャーリリースからの新機能は多数あるため、ここでもう一度繰り返します。 インストーラーから始まり、オフィススイートをインストールするかどうかを選択できるようになりました(現在の選択肢はLibreOfficeに限定され、将来的にはオプションとしてCalligraが追加される可能性があります)。 最小インストールを選択することもできます。

▼より詳しい情報は▼
https://kaosx.us/news/2020/kaos05/

KaOS の概要

  • ベース: 独立
  • アーキテクチャ: x86_64
  • デスクトップ環境: KDE Plasma
  • パッケージ管理: pacman
  • カーネル: 5.4.0

KaOS をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)

  • CPU: 64bit 対応プロセッサ
  • RAM: 1GB (2GB) 以上のシステムメモリ
  • Storage: 8GB (25GB) 以上の空き領域

▼より詳しい情報は▼
https://kaosx.us/about/faq/

主なアプリケーション

  • ブラウザ: Falkon 3.1.0
  • オフィス: LibreOffice 6.4.3.0
  • ミュージック: Elisa 20.4.0
  • マルチメディア: SMPlayer 20.4.2, mpv player 

▼KaOS についてのより詳しい情報は▼
https://kaosx.us/docs/

KaOS についての個人的な意見ですが、

KaOS 2020.05: KDE と Qt にこだわった独立系Linuxがリリースされたので試してみた。

KaOS ではパッケージ管理に Pacman が使われており、また Arch 系の特徴でもあるローリングリリースモデルなため、しばしば Arch ベースのディストリビューションとして紹介されることがある。しかしプロジェクトでは Arch ベースではないことを強調している。

KaOS About “Independent” ▶https://kaosx.us/about/based/

レイアウト。

KaOS 2020.05: KDE と Qt にこだわった独立系Linuxがリリースされたので試してみた。
画面右側にパネルがある独特のレイアウト。

Ubuntu や MX など、ほとんどの Linux ディストリビューションではパネルは左側にあるが、KaOS の場合はパネルが右側にあるという、少々変わったレイアウト。少し違和感があるものの、すぐに慣れると思う。

パッケージ。

KaOS 2020.05: KDE と Qt にこだわった独立系Linuxがリリースされたので試してみた。
GUI 環境でパッケージ管理ができる「Octopi」

KaOS は独立したディストリビューションのため上流リポジトリが存在しない。パッケージ管理は Arch 系で使われている Pacman だが、Arch のリポジトリを使うことはできない。

KaOS で使用されているリポジトリはわずかに3つだけとのこと。これはユーザーの透明性と使いやすさの向上、開発の観点からは大幅な簡素化されるというメリットがある。

ただし用意されていないパッケージもある(例えば Screenfetch は用意されているが、Neofetch は存在していなかった)ので、使用できるパッケージが限られるのも事実。

日本語環境。

KaOS はライブで、しかも日本語でテストすることができる。インストールは Calamares を使ってインストールすることができるが、残念ながら日本語には対応していない。おまけにインストール後に日本語化をしなければいけない。

以前のバージョンで日本語化をしていた。

▼ KaOS 日本語入力設定のブログ記事▼
https://pc-freedom.net/basic/kaos-japanese/

以前のバージョンでは上記の記事の通りに日本語化ができたが、今回のバージョンではなぜか日本語化がうまく行かない。

KaOS 2020.05: KDE と Qt にこだわった独立系Linuxがリリースされたので試してみた。
日本語が表示されるものの、なぜか追加できない。

言語の設定で日本語を追加することができなかった。

KaOS の惜しい点と良い点

惜しい点

  • 起動の際にフリーズしたかと思う。
  • Screenfetch はあるけど Neofetch がなかった。他にも使えないパッケージがありそうだね。
  • 今回のバージョンは日本語化がうまく行かない。

良い点

  • 思った以上に軽量でサクサク動く。Web ブラウザも軽量な Falkon がデフォルトになっているくらい。
  • パッケージの数には限りがあるが、全て KaOS によってビルドされているので間違いなく動く。
  • KDE Plasma の良いところが存分に味わえる。

KaOS のおすすめ度(5段階評価)

初心者向け度★★☆☆☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。

独立した Linux ディストリビューションなので情報が限られているため、Linux 経験がないと戸惑うかも。

日本語の環境★☆☆☆☆
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。

今回のバージョンでは、日本語化がうまく行かない。日本語入力設定は Arch 系の設定が参考になる。設定さえすれば日本語入力はできるようになる。

システム要件★★★☆☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。

32bit には対応していないけれども、64bit でさえあればわりと低スペックでも動作してくれる。

おすすめ度★★☆☆☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。

決して悪いディストリビューションではないが、日本語環境にはあまり向いているとは言い難い。しかしデスクトップ OS としての選択肢にはなるかもしれない。

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▼ダウンロードする▼
https://kaosx.us/pages/download/