macOS は、新しいリリースがあるたびに対応するデバイスには通知を入れる。通常、OS のリリースには主にセキュリティの強化や新機能の追加などが含まれるため、可能な限り新しいものにするのが望ましい。
そのため「アップデートに失敗する」などという事態は起こるべきではない。
macOS 10.15 Catalina
2019年10月8日にリリースされたバージョンナンバー 10.15 の macOS は、OS X Mavericks 以降に対応し Mid 2012 以降のほとんどのハードウェアで動作する。iPadOS との連携を強化し、どちらの環境でも動作するアプリケーションの開発が可能となったほか、さまざまな新機能が追加された。
だがしかし、実に評判の悪い OS となった。
Google で Catalina について検索すると、サジェストには「不具合」や「重たい」といったネガティブなキーワードが見られる。
そう、ボクも Catalina の不具合に悩まされ検索した一人なのだ。
インストールが完了しない。
とにかくいちばんの問題は「インストールが完了しない」こと。
ボクの使っている MacBook Pro (以降 MPB ) は Apple マークが光る最後のマシン。(Retina, 13-inch, Late 2013) 光る Apple マークは PowerBook のときから憧れていて、この MBP は起動しなくなるまで使い倒してやるつもりでいる。
そんな MBP にも 10.15.3 の通知が入り、恐る恐るアップデートを試みた。というのも、10.15 のときはまだ良かったが、その後の 10.15.1 と 10.15.2 のときにはアップデートが失敗していた。
いずれのバージョンも、目を離すと不具合により再起動しているため、その改善を求めてこまめにアップデートしていた。普段から Time Machine でバックアップを取っているので、アップデートの通知が入ればすぐにアップデートするようにしている。
しかし Catalina になってから、それまでのアップデートとは質が変わった。
アップデートに対して不安を感じるのだ。
10.15.1 のアップデートが失敗した時には「こんなこともあるんだ」程度に思っていた。特に気にせずにバックアップもあったためクリーンインストールした。しかし、スリープから復帰させたりすると「再起動しました」がちょくちょく出てくるようになった。
10.15.2 のアップデートが失敗した時には「また失敗した…」と思うようになった。このときはクリーンインストールもうまく行かず、インターネットリカバリーでいったん出荷時の状態(つまり OS X Mavericks )にまで戻し、そこからアップデートした。だが今度は、使っている最中でも、急に再起動し始めるようになった。
最近は Linux を普段遣いしているため、それほど問題視していなかったが、なかなか使い物にならず困っていたのは事実。
そこに来て 10.15.3 のアップデートの通知。「二度あることは三度ある」とも言うし「三度目の正直」とも言うし…。
結論から言えば「二度あることは三度ある」だった。
クリーンインストールもダメ、とにかく起動しない。
macOS が起動しない時の方法を試してみたが、とにかく起動しない。
PRAM のリセット
「Option + command + P + R」⇒2度の起動音を確認したら離す
⇒起動しない
▶Appleサポートhttps://support.apple.com/ja-jp/HT204063
SMC(システム管理コントローラ)のリセット
「shift + control + option」+電源⇒ボタン全部を同時に離す⇒電源を入れる
⇒起動しない
▶Appleサポートhttps://support.apple.com/ja-jp/HT201295
セーフモードで起動
起動音が聞こえたら「Shift」⇒Appleのロゴが表示されたら離す
⇒起動しない
▶Appleサポートhttps://support.apple.com/ja-jp/HT201262
リカバリーモードで起動
「command + R」キーを押したまま再起動⇒Appleのロゴが表示されたら離す
⇒いくらリカバリーしても最終的に起動しない。
▶Appleのサポートhttps://support.apple.com/ja-jp/HT201314
Apple Hardware Test
電源を入れ「D」のキーをグレイの画面が表示されるまで押しっぱなし⇒
There may be an issue with a memory module.
Reference Code: PPM002
Additional reference codes: PPM003, PPM004
メモリモジュールに問題がある可能性があります。
参照コード:PPM002
追加の参照コード:PPM003、PPM004
For more infomation…
To determine your support and service options, contact Apple Suport.
Information on contacting Apple for support and service canbe found at
http://support.apple.com/kb/HE57
Serial number: ***
詳細については…
サポートとサービスのオプションを決定するには、Apple Suportにお問い合わせください。
サポートとサービスについてアップルに連絡する方法については、次を参照してください。
http://support.apple.com/kb/HE57
シリアルナンバー: ***
メモリに問題って、どうすりゃいいの?!
ん?
ってことは、今までのトラブルは故障のせいってことなのか?
でも Mavericks に戻すときは、全く問題ないんだけれども…。
修理となるとお金かかりそうだなぁ…。
などと、悶々とするばかりだったが、Mavericks に戻した際にちゃんと動作してくれたので、ダウングレードならもしかしてうまくいくかもしれない。
macOS Catalina から Mojave へダウングレード
最終的に選んだ方法は 10.15 から 10.14 へダウングレードすること。
そもそも起動しなければどうにもならない。
メモリの問題については、調べていくうちに OS のバージョンによって変わるらしいのでとりあえずダウングレードの道を選んだ。
Mojave へのダウングレードにはいくつか手間がかかる。以下のサイトを参考に作業を進めていった。
macOS を再インストールする
▶https://support.apple.com/ja-jp/guide/mac-help/mchlp1599/10.14/mac/10.14
macOS Mojave にアップグレードする方法
▶https://support.apple.com/ja-jp/HT210190
ココでダウンロードできるのは、インターネットセットアップ用のアプリケーションだけ。
でも今回はコレでインストールでき、無事に普段の環境を取り戻すことができた。
でももしかしたら、コレでもうまくいかないこともあるかもしれない。
万が一うまくいかなかったときは。
今回のように、これでインストールできれば問題ないけれども、うまくいかなかった時のためにフルインストーラーの入手や作成方法を追記しておく。
Mojave 10.14.1 のフルインストーラー DMG は以下の URL からダウンロードできる。
▶ダウンロード https://support.apple.com/ja_JP/downloads/macos
macOS の起動可能なインストーラを作成する方法
▶https://support.apple.com/ja-jp/HT201372
参考サイト
How to Download a Full Size MacOS Mojave Installer(フルサイズのMacOS Mojaveインストーラーをダウンロードする方法)
▶http://osxdaily.com/2018/09/29/download-full-macos-mojave-installer/
How to Make a Bootable MacOS Mojave Installer Drive(起動可能なMacOS Mojaveインストーラードライブを作成する方法)
▶http://osxdaily.com/2018/09/26/make-macos-mojave-boot-usb-installer/
さて、Catalina をインストールできる日が来るのか?
昔の System-*** (漢字 Talk ***) とかも、とても不安定でしょっちゅうシャットダウンしていたり、突然起動できなくなったりしたこともあったが、なんだかそれとは違う感覚を覚える。
“Think different”
1997年のアップルコンピュータの広告キャンペーンのスローガンを思い出すが、正直なところ今はネガティブな響きとなってボクの中で繰り返されている。