Feren OS は最新のスナップショットとなるコードネーム Yttrium を、2019年12月26日にリリースした。今回は大きな変更もあったので、早速試してみた。
Feren OS とはどんな OS ?
Feren OSは、擬似ローリングリリースの性質を持つ無料のオープンソースオペレーティングシステム。ただし、この擬似ローリングリリースとは、 OS 全体が頻繁に更新されるのではなく、使用可能なアプリケーションの一部だけが更新されるもの。
また、外観の設計にはかなり力が入っており、レイアウトやテーマなどを使い慣れたオペレーティングシステムの環境に近づける事ができる。
今回の変更点は?
ベースを Linux Mint から Ubuntu へと変更され、デフォルトのデスクトップ環境も Cinnamon から KDE Plasma へと変更になった。
また、これまで開発されていた Linux Mint ベースの Feren OS は Classic として開発が続けられている。
より詳しい情報は
▶ https://medium.com/feren-os/the-all-new-feren-os-is-finally-here-5bf3003e89ee
Feren OS の概要
- ベース: Mint (Ubuntu), Debian
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: KDE Plasma
- パッケージ管理: dpkg (APT)
- カーネル:
Feren OS をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: 64-bit プロセッサ
- RAM: 1-2 GB (4 GB以上)
- DISK: 20 GB 以上 (50 GB 以上)
- モニタ: XGA 1024×768 以上の解像度
主なアプリケーション
- ブラウザ: Vivaldi
- メール: Geary
- オフィス: LibreOffice
- グラフィック: Krita
- マルチメディア: VLC mediaplayer
個人的な意見ですが、
今までの Cinnamon のものは Classic として、ベータ版でリリースされていた Next がメインで開発される様になった。
Feren OS の本気テーマ
今回の Feren OS を触ってみて、本気で Windows や macOS からの代替えを狙っていると感じた。
特筆すべきは新たに追加された機能「グローバルテーマ」。
Windows のルック・アンド・フィールに近づけたテーマや、macOS のルック・アンド・フィールに近づけたテーマなどが用意されている。が、それだけであれば他の Linux ディストリビューションでも見ることができるため、わざわざ言うことでもないが、Feren OS のそれはコレまでのものと一味違う。
特ににボク個人が驚いたのは macOS 風の「Cupertino Layaut」。メニューバーの機能については、オリジナルの macOS にかなり近づけられている。メニューバーやドックの位置でパット見の雰囲気が macOS っぽいものはたくさんあるけれども、macOS と同等に機能しているものははじめて。というのも、ご存知の通り macOS のメニューバーは、その名前が表すとおりアプリケーションを起動したときにメニューが表示される。
一方でほとんどの Linux で見られたメニューバーらしきものは、タスクバーでしかなかった。もちろんタスクバーはメニューバーではない。メニューではなく起動されているタスク(起動しているアプリケーションなど)が表示される。つまりは見た目こそメニューバーにみえるが、機能としては全く別物。タスクバーが上にあるだけだった。
macOS のメニューバーは、プロプライエタリでないと再現されないのかな?と思っていたのだけれども、今回の Feren OS が Plasma を使ってそれを実現した。Plasma デスクトップはここまでできるのか!という Plasma の底力を思い切り見せつけられた。
ただドックの使いやすさについては「Docky」などのほうが macOS に近いかもしれない。そこはちょっと残念だった。
欲張りな気もするが、デフォルトで用意されているテーマのほか「新しいグローバルテーマを取得…」で、テーマを追加することができる。
乗り換えツール
特に Windows から切り替えるための Transfer Tool が用意されている。このツールはファイルやいくつかの設定を新しい Feren OS に転送するためのもの。転送ツールは以下からデータを復元することができる。
- Windows
- Feren OS
- Linux
詳しい説明や使い方はコチラ▶https://ferenos.weebly.com/feren-os-transfer-tool.html
これらのことから Feren OS は、代替え OS としての地位を本気で狙っているように思える。
Feren OS の良かった点・悪かった点
良い
- Mint 由来の使いやすさはピカイチ。
- 日本語の設定も簡単にできる。
- Windows や macOS にそっくりなデスクトップに設定できるのはウレシイ。
悪い
- 最近のマシンであれば問題ないと思うけれど、Linux としてはけっこうな重量級。
- プチフリーズがちょこちょこある。熟成するにはもう少し時間がかかるかも…。
- 翻訳しきれていない部分がわりと多いのが残念。
Feren OS のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★★
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
Windows や macOS からの切り替えならコレがおすすめ!もともと Mint からの派生なのでデスクトップ OS としてならトップクラスの使い心地。
日本語の環境… ★★★★☆
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
インストール後の初期起動時に自動スクリプトにて設定する。ちょっと Linux の知識がないと「?」になるかも。でも基本的な設定については難易度低め。
システム要件… ★★★☆☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
快適に使うためには Linux としては高めのマシンスペックが必要とされる。まだ 32-bit 版も公開されているけれども、2020年には削除される予定。
総おすすめ度… ★★★★☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
まだ新しい Linux ディストリビューションなので、ちょこちょこ気になるところはあるけれども、個人的な普段遣いであれば乗り換えにもぴったり。一度は試してみてはいかがだろう。
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