最新技術を積極的に取り込む Fedora の最新版となる 32 が、2020年4月28日にリリースされたので試してみた。
Fedora とはどんな OS ?
米レッドハット社がが支援するコミュニティー「Fedora Project」によって開発されている RPM 系 Linux ディストリビューション。
Fedora は最新の技術を積極的ん取り込むことで知られている。また、プロジェクトの開発目的として「Rapid progress of Free and Open Source software (フリーでオープンなソースのソフトウェアの急速な進歩)」と謳っており、フリーソフトウェアを重要視した一面も持っている。
▼今回の変更点についてより詳しい情報は▼
https://docs.fedoraproject.org/en-US/fedora/f32/release-notes/
▼ Fedora 32 ベータ版の記事▼
https://pc-freedom.net/linux/fedora-32-beta-release/
Fedora の概要
- ベース: 独立
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: GNOME (デフォルト)
- パッケージ管理: dnf, yum
- パッケージ形式: rpm
- カーネル: 5.6.6
Fedora をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: 1GHz (2GHz) 以上の 64bit プロセッサ
- RAM: 1GB (4GB) 以上のシステムメモリ
- Storage: 10GB (20GB) 以上の空き領域
▼より詳しい情報は▼
https://docs.fedoraproject.org/en-US/fedora/f32/release-notes/welcome/Hardware_Overview/
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox 75.0
- オフィス: LibreOffice 6.4.2.2
- ミュージック: Ryhthmbox 3.4.4
- マルチメディア: Videos
▼Fedora についてのより詳しい情報は▼
https://docs.fedoraproject.org/en-US/fedora/f32/
Fedora への個人的な意見ですが、
Fedora と Ubuntu はよく比較される(と思う)。
ただしそのスタンスは大きく異なり、Fedora は「開発者むけ」としており、デスクトップ環境を持つエディションも「Fedora Workstation」という具合によりエンジニア向けっぽいネーミング。
対する Ubuntu は「誰にでも使いやすい OS 」として開発されている。
Fedora はもともと RHEL (Red Hat Enterprise Linux) へのフィードバックが主な目的っだったと記憶している。そういった成り立ちから、新技術の積極的な導入や開発といった面が強調されているのは当然なのかもしれない。
GNOME デスクトップ。
Ubuntu もそうだったが、Fedora の方がより GNOME を全面に押し出している感を受ける。
デスクトップ環境に使われている GNOME は GNU Network Object Model Environment (GNU ネットワークオブジェクトモデル環境) の略称。
Linux は GNU プロジェクトあってのものなので GNOME がプッシュされるのも当然なのかもしれない。
他のデスクトップ環境に比べメモリ消費が多いため、スペックが低いと非常に重たいデスクトップ環境とされる。
ただ、個人的には「機能を欲張りすぎてあれこれ注ぎ込んだ結果」と感じている。
しかしメモリ消費が多いと言っても、Windows と比較(条件が違うため正確ではないかもしれないが)すると、GNOME でもずいぶん少ないと言える。
スピンのメモリ消費。
Fedora でも様々なデスクトップ環境で構成された Fedora スピンと呼ばれるバリエーションがある。
用意されていデスクトップ環境は以下の通り。
- KDE Plasma
- LXDE
- LXQt
- Cinnamon
- MATE
- Xfce
Ubuntu や Manjaro といった主要な Linux ディストリビューションと同程度のものが用意されている。
このブログでは Ubuntu フレーバーのメモリ消費チェックと、Manjaro エディションのメモリ消費チェックを行なったので、Fedora のスピンでも同様にメモリ消費チェックを行った。
改めて同じ環境でチェックしたところ予想していなかった結果が出た。
テスト環境
- VirtualBox 6.1
- ホストマシン: HP ProDesk 600 G1 SFF 改
- CPU: Intel Core i7-4790
- RAM: DDR3-1600 32GB
- Storage: SSD 240GB*
*ただし仮想環境は USB 3.0 で接続された HDD に構築。
プロセッサは4コア、メモリは 4GB に設定してチェックを行った。
結論から言うと、いくつかのデスクトップ環境において、もっともメモリを消費しなかったのが Fedora だった。個人的なイメージではシンプルなコードにこだわった Linux ディストリビューションである Arch Linux から派生した Manjaro が軽量なのではないかと思っていたが、実際にはそうではなかった。
この結果で Fedora の見方が変わった。
もっぱら Debian 系 (MX をメインで Peppermint をサブで使ってます) と Arch 系 (Manjaroをサブで使ってます) ばかり使っていたけれども、改めて Fedora も使ってみようと思った。
Fedora の残念な点と良い点
残念な点
- 最先端すぎて、素人には難しいかもしれない。
- 短いサイクルでリリースされるため、メンテナンス期間も短い。同じバージョンを使い続けるのには向かない。
良い点
- 新技術にすぐに触れたいのであればオススメ!
- 同じデスクトップ環境でも、他のディストリビューションよりもメモリ消費が少ない。
- Ubuntu ほどではないが、リリースサイクルも概ね安定している。
Fedora のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
Workstation は GNOME デスクトップなので、Windows ユーザーは戸惑うかもしれない。複数のフレーバーがあるので、自分の環境にあったものを選べば問題ないと思われる。
日本語の環境… ★★★★★
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
インストールの際に日本語を選択していれば、インストール直後から日本語入力までできるようになっている。日本人にはありがたい。
システム要件… ★★★☆☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
デフォルトの GNOME デスクトップは Linux ディストリビューションとしては重たいけれども、環境に応じて軽量のフレーバーを選べばよいだろう。
総おすすめ度… ★★★★☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
開発者向けとされているが、普通にデスクトップ OS として普段遣いしても何ら問題はない。Red Hat 系のディストリビューションなのでサーバーエンジニアなどを目指すユーザーには特におすすめの Linux ディストリビューション。
Fedora に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
▼ダウンロードする▼
https://getfedora.org/ja/workstation/download