Enso OS の最新版となる Enso OS 0.4 が、2020年9月28日にリリースされていたので試してみた。
Enso OS とはどんな OS ?

Enso OS は、Xubuntu をベースにした Linux ディストリビューション。
デフォルトのウィンドウマネージャーとして、elementary OS からインポートされた Mutter 派生の Gala が使われ、Panther アプリケーションランチャーと Plank ドックも含まれている。
最新のリリースでは、ダークテーマとともに Pinny と呼ばれる新しいメモ取りアプリケーションを備え、ソフトウェアマネージャーにもいくつかの改善が加えられた。

今回のより詳しい変更点はコチラから
https://blog.enso-os.site/post/630312356746067968/enso-04-singing-sunflower-release
Enso OS の概要

- ベース: Ubuntu 20.04.1 LTS
- アーキテクチャ: x86_64
- デスクトップ環境: Xfce
- パッケージ管理: dpkg (apt)
- パッケージ形式: deb, snap
- カーネル: 5.4.0-48-generic
Enso OS をインストールするのに必要なスペックは?(推奨)
- CPU: Intel or AMD 64bit プロセッサ
- RAM: 512MB (2GB) 以上のシステムメモリ
- DISK: 8GB (20GB) 以上の空き領域
主なアプリケーション
- ブラウザ: Firefox
- マルチメディア: Parole メディアプレイヤー
Enso OS についてのより詳しい情報は
http://docs.enso-os.site/
Enso OS について個人的な意見ですが、
ウィンドウマネージャ

Ubuntu 系の Linux ディストリビューションは非常に多く、この Enso OS もそのひとつに数えられる。
この Enso OS のいちばんの特徴は Xfce デスクトップと Gala ウィンドウマネージャの組み合わせ。
Xfce を採用している Linux は少なくないが、ウィンドウマネージャに Gala を採用しているものは見たことがなかった。
そもそも Gala ウィンドウマネージャは elementary OS の Phanteon でしか使われていないと記憶している。
スキルのある人がビルドして使っているかもしれないが、デフォルトでは採用されているものはない。
とはいっても Gala は Mutter からの派生なので、敷いて言えば Linux Mint の Xfce エディションが近いかもしれない。
Panther ランチャー

ランチャーも elementary OS で使われていた Slinsgshot をベースにして Xfce 向けに調整されている。
以前のバージョンだとアイコンの直上に表示されていたが、今回のバージョンでは画面中央に表示される。
見た目はきれいだけれども、個人的には一般的な Xfce のレイアウトのほうが使い勝手が良いように感じるのはボクだけだろうか?
アプリケーション

プリインストールされているアプリケーションは非常に少ない。
アクセサリの類を除くと Web ブラウザとメディアプレイヤーくらいしかない。
アプリケーションセンターがあるので自分で好きな組み合わせを用意できるという面では良いかと思うが、定番のアプリケーションがプリインストールされていないのは不便に感じる人も少なくないのではないだろうか。
ここらへんは好みだろう。
ちなみにコダシマの場合は、好きなものを好きなだけインストールするほうが好き。
ちなみに、アプリケーション管理ツールの AppHive も elementary OS の AppCenter からの派生となる。
Sakura

ターミナルはスタイリッシュな Sakura 。
エレガントなのは良いが、初期設定のままだと透過率が高すぎて逆に見づらい。
しかし Sakura は、ターミナルとしては非常に高機能なので自分好みにカスタマイズできる。
個人的には透過率95%以上が使いやすいかと思う。
Enso OS とほかの Ubuntu 系との比較

Ubuntu 系はとても数が多くその指向性も多様だが、基本的にはどれも使いやすさを重要視している。
この Enso OS も使いやすさを重視ししながら、エレガントな見た目を実現している。
同じく Ubuntu 派生の elementary OS でしか使われていなかった Gala を採用しているところに、見た目に対する意識を感じる。
以前のバージョンでも感じたことだが、「elementary OS が Xfce 版になったらこんな感じかな?」というディストリビューション。
ということは、やっぱり少しは macOS を意識して開発されているのではなかろうか。
Enso OS の残念な点と良い点
残念な点
- Plank の設定ができないようですが…。
- アプリが全然入ってない。必要なのを揃えなきゃいけないね。
- まだ 0.4 なためかちょこちょこ内部エラーがでたり、プチフリーズしたりする。
良い点
- 見た目がとてもエレガントなのに軽量で高速。
- インストール直後から日本語入力までできるのはさすが Ubuntu 系。
Enso OS のおすすめ度(5段階評価)
初心者向け度… ★★★★☆
Linux 初心者でも迷わず使えるかどうか。★が多いほどデスクトップ指向。
プリインストールされているアプリは少ないが、ちゃんとアプリのインストールができるソフトウェアが用意されているので安心。操作自体も難易度は低い。
日本語の環境… ★★★★★
日本語表示および日本語入力ができるかどうか。★が多いほど設定も簡単。
インストール直後から特別な設定をしなくても日本語入力までできる。さすがは Ubuntu 系といったところ。
システム要件… ★★★★☆
古いマシンでも快適に使うことができるかどうか。★が多いほど古いマシンでも使える。
32bit 版がないのは残念。年々ハードウェア要件は高くなりつつあるが、それでもデスクトップ環境が Xfce ということで、必要となるマシンスペックはかなり低め。10年前くらいの PC であれば問題なく動作する。
総おすすめ度… ★★★★☆
全体的なおすすめ度。★が多いほどアナタに使ってみて欲しい Linux。
見た目がきれいで軽量・高速、使いやすいデスクトップ指向のディストリビューションを探しているのであればぜひお試しあれ。
Enso OS に興味を持ったアナタは、下の URL を今すぐクリック!
▼ダウンロードする▼
https://sourceforge.net/projects/enso-os/files/latest/download