「 Linux = 軽量」ってホント?

Linux 初心者のアナタ、こんな経験ありませんか?

「 Linux は軽量だから」と言われ、古い PC とかにインストールして使ってみたものの「なんだかこのディストリビューション(以降、ディストロ)重たい」と思ったこと。

あれ? Linux って軽いんじゃないの?」って疑問が湧くのも当然。

でも基本的に Linux 自体が軽量なのは事実。

基本システム+ CUI 環境(コマンドを入力して使う環境)であれば、Windows 95 世代の PC でも動かすことができる

重たく感じるのは Linux 本体ではなく、直感的に使えるようにしている”デスクトップ環境( Desktop Environment 以降、DE )”が CPU や RAM に影響をおよぼしているため。

スキルが高ければ、自分の好きなディストロを選び、好きな DE をインストールするすることができる。

が、それができないうちは、はじめから軽量な DE を採用しているディストロを選ぶのが手っ取り早い。

軽量な Linux ディストリビューションを探せ!

まずは DE (Desktop Environment: デスクトップ環境)について理解を深めていこうと思うが、その前に今一度「軽量な Linux ディストリビューション」について確認しておこう。

Wikipedia 「軽量な Linux ディストリビューション」には、こう書かれていた。

Absolute Linuxのポール・シャーマンは

軽量には2つの意味がある。古いハードウェアでも動作することと、OSインターフェイスがユーザーの邪魔をしないことだ。

と述べている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/軽量Linuxディストリビューション

つまり、スペックの低い PC でも動いて、ユーザーが使いやすいことが条件ということになる。

Linux を知っているアナタであれば知っていると思うが、以前の Windows では、動作が重たく感じた時などに、高速化の小技として「視覚効果を無効にする」「パフォーマンスを優先する」というものがある。

グラフィックス関連の GPU などの性能が低かったりすると、 CPU に負担をかけ RAM を余計に消費する。

結果的に、全体的なパフォーマンスが落ち重たく感じる。

上記の小技は、これを避けるための処置となる。

軽量なディストロを選ぶ際に、この理屈が通用する。

つまり CPU 負担が少なく、RAM の消費が少ない、なおかつ使いやすいGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)を選べばよいということだ。

加えて、個人的にはより見栄えの良いものがイイ。

まとめると、軽量な Linux ディストロを選ぶときに、初めから軽量な DE をもつディストロから選べばよいということだ。

気に入ったディストロに、好きな DE を入れるのは、スキルアップしてからにしよう。

軽量な DE って?

【 Linux 初心者必見!】初心者にやさしい軽量 Linux の探し方
DE の代表格 GNOME

Linux を初めとして UNIX 系で様々な DE が存在するけれども、主要なものとして

  • KDE
  • GNOME
  • Xfce
  • LXDE (LXQt)

がある。

他にも Linux Mint を中心に普及した、Cinnamon や MATE なども最近では採用するディストロが増えている。

使いやすさや、見た目の良さを求めると Windows や macOS と同様に、いろいろなエフェクトやデザインで新技術や見た目にも磨きをかけていくのは当然といえる。

革新的になればなるほど、その傾向は強くなる。

そんな中にあっても「軽量」「高速」に磨きをかけるデスクトップ環境もある。

Wikipediaで「軽量 Linux ディストリビューション」にあげられていた DE を持つディストロ(CUI も含まれているので、あえて)の多くは、上記で紹介した中の  LXDE (LXQt) 、もしくは Xfce のいずれかが使われている。

【 Linux 初心者必見!】初心者にやさしい軽量 Linux の探し方
軽量 DE の代表格 LXDE

まず現時点の候補として LXDE や Xfce を使った Linux ということになる。

必要なマシンスペック(システム要件)を調べてみた。

軽量なディストリビューションは、Windows XP のシステム要件ほどしかない PC で動くものも少なくない。

ちなみに Windows XP(x86) のシステム要件は以下の通り。

Windows XP ( X86 )のシステム要件

  • プロセッサ:300MHz以上のIntel Pentium / Celeronファミリー・AMD K6 / Athlon / Duronファミリー(600MHz以上を推奨)
  • メモリ:128MB以上(384MB以上を推奨)
  • ストレージ:1.5GB以上
  • ディスプレイ:800×600以上

さまざまな Linux のシステム要件を調べてみると、 Windows XP のシステム要件が一つの基準のように思える。

実際に Windows XP が動いていた PC であれば、快適かどうかは別として Linux は動く。

ただし上記のような PC だと LibreOffice などのソフトを使う分にはなんとかなるが、Googleドライブや YouTube 、 Facebook といったようなメモリを大量に使う高速なインターネットサービスだとかなり厳しい。

また Debian をはじめとした主要なディストロでは、 32bit 版の開発を次々と終了しているので、現実問題としてここまで古い PC の利用は現実的ではない。

しかし、そんな PC でも動作できるのには理由がある。

あなたもご存知の通り Linux はサーバー向きの OS 。

サーバーの負担を軽減するため OS も必要最低限に軽量化されているのだ。

サーバーであれば見栄えのよいウィンドウも、気の利いたエフェクトもいらない。

なんならサーバー用であれば Windows 95 世代のPCでも動く。

でもデスクトップ PC として使う場合には違う。

インターネットサービスも含め、ある程度快適に使えるようにするためには Linux とはいえある程度のスペックが欲しくなる。

プロセッサも、 32bit or 64bit なのかも確認しておく必要がある。

64bit のプロセッサで 32bit 版は動くが、 32bit のプロセッサで 64bit 版は動かない。

また繰り返しになるが、Debian をはじめとした主要なディストロでは、 32bit 版の開発を次々と終了しているので、注意が必要になる。

軽量 Linux のシステム要件は?

いったんシステム要件について整理しておこう。

今まで述べてきた理由から、僕が考える軽量 Linux のシステム要件は以下の通り。

軽量 Linux のシステム要件

  • プロセッサ: 1GHz 以上( Intel社製、AMD社製)
  • メモリ: 1GB 以上
  • ストレージ: 10GB 以上(同梱されるソフトに注意)
  • ディスプレイ: 1024 × 768 以上

だいたい Windows XP SP1 がプリインストールされていたPCくらいのスペック。

まだ 32bit プロセッサの領域といえる。

そこで、推奨されそうな Linux のシステム要件もまとめてみた。

軽量 Linux の推奨システム要件

  • プロセッサ: 2GHz デュアルコア以上( Intel社製、AMD社製)
  • メモリ: 2GB 以上
  • ストレージ: 25GB 以上(同梱されるソフトに注意)
  • ディスプレイ: 1024 × 768 以上

このくらいのスペックになると 64bit プロセッサになってくる。

またほとんどの DE が動作するスペック。

ストレージの容量はディストリビューションに同梱されるソフトの種類や数にもよるため、多めの方がよいけれども、実際のところ 30GB を切る容量のストレージを見つけるのですらラクじゃなくなっている。

以前は容量が少なかった SSD ですら、ほとんどが 120GB 以上のものばかり。

今では容量が少ない SSD の方が高くつく。

Amazon でみてみても、30GB 程度の SSD も売られてはいるが容量に対するコストパフォーマンスが悪くて仕方ない。

30GB 程度の容量で 3,000 円くらいの価格に対し、120GB 程度の容量で 5,000 〜 6,000 円くらいの価格だったら僕は後者を選ぶ。

ちなみに 240GB くらいでも 1 万円を切る時代になった。

【Amazon.co.jp 限定】Crucial SSD 240GB BX500

Linux に限ったことではないが、上記のスペック程度の PC などで重たく感じる場合、HDD を SSD に交換するだけで体感速度は飛躍的に向上する。

軽量 Linux と合わせて SSD への交換は、PC 再生への入り口といえる。

今回のまとめ

軽量 Linux を探すには、まず軽量 DE (Desktop Environment: デスクトップ環境) を探せ!

今回は少し長くなったので、ここまで。

次回はもう少し DE について掘り下げてみたい。