前回は、軽量 Linux を探すには、まず軽量なデスクトップ環境(以降、DE)を探せ!というところまで。
世界中で開発されている数多の Linux の中から、自分にあった Linux を見つけるのは本当に苦労する。
まずはスペックの確認
そんな時に参考になるのが、インストールを予定している PC のスペック。
Linux 自体は軽量なため、ある程度のプロセッサであれば、その性能よりも RAM の容量に依存する。
まずは、僕が提案するシステム要件をおさらいしよう。
軽量 Linux のシステム要件
- プロセッサ: 1GHz 以上( Intel社製、AMD社製)
- メモリ: 1GB 以上
- ストレージ: 10GB 以上(同梱されるソフトに注意)
- ディスプレイ: 1024 × 768 以上
軽量 Linux の推奨システム要件
- プロセッサ: 2GHz デュアルコア以上( Intel社製、AMD社製)
- メモリ: 2GB 以上
- ストレージ: 25GB 以上(同梱されるソフトに注意)
- ディスプレイ: 1024 × 768 以上
特に「推奨システム要件」を満たしていれば、ほとんどの DE で問題なく動作する。
しかし、より軽快な使い心地を求めるのであれば、より軽量な DE が望ましいだろう。
そこで今回は DE についてもう少し詳しく紹介していきたい。
デスクトップ環境って?
Wikipedia によると
デスクトップ環境(デスクトップかんきょう、英語: desktop environment)またはデスクトップマネージャ (desktop manager) は、グラフィックディスプレイ等の画像を表示するシステムを持つコンピュータのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)として、デスクトップメタファ (desktop metaphor) と呼ばれるタイプのインタラクションシステムが実現された環境であり、それを提供するコンピュータ・プログラム群を指すこともある。そのような用法は、UNIXではCommon Desktop Environment(CDE)で広まった。
アイコン、ウィンドウ、ツールバー、フォルダ、背景画像、デスクトップウィジェットなどといったものから成る。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり、マウスでアイコンをぽちぽちしたりして操作できる PC 環境と、それにセットになったソフトウェアのことを総称してそう呼ぶ。(ここでは略称として DE とする)
細かく説明すると、何千文字にもなる内容なので、ざっくりとイメージできれば今はよいと思う。
以前にも【Linux初心者必見】ディスクトップ環境を比較してみた という記事で、様々な DE を紹介した。
現在主流となっている6種類の DE を、簡単に比較しているので参考にしてもらいたい。
その記事では、PC のメモリ容量を目安にした DE の選び方と、デフォルトで採用しているディストリビューション(以降、ディストロ)を紹介している。
ちなみに、メモリ容量での選び方の目安は以下の通り。
PCに搭載されているメモリの目安
- 512MB〜1GB: LXDE(LXQt), Xfce
- 1GB〜2GB: Cinnamon, MATE
- 2GB〜: GNOME, KDE
上記はあくまでも目安なので、環境に応じて動作が変わってくる。
例えば、Cinnamon などはグラフィックボードが弱いと CPU に負担をかけ、RAM も通常ようり余計に消費するので、RAM ばかりでなくそれ以外のスペックにも目を配る必要があるのは覚えておこう。
そういえば「初心者にやさしい」とは?
これまでは PC のスペック重視で話を進めてきたけれども、今度は「初心者にやさしい」という視点から、Linux の探し方をみてみよう。
僕が考える「初心者にやさしい」とは、インストールや設定が簡単で日本語に対応しているもの。
設定については GUI で操作が完結するものが望ましい。
言語については Linux のシステム言語のほとんどは「英語」。
英語が得意な人であれば「日本語対応」は除外してもよいだろうが、日本人の大半は英語が苦手だと思うので、日本語に対応している Linux を探していきたい。
設定が簡単な Linux
ありがたいことに DE の進化のおかげで、多くの設定が GUI でも行えるようになった。
またデバイスなどの設定の多くは自動的に行われるので、あれこれ手を掛ける部分が少なくなっている。
その中で Linux 初心者のいちばんの壁になるであろ設定は「日本語化」だろう。
先にも少しふれた通り Linux のシステム言語のほとんどが英語のため、日本語環境で使う場合に設定が必要になる。
以前よりも、日本語をはじめとする東アジア圏の言語に対応する Linux は増えてきているが、インストール直後にはそれぞれの言語のインプットメソッドをインストールしたり、設定したりする必要がある。
しかし、最近の Ubuntu (一部派生を含む)や Fedora 、openSUSE といった古くからある有名な Linux は、日本語でインストールができ、またインストール直後から日本語入力までできるようになっている。
また、数は少ないけれども日本で開発されている Linux も存在する。
まずはここら辺の Linux から選ぶのが手っ取り早いだろう。
インストール直後から日本語入力までできる Linux (抜粋)
上記のように、Ubuntu の派生が中心になったけれども、多くの DE に対応しているので、迷ったら Ubuntu の派生から使い始めてみるのもよいだろう。
僕の Youtube チャンネルでは、日本語化できる(または日本語化されている)Linux を紹介しているので、そちらも参考にしてもらえるとうれしい。
また、以前にも Linux の選び方をまとめた記事を書いていたので、そちらも参考にすると自分にあった Linux を見つけることができるだろう。
今回のまとめ
最近の Linux は、インストール直後から日本語入力まででき、設定も GUI で完結するものがあるので、初心者にはありがたい。
もちろんコマンドを覚えれば、使い道は広がるけれども、コマンドなどを覚えていなくても安心して使える。
Windows や macOS の代替えとしても十分に使える OS となった Linux をぜひ使ってもらいたい。