コンピュータを使っていると、自分のマシンがどれくらいのパフォーマンスを持っているか気になることありますよね。
特に CPU のパフォーマンスは処理速度に大きな影響を与えるので、より気になる部分になります。
ということで今回は Geekbench をメインに、パソコンのパフォーマンスについての雑談動画です。
テックキャンプ無料カウンセリングはコチラからCPU のパフォーマンス?
Windows や macOS のCPU負荷テスト・グラフィックカードのパフォーマンス測定であれば Cinebench がとても有名ですね。
ブログや Youtube などで見かけるパフォーマンス測定ソフトはほぼ Cinebench だと思います。
測定したパフォーマンスを数値とグラフで表すので、客観的かつ直感的に知ることができます。
とても良いソフトウェアなのですが Cinebench だと Linux に対応していないので、Cinebench ではLinux をインストールしたマシンのパフォーマンスを測定することができません。
そうは言っても、実は Linux にはパフォーマンス測定のためのパッケージがたくさんあります。
Linux を熟知したユーザーであればすでにご存知かと思います。
ですが、いずれも結果の表示はテキストベースで、テキストなれしていないノンエンジニアには正直なところ見づらいです。
もうちょっと何とかならないかな?と思っていたときに知ったのが Geekbench です。
カナダの Primate Labs Inc. が開発する Geekbench はクロスプラットフォームのパフォーマンス測定アプリです。
シェアウェアですが、トライアウトモードであれば機能制限はありますが無料で使うことができます。
Geekbench はクロスプラットフォームなので Windows や macOS はもちろん、Linux や iOS, Android のデバイスまで測定することができます。
いちばん最初はスマートフォンのパフォーマンスを計測するために使い始めたのですが、後から PC でも使えることを知りました。
ARM も Intel も AMD も、全部ひっくるめてスコアを出すことができるので、とても便利です。
コダシマみたいな輩にはありがたいツールです。
でも現状では Raspberry Pi のパフォーマンス測定はできませんでした。
OS とプロセッサの組み合わせのせいなんでしょうかね?
PC-FREEDOM でチェックした結果はコチラ
Geekbenchを使ってみよう。
Geekbench をダウンロードして使ってみましょう。
パソコン版の場合はサイトからダウンロードします。
Windows と macOS について、ダウンロードとインストールについては問題ないかと思うので、今回は割愛します。
で、 Linux 版なのですが、Linux 版は Ubuntu 16.04 LTS との文字が確認できますが、実行型のパッケージなのでさまざまなディストリビューションで実行することができます。
実際に Fedora や openSUSE でも実行してみたので、おそらく問題はないかと思います。
ただし測定できるのは 64bit プロセッサだけで、32bit プロセッサのスコアを出せないのはちょっと残念です。
ダウンロードしたファイルを展開すると、ひとつのバイナリファイルと2つの実行ファイルが確認できます。
- geekbench.plar
- Geekbench5
- Geekbench_x86_64
実行ファイルの違いについて、コダシマはぶっちゃけわかっていません。
どちらを実行しても、スコアは概ねいっしょでした。
気持ち x86_64 の方が良かったかな?
モバイル端末の場合はそれぞれのアプリのストアで Geekbench を検索するとすぐに見つけることが出来ます。
ダウンロードしたら、早速使ってみましょう。
Windows 版 Geekbench 。
Geekbench は基本的にシェアソフトなので、最初にライセンスの入力が求められます。
「Later」をクリックすると、機能制限型のトライアウトモードで使うことが出来ます。
CPU ベンチマークの測定と、コンピュータベンチマーク (GPU などのハードウェアのベンチマーク) をそれぞれを測定できます。
測定が終わると自動的にブラウザーが起動し Geekbench のブラウザーで確認することが出来ます。
Linux 版 Geekbench 。
Linux 版は Windows のような体裁はありません。
ダウンロードしたファイルを端末で実行させるとベンチマーク測定が出来ます。
測定が終わった後に表示される URL をクリックすると Geekbench のブラウザーで確認することが出来ます。
Windows と Linux では結果が変わる?
で、先日ツイートした中で OS とプロセッサのスコアについてつぶやいたものがあります。
同じマシンでも、Windows と Linux では測定結果が変わるのです。
といっても、同じ OS でも計測するたびに微妙にスコアは異なります。
ですがそれと比べちょっと誤差というには大きな違いかと思いました。
4台のマシン(めんどくさくなっちゃった…)で Windows と Linux の時のパフォーマンスを測定してみたところ、Linux の方が最低でも5%以上上回る結果となりました。
サンプルがわずか4台だけではありますが、ちょっとした発見です。
ただし、これはあくまでも参考値です。
というのも、Geekbench での測定中に何かしらのソフトウェアを起動していたりするとスコアが変わるので、絶対的なスコアとは言い切れません。(Cinebench でもそうでしょうが…)
Geekbench の体裁が Windows とLinux では違うということも、少なからず結果に影響はしていると思いますが、プログラムの動作によってパフォーマンスが変わるということを考えると、初期状態の Windows では何もしていなくても影でたくさんのプログラムが実行されていることがわかります。
Windows の場合は、どんな人にでも使いやすいよう設計されている OS のため、より多くの目に見えないプログラムが動作しています。
これらが Windows でのパフォーマンスのスコアを下げる原因になったと思います。
スコアの結果は、どちらが優れた OS ということを示すものではないと思います。
自動的に起動するプログラムを抑えて CPU のパフォーマンスに余裕を持たせている Linux か、より簡単に使えるよう様々なプログラムを動作させている Windows かの違いがスコアの違いだと思います。
Windows の場合、起動させた時からたくさんのプロセスが同時に実行されていますが、それをぱっと見で実感することはありません。
タスクマネージャーを開いて初めてすることが出来ます。
何事もなかったかのように、複雑なことを簡単にこなしているように見えます。
エンジニアの方の努力の賜物ですね。
逆に言うと Windows でも、起動時に起動するプログラムを調整すると、Linux 並のパフォーマンスを発揮できるとも言えるかもしれません。
Microsoft: Windows のパフォーマンスを高めるための最適化
OS の起動の速さも軽量な OS の条件に含まれるかと思いますが、必要なシステム要件は Windows も Linux も実際にはそれほど違いがないため、システムの調整さえすれば Windows でもじゅうぶん軽量な OS と言えるかもしれません。
ただし、アプリケーションが必要とするシステムは別として…。
(実際にはこちらが問題ですね)
軽量な OS についての明確な定義はないものの Wikipedia では Absolute Linuxのポール・シャーマンという人が…
「軽量には2つの意味がある。古いハードウェアでも動作することと、OSインタフェースがユーザーの邪魔をしないことだ。」
としています。
Wikipedia: 軽量Linuxディストリビューション
- 古いハードウェア=スペックが低い
- OS インターフェースがユーザーの邪魔をしない=ストレスなくスムーズに動作するインターフェース
とも言いかえることができると思うので、コダシマは「スペックが低いハードウェアでも動作し、OS のインターフェースがストレスなくスムーズに動作する」ものが軽量 OS と言えると考えます。
ですが、先程も触れたとおり、Windows では OS よりもアプリケーションのほうが必要とするシステム要件が高くなっています。
一方の Linux では、 Windows のアプリ並みに贅沢なハードウェア要件を必要とするものが少なく、OS のシステム要件内で動作するものがほとんどです。
またそれらのアプリケーションの多くがオープンソースなため、Windows でも使えたりします。
わかりやすいところで言えば GIMP や LibreOffice なんかがそうですね。
Windows でも、これらのアプリケーションを利用することで古いマシンでもそこそこ使えてしまいます。
Linux 好きのコダシマとしては
「Linux のほうが CPU の負荷が少なくて、Windows よりも優れた OS なんだぜ!」
とか言いたい気もしましたが、開発の予算から環境などなどさまざまな面で異なる OS を一概に比較することはできません。
Windows にしろ Linux にしろ、どちらにもメリットとデメリットがあるため、どちらが良いとか悪いではなく、どちらが好きという好みの問題なのではないでしょうか?
好きなものを好きなように使えばいいというのが結論ですね。
それよりも気になった新旧対決。
それよりも、モバイル向け初代 Nehalem 世代の Core i7 640M のパフォーマンスと、最新の Gemini Lake 世代 Celeron N4100 のパフォーマンスが同等というか、シングルスコアで言えば Core i7 640M のほうが上ですが、マルチスコアで言えば Celeron N4100 のほうが上というのが驚きました。
CPU クロック周波数を比較すれば
- Core i7 640M (2core, 4thread) … 2.8GHz (最大: 3.46GHz)
- Celeron N4100 (4core, 4thread)… 1.1GHz (バースト周波数: 2.4GHz)
CPU クロック周波数は
- Core i7 640M … 500MHz (最大: 766MHz)
- Celeron N4100 … 200MHz (最大: 700MHz)
メモリ帯域
- Core i7 640M … 17.1GB/s (DDR3-1066×2)
- Celeron N4100 … 38.4GB/s (LPDDR4-2400×2 / DDR4-2400)
TDP (熱設計電力) も比較すると
- Core i7 640M … 35W
- Celeron N4100 … 6W
Wikipedia: 熱設計電力
これって、同じ OS と同じアプリケーションを使ってみると、違いが体感できるくらいの差が出ます…
実際にそれぞれのマシンに Ubuntu をインストールして使ってみました。
過去のフラグシップ VS 最新のローエンドでは、システムとハードウェアが最適化された最新のローエンドのほうが快適に使えます。
バッテリーは新しいし、長時間持つ。
しかもファンレスで静かなうえ、画面も広く(FHD)てサクサク動く。
何も知らされずに使っていたら、間違いなくこっちを選ぶね。
Core i7 という名前で大切にしていたので、正直ショックです。
ですが買い替えタイミングの参考になればと思います。
Wikipedia: Intel Core i7 #モバイル向けラインナップ Nehalem 世代
Wikipedia: Intel Celeron (2010年) #Gemini Lake
さらに、iPhone や iPad Pro, Android のスマホや中華タブレットなどの結果もみると、古いモバイル向け Core i7 やデスクトップ向け Core i5 よりも高スコアを出してたりします。
まとめ。
今回は雑談として Geekbench で測定した Windows 環境と Linux 環境のスコアの違いや、古いフラグシッププロセッサと最新のローエンドプロセッサの比較も少し話して見ました。
やっぱりテクノロジーはどんどん改良されてゆくため、新しいもののほうが良い結果を出します。
数値は客観的に比較できるので、冷静に判断することができます。
時として認識を改めさせられますね。
個人的には古いものを大切に使いたい派ですが、場合によっては新しいローエンドのほうが良かったりすることを今回知りました。
使うマシンを選ぶ参考になれば幸いです。
Amazon で買ってしまった中華PC&タブレット
TECLAST F7 Plus
Intel Celeron N4100, 8GB RAM, 256GB SSD, 1920*1080 16:9 IPS Display
TECLAST T30 タブレット10.1インチ
Helio P70 8Core CPU, 4GB RAM, 64 GB eMMC, 1920*1200 IPS Display, Android 9.0
Jumper X3
Celeron N3350, 6GB RAM, 64GB eMMC, 1920*1080 16:9 IPS Display
BMAX X13
Celeron N4000, 4GB RAM, 64GB eMMC, 1920*1080 16:9 IPS Display