今回のPC-FREEDOMは、コマンド操作でUbuntuのバージョンアップをやってみたいと思います。
ついに Ubuntu 21.04がリリースとなりました。
今回は先日 Twitter でもつぶやいたとおり、クリーンインストールではなく今まで使っていたubuntuを、次のバージョンにアップグレードしてみます。
Ubuntu のアップグレード。
結論:時間さえあれば簡単です。
作業の速さだけを求めるなら、必要なデータをバックアップしてクリーンインストールした方が速いかもしれません。
作業自体は簡単ですが、作業の途中で再起動が2回も必要です。
そもそもアップグレードパッケージのダウンロードとインストールに時間がかかります。
その上、インストール後にはシステムのチェックとかもあるので、まっさらな状態でインストールするのと訳がちがい余計に時間がかかってしまいます。
その前に、アップデートとアップグレードの違いが「ん?」となったので簡単に説明しておきます。
アップデート
ソフトウェアの不具合を修正などの更新を行い最新の状態にすること。
アップグレード
バージョンアップとも呼ばれ、今までよりも高性能なものに切り替えること。
Ubuntu の場合、特に理由がなければ LTS (Long Term Support) の使用が推奨されていますからね。
LTS と LTS の間のバージョンは、新しもの好きの人が使うものでしょうね。
ただし、全くアップグレードしないわけにも行きません。
アップグレードする理由にはアップデートと同様に
- セキュリティの欠陥の修正
- 不具合の修正
も含まれますが、それ以外にも
- 新しい機能の導入
- パフォーマンスの向上
- 新しいデバイスのサポート
というものがあります。
通常、サーバーなどで安定運用している環境では、セキュリティや不具合の修正は必要でもデバイスのサポートなどは後回しでも問題ありません。
逆に言うと、セキュリティや不具合のサポートが受けられるのであればアップデートで充分です。
ここらへんが LTS を使うメリットとなります。
なら、「なんで Ubuntu って LTS の他にもアップグレードするの?」と思う人もいることでしょう。
実際に、特に理由がなければ LTS のまま使い続けることが推奨されています。
正確にはわかりませんが、次のように考えます。
先ほども触れたとおりアップデートとアップグレードは意味が異なります。
そして、システムを新しくしなければ実装できない機能なども日々開発されています。
それらが改善になるのか、それとも改悪とされるのか、調整や動作確認など含め次の LTS に実装する機能の品定めの意味が含まれていると思われます。
やっぱり、新しもの好きのためのリリースと言っても過言ではないでしょう。
ということで、来るべきアップグレードの時のために、知識としてアップグレードの方法を覚えていた方が良いかと思います。
アップグレードの手順。
アップグレードの手順は以下の通り。
- $ sudo apt update && sudo apt full-upgrade
- $ update-manager
- 再起動
- $ sudo do-release-upgrade
- 再起動
- できあがり。
ちなみに、update-manager と do-release-upgrade に「-d」オプションを付けるとベータ版のアップグレードもできます。
それでは、ひとつずつ解説していきましょう。
パッケージのアップデート。
最近リリースされている Ubuntu は、アップグレードのための基本設定がされているので、いくつかのコマンドを実行するだけでアップグレードできます。
でが、一応設定は確認しておきましょう。
まず、現状の Ubuntu を最新の状態にします。
$ sudo apt update && sudo apt full-upgrade
ちなみに upgrade と full-upgrade の違いについて「はて?何が違うの?」と思ったことがあったので、ちょっとだけお話しておきます。
apt upgrade
upgrade は、update によって取得した最新の情報の中に、インストール済みのパッケージの最新版があればそれをインストールします。
また、最新のパッケージをインストールするために、依存関係にあるパッケージのインストールも必要な場合は、合わせてインストールします。
ですが、パッケージのアップグレードのためにインストール済みのパッケージの削除が必要な場合、つまり差し替えが必須となる場合には、そのパッケージのアップグレードは行いません。
つまり、インストール済みパッケージを下手にすべてアップグレードせず、安全にアップグレードするためのコマンドです。
普段はコチラがメインでしょう。
apt full-upgrade
full-upgrade は upgrade と基本的には同じくアップグレードの機能を実行しますが、upgrae との違いはシステム全体をアップグレードするために必要とされる場合には、現状でインストール済みのパッケージを削除することができます。
つまりは、インストール済みパッケージをとにかくより積極的にアップグレードするためのコマンドです。
今回のようにアップグレードなどの場合に使われるコマンドです。
とにかく、アップデートがあったらパッケージのアップグレードを済ませておいてください。
update-manager の実行。
ということで、すべてが更新された状態になったら。
$ update-manager
を実行します。
処理が終わると再起動が促されます。
do-release-upgradeの 実行。
再起動が終わったら、いよいよリリースのアップグレードです。
$ sudo do-release-upgrade
ここからがとても長くなります。
また途中で、以下のような確認が表示されます。
んで、了解すると以下のようにさらに確認があります。
こんな感じで、完全に放置というわけにもいかないのが辛いところです。
繰り返しになりますが、update-manager コマンドと do-release-upgrade コマンドに「-d」オプションを付けると、ベータ版(つまりデベロッパーバージョン)も含まれます。
アップデートの確認。
処理が終わって再起動をすれば、新しいバージョンに変わっています。
確認のために Neofetch をインストールして、その内容も確認してみました。
ということで、無事にアップグレードすることが出来ました。
お疲れさまでした。
まとめ。
ということで、今回は Ubuntu のアップグレードについて紹介しました。
アップグレードの手順は以下の通り。
- $ sudo apt update && sudo apt full-upgrade
- $ update-manager
- 再起動
- $ sudo do-release-upgrade
- 再起動
- できあがり。
作業自体に特別難しいことはありません。
ただ、時間との戦いが待っているだけです。
マシンスペックによっても処理にかかる時間は変わると思われますが、それでも長時間かかるのには間違いないと思います。
コダシマ的には、必要なデータをバックアップして新しいバージョンをクリーンインストールし、改めて環境を構築するほうが性に合ってます。
ココは意見が分かれるところでしょう。
とにかく、知識として Ubuntu のバージョンアップグレードの方法を覚えていると
きっといつか役に立つ日が来ると思います。