Raspberry Pi 4B (with RasPad 3) を最新の Android 端末にすべく、LineageOS の最新ビルドをダウンロードして使ってみました。
はじめに。
先日、コチラのツイートで紹介した内容。
開発者の提供しているビルドを使わせて頂いて Raspberry Pi 4B (正確には RasPad 3 です) を最新の Android 端末にしてみました。
今回紹介する情報は、非公式のものです。
開発チームのサポートなどは一切ありません。また、今回紹介した内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねます。
実際に試される場合には、全て自己責任で行ってください。
オープンソースデベロッパーとして活躍されている Konsta さんは、さまざまなデバイスに向けた LineageOS のビルドを提供されています。
今回はその中から Raspberry Pi 4B を Android 端末にすべく、そのビルドをダウンロードして使ってみました。
最新 Android のダウンロードとインストール。
まずは最新の Android 12、すなわち LineageOS 19.0 のビルドを試してみました。
ダウンロードは、コチラの Web ページにあるリンクから
Android File Host のページに進みます。
ここでファイルをダウンロードします。
ちなみに、Web ページには FAQ なども記載されているので、なにか困ったことがあったら確認してみるとだいたいのことはクリアできると思います。
イメージデータがダウンロードできたら Raspberry Pi Imager を使って MicroSD カードに書き込みます。
出来上がったら早速試してみます。
ちゃんと起動しますし、ちゃんと動きます。
ですが Konsta さんの対応が早すぎるためなのか、OpenGApps の対応が遅いのかわかりませんが、以前もそうでしたが OpenGApps のほうの対応が追いついていません。(2021年11月20日現在)
なので、残念ながら Android アプリの追加は現状ではできません。
そこでひとつ前の LineageOS 18 を使ってみることにします。
実は Konsta さん、Raspberry Pi 4B 向けの LineageOS 19.0 のビルドをリリースする数日前に 18.1 64-bit 版をリリースしていました。
Android 11 であれば OpenGApps を使うことができます。
しかも 64-bit とか!神のような開発者ですね!
LineageOS 18.1 のダウンロードとインストール。
改めて LineageOS 18.1 をダウンロードし Micro SD に書込ます。
ダウンロードはコチラから LineageOS 18.1 (Android 11)
OpenGApps のインストール。
スマホなどカスタム ROM で Android アプリを追加する場合、オープンソースであれば F-droid を使います。
ですが、Google Play などの Google 製のアプリケーションをインストールするには、どうしても OpenGApps のインストールが必要です。
先程もお伝えしたとおり現状(2021年11月現在)、まだ Android 12 に対応する OpenGApps がないため、ひとつ前のバージョンである Android 11 すなわち LineageOS で言うところの 18.x が最新となります。
まずは、ブラウザで OpenGApps のサイトにアクセスし、ARM64 Android 11 用をダウンロードします。
ちなみに、インストール時間を短縮するためにサイズの最も小さい Pico を選択しました。
ボタンをタップすると SorceForge のページに進みます。
ストレージへのアクセス許可が求められるので、「許可」してダウンロードを進めます。
んで、その間に準備をしておきましょう。
カスタムリカバリー TWRP の起動。
OpenGApps をダウンロードしているうちに、カスタムリカバリーの準備をしておきます。
TWRP (= Team Win Recovery Project) は Android デバイス向けのフリーでオープンソースなカスタムリカバリーです。
OpenGApps をインストールするには TWRP でインストールする必要があります。
TWRP は通常のスマートフォンやタブレットの場合、fastboot などのツールを使ってインストールする必要がありますが、なんと Konsta さんのビルドには TWRP がすでにインストールされています。
なので、リカバリーモードで起動させれば良いだけです!
っと、簡単に言いましたが、電源ボタンのない Raspberry Pi をどうやって再起動するものなのか?
ターミナルを使っている人もいましたが、楽ちんなのはキーボードを使って再起動する方法だと思ったのでそちらの方法を紹介します。
実はこの方法も Konsta さんの Web ページに記載されていたものなので、その通りにやってみました。
- 開発者オプションを有効化する。
【設定】⇒【タブレットについて】⇒【ビルド番号】を7回タップ。 - ルートアクセスを有効化する。
【設定】⇒【システム】⇒【開発者向けオプション】⇒【USB デバッグ】ON、【ルート状態でのデバッグ】ON - 高度な再起動オプションを有効化する。
【設定】⇒【システム】⇒【ジェスチャー】⇒【電源ボタン メニュー】⇒【高度な再起動】ONにする
※OpenGApps のダウンロードが終わってから次に進みましょう。
ダウンロードが終わっていなければ、ダウンロード終了まで待ちましょう。
TWRP を起動させる。
【F5】キーを長押しし電源メニューを表示させる。
再起動をタップすると表示される【リカバリ】をタップする。 - OpenGApps をインストールする。
【Install】⇒【ダウンロード】⇒【open_gapps-arm64-11.0-pico-xxxxxxxx.zip】を選択し【Wipe】を実行。 - 再起動して Google Play が表示されていれば作業完了!
パーティションのリサイズ。
んで、めでたく Google Play がインストールできたのでアプリをいくつかインストールしてみましたが、そのときに始めて気が付きました。
32GB の Micro SD を使っいたはずですが、ストレージが 7GB ほどしかありません。※8GBくらいのときもあります。
これ、Raspberry Pi Imager で書き込むと DD モードで転送されるため、システムが必要な容量以外は「未割り当て領域」になるため。
Gparted などのツールでリサイズすることもできますが、今回はサイズ変更できるファイルが用意されているのでそちらを使ってやってみます。
ファイルのダウンロードはコチラから
ファイルがダウンロードできたら TWRP でインストールします。
先程の手順で TWRP を起動しインストールしましょう。
これで無事にストレージ容量を増やすことができました。
今回のまとめ。
今回は Raspberry Pi 4B (with RasPad 3) を Android 端末にしてやりました。※もしくは Pi 400 でも可
実際にはオープンソースデベロッパーの Konsta さんが公開していた LineageOS のビルドを利用するだけでしたが、OpenGApps もインストールでき、ちゃんと Android 端末として機能します。
ですが Raspberry Pi で起動させている Android だと、アプリの中にはデバイスが対応していないためインストール出来ないものもいくつかあるようです。
それでも多くのアプリが使えるのでサブ機としては使えるのではないでしょうかね?
他にもいくつか Raspberry Pi 向けの Android 派生の OS があるので、興味のある方は探してみてはいかがでしょう。
今回の Raspberry Pi 4B は 4GB RAM モデルだったのですが、PCMark でこのマシンのスコアを計測してみたところ…
以前に紹介した Teclast T40 Plus のPCMark スコアは 8248 でしたが…。
また Geekbench 5 でベンチマークスコアを計測してみたところ、スコアは Celeron N3150 くらいでした。
スコアが高いと見るか低いと見るかはアナタ次第です。
それよりも、スマホのカスタム ROM よりもリスクは低いかと思います。
興味のある方は、ぜひお試しあれ!