Parrot Linux は、イタリアで開発されているディストリビューション(以降、ディストロ)で、侵入テスト・デジタルフォレンジック・プライバシー保護のために設計されている。

この Parrot は 2019年1月21日、最新版の 4.5 をリリースした。

Parrot とは?

サイバー攻撃と戦うDebian系Parrot 4.5がリリースされたので、

Parrot は (Parrot Security, Parrot OS という名前の時もあった) Debian ベースのセキュリティ指向で、侵入テストをはじめ、コンピュータや HDD、USB メモリなどに残された電子的記録を解析して、その事象に関わる証拠を抽出・収集・解析するコンピュータ(またはデジタル)フォレンジック、プログラムの解析などを行うリバースエンジニアリング、匿名性と暗号化のために設計されたユーティリティの数々を収録しているディストリビューション(以降、ディストロ)。

Parrot 4.3 がリリースされたので、

Parrot は以下の 3 つの環境が用意されている。

Security(セキュリティ)

ペンテスト、プライバシー、デジタルフォレンジック、リバースエンジニアリング、およびソフトウェア開発のための完全な一体型環境。

このシステムには、ペンテスターの仕事の多くのカテゴリーをカバーするためのセキュリティー指向のツールがすべて揃っている。

Home/Workstation(ホーム/ワークステーション)

日常使用とプライバシー保護のための Parrot のルックアンドフィールを活かした非常に軽量なシステム。

日常業務のための基本プログラムもすべて含まれ、個人との会話、最高の暗号化規格を使用したドキュメントの暗号化、または完全に匿名で安全な方法でネットサーフィンをするためのプログラムも含まれている。

このシステムは、必要なツールだけで非常にカスタマイズされたペンテストプラットフォームを構築するための出発点としても使用できる。

また、手間をかけずに Debian のすべての最新かつ最も強力な技術を利用してプロフェッショナルワークステーションを構築する事もできる。

Other Builds(その他のビルド)

組込みARMボード用のビルドや、その他の特殊プラットフォーム用のカスタムビルド。

特別なデバイス用のカスタム設定を使った実験的な構築物、あるいはコミュニティによって提案され公式の構築プラットフォーム上で構築された実験的な派生物も見つけることができる。

 

今回の変更点は?

いちばんの目玉は、 32-bit 版の削除。

Webサイトには「もう 2019 年なんだし、 32-bit マシンなんて使ってないよね」的なコメントが掲載されていた。

まぁ、そうだよね。

その他には、Linux カーネルは 4.19 にアップデートされ、プリインストールされているソフトウェアの多くもアップデートされた。

 

Parrot の概要

  • ベース: Debian
  • アーキテクチャ: x86_64
  • デスクトップ環境: MATE, KDE
  • パッケージ管理: APT, dpkg

主なアプリケーション (Home/Workstation)

  • ブラウザ: Firefox, Tor Browser
  • メール: Thuderbird
  • オフィス: LibreOffice
  • グラフィック: GIMP
  • ミュージック: Sound
  • マルチメディア: mpv Media Player, VLC media player

Security エディションでは、上記のアプリに加えペンテストやコンピュータ・フォレンジック、リバースエンジニアリングなどに使うたくさんのアプリが用意されている。

Parrot をインストールするのに推奨されるスペックは?

公式サイトを見回したけれども、それらしい表記がなかった。

Linux カーネルが 4.19 、デスクトップ環境が MATE 、多数のユーティリティという内容を見ると憶測ではあるが、快適に使うのであれば以下のスペックが望ましいだろう。

  • CPU: 2 GHz デュアルコア以上のプロセッサ
  • RAM: 2 GB 以上
  • DISK: 20 GB 以上

Security をインストールする場合には、ストレージの空き領域にもう少し余裕があると安心。

Website → https://www.parrotsec.org/index.php

 

個人的な意見ですが、

デジタルフォレンジックの現場では、いまだ 32-bit 版が必要な気もする。

そんな時は、古いバージョンを使えってことか?

どのディストロもそうだし、僕自身もすでに 32-bit マシンは全て手放してしまったので、今回の i368 アーキテクチャの削除は仕方ないコトだと理解はできる。

すべての Linux の32-bit 版が姿を消す日も、そう遠い日のことではなさそうだ。

Parrot は日本語にも対応しているけれども、入力環境やプリインストールされているアプリのインターフェイスなどなど、インストール後にいろいろと整備しなければいけない。

Debian + MATE のディストロなので、使い始めには準備などで時間はかかるものの、使いにくいものではない。

ホーム版でもセキュリティは重視されており、プライバシー保護に強力な効果を発揮する Tor ブラウザが用意されている。

サイバー攻撃と戦うDebian系Parrot 4.5がリリースされたので、

艶やかな壁紙と macOS に似せて調整されたテーマは、セキュリティ関連の仕事をしていないユーザーにも魅力的に映る。

さすがオシャレだね、イタリア。

少しイタリアのディストロを調べてみたところ、多くがセキュリティ関連の何かしらのツールが含まれている。

イタリアというと「マフィア」のイメージもあるけれども、それと何かしらの関連を感じてしまうのは僕だけか?

 

あなたも、日常的に使うことも十分にできる Parrot を試してみてはいかがだろう。

Website → https://www.parrotsec.org/index.php