Scribus (スクリバス)は、オープンソースのDTP(デスクトップパブリッシング)ソフトウェア。
DTP 界隈で有名な Adobe InDesign や QuarkXPress のように高度なページレイアウト機能を持っている。
タダで使えるクロスプラットフォームのDTPソフト。
Scribus の概要
柔軟なレイアウト構成や植字、プロ品質のイメージセッティング装置のためのファイル調整などなど、PDFのプレゼンテーションや組み版の作製を目的として設計されている。
新聞をはじめとしてパンフレットや会報、ポスター、冊子作りなど DTP 全般を網羅できるほど高機能。
読み込める画像形式も幅広く、CMYK や ICC プロファイルによるカラーマネジメント機能も組み込まれている。
印刷においても抜かりなく、レベル3の PostScript ドライバによって行われ、TrueType や Type 1 、OpenTypeといったフォント埋め込みもサポート。
PDF への対応についても透過や暗号化、入力可能なフォーム、注釈やブックマークまでもエクスポートできる。
しかし残念なことに、PDF のインポートと編集はできない。
またファイル形式もネイティブでは XML という HTML みたいなマークアップ言語が使われている。
若干の制限はあるもののOpenDocumentのテキスト形式ファイルやリッチテキスト、Microsoft Wore 形式や HTML 形式のファイルをインポートできる。
反面、市販の QuarkXPressやMicrosoft Publisher、InDesign といった DTP ソフトのネイティブフォーマットの読み書きができない。
ここら辺は大人の事情によるところが大きいらしい。
個人的な意見です。
個人でページレイアウトソフトを使う人は少ないだろうが、 DTP といったら外すことができない。
ただ概要の項目を見ていただいてわかるように、非常に専門的な用語が立ち並ぶ。
初心者にはハードルが高い代物だろう。
ページレイアウトソフトに苦手意識をもつ人は業界にもいる。
実際に私が DTP 関連の仕事をしているときに、300ページを超える冊子の仕事をページレイアウトソフトを使わずにドローソフトだけで仕上げたツワモノがいた。
つまり InDesign の領域である仕事を、 Illustorator だけで完結させたのだ。
DTP についてある程度の知識がある人なら、どれだけのことか想像がつくだろう。
例えていったら「ドラクエのラスボスをこん棒で倒す」ような感じかな?
データを受け取った印刷所ではたいそう苦労していたそうな。
それはさておき、個人で使う分にはいいだろうが会社で使う場合にはいろいろと制約が多そうだ。
デザインから印刷まで一手に担っているようなところであれば何とかなるだろうが、アウトソーシングに依存しているようなところは注意が必要だ。
お互いにファイルフォーマットとか、運用的な取り決めをしておかないと不具合や問題が多そうに思う。
個人的には、フリーソフトウェアの中でもできがいい方だと思うが、他のソフト以上に普及しなさそうな気配がプンプンする。
ファイルフォーマットの都合で、代替えとしては使いにくいからね。
ただ教育機関や公共機関などでは是非とも使っていただきたい。
とくに教育機関においては DTP の仕組みを知る上で、これ以上ない教材になる。
また公共機関では経費を最小限に押さえつつ、高品質な印刷物を作ることができるのだから使わない手はない。
オフィススイートで間に合わせている場合ではないぞ!
詳しくは→ https://www.scribus.net/
追記:
今回は思い入れが強い分野だったためか、なかなか専門的な内容になってしまった。
GIMP や Inkscape と連動させて、オープンソースだけの DTP 環境を整えることができる。
お金はかけたくないが DTP の仕組みや運用といった勉強をしたい人にとって、よい教材になると信じている。