古くなったものの、まだ使えそうな PC + Linux という環境で「DaVinci Resolve」を使って動画編集ができないものか調べてみました。
低予算で高品質の動画編集をはじめたい方の参考になれば幸いです。
Linux の動画編集環境。
Linux でも動画編集ソフトは存在しますが、Windows や Mac で使えるものと比べると、どうしても見劣りしてしまうのが現実です。
そんな Linux 環境でも映画製作でも使用されている、プロフェッショナル向けの動画編集ソフトを使うことができます。
それが「DaVinci Resolve(ダヴィンチ・リゾルブ)」です。
当然 Windows や Mac でも使えますが、なにより Linux 環境でも使えるというのが、この DaVinci Resolve の素晴らしいところ。
Linux では商用レベルのソフトウェアをなかなか使うことができないのですが、そんな中で DaVinci Resolve の存在は大変貴重だと思います。
今回はそんな DaVinci Resolve を Linux 環境で使ってみようと思います。
今回の目的は…
今回の動画では古い PC + Linux という環境で、まずは DaVinci Resolve を起動させることが目的です。
Linux といえば古い PC の再生でインストールされる印象が強いですよね?
んで、動画編集といえばハイスペックマシンが必要なイメージがありますよね?
コダシマもそう思ってます。
なので、普段 Youtube にアップする動画はウチでイチバンのハイスペックマシンで仕上げてます。
が、ウチで活躍してくれているマシンの多くは Linux をインストールした古い PC 。
特に Haswell 世代(第4世代)以前のものが多いですかね。※Haswell マイクロアーキテクチャは、2013年6月から生産開始。
「Linux で何が出来るの?」というご質問もたくさんいただくので、その質問の回答も兼ね、古い PC 、しかも Linux 環境で高品質な動画編集ができないものかと思ったのがきっかけです。
そんな感じで、今回 DaVinci Resolve のインストールチャレンジに用意したマシンも Haswell 世代の PC です。
どこぞの事務所からくすねてきた…(ヤフオクで落札したやつです。)
NEC のビジネス向けデスクトップ PC、Mate タイプ MB (MK30R/B-H) というモデルです。
NEC MK30R/B-H (MK30RB-H)
PC-MK30RBZCH / タイプMB ※2013年10月23日発表(2014年3月製造)
最終的にはイロイロと手を加えましたが、これでけっこうイケると思います。
なので、
- これから動画編集をチャレンジしてみたいと思う人
- 低予算で動画編集環境を整えてみたい人
の参考になればと思います。
DaVinci Resolve とは?
無料動画編集ソフトの決定版「DaVinci Resolve」は、オーストラリアに本社を置く総合映像機器メーカー「ブラック・マジック・デザイン(英語:Blackmagic Design Pty Ltd)」が、開発・提供している高品質な動画編集ソフトです。
ちなみにブラック・マジック・デザインは、日本(東京、福岡)、アメリカ、イギリス、シンガポールにオフィスを持っています。
無料版 DaVinci Resolve と有料版の DaVinci Resolve Studio がありますが、無料版だけでおよそ200万人近いユーザーがいるとのこと。
なので、インターネット上には使い方やテクニックなどの情報がたくさんあります。
んでまずコダシマが気になったのは「システム要件」です。
どれくらいのマシンで動くかどうかということ。
推奨マシン環境については、Vook(ヴック)という映像関連の情報を扱ったサイトに
詳しく紹介されていました。
DaVinci Resolve 17 最新推奨マシン環境
このサイトの情報を見ていくと、次のとおりです。
RAM
システムメモリ(RAM)はそんなに必要ありません。
OSによって最低限推奨されるメモリは変わってきます。とありましたが…
- Mac → 8GB
- Windows → 16GB
- Linux → 32GB
32GB 以上のメモリが必要になるのは、Fusion ページでたくさんメモリーキャッシュ(RAMキャッシュ)を使いたい場合くらいです。
…って、なんで Linux はこんなにシステムメモリが必要なんだ?
Linux だけ Fusion ページってのに割く RAM が必要ってことなんですかね?
でも「最低限推奨」って、最低限なのか推奨なのかよく分かりませんが、何れにせよシステムメモリが足りなければソフトウェアが起動しないことはわかります。
CPU
Windows の場合には、3GHz 以上の CPU ってことで、特に世代とかありませんでした。
Linux の場合はどうなのかな?
まぁ、目安として 3GHz 以上のコア数が多い CPU ってところです。
GPU
DaVinci Resolv では、特に VRAM が必要なソフトウェアのようです。
注目するのはビデオカードの GPU オンボードメモリ(VRAM)の量。
Windows の場合には、
- HD: 4GB VRAM
- 4K: 8GB VRAM
を搭載した NVIDIA GPU があれば十分です。とのこと。
VRAM は多ければ多いほうが良いみたいです。
このサイトの情報をまとめると、注目すべきパーツは GPU>CPU>RAM とのこと。
うん。
これはコダシマにもなんとなくイメージが付きます。
あなたは大丈夫? 〜DaVinci Resolveのマシン環境をめぐるよくある勘違い12選〜
コチラの記事も参考になります。
PC の準備。
用意した NEC の Mate タイプ MB (MK30R/B-H) は、もともとは Pentium G3220 3.0GHz を搭載していたマシンです。
動作周波数はクリアしていますが、2コア2スレッドで力不足は否めません。
…とは言いながら、実はこの PC には、同世代の Xeon E3-1226 v3 を搭載しています。
動作周波数 3.30GHz で、ターボブースト時には 3.7GHz になる4コア4スレッドのプロセッサです。
映像出力も出来る Xeon で、Core i7-4770 くらいの性能です。
ずっと前にヤフオクで Core i7-4770 が手に入らず、代わりに落札してたやつです。
んで、コレに 120GB の SSD を積んでいます。
SSD は Amazon で買った、お気に入りのブランド Patriot の SSD です。
動作確認のためだけにつないでたので、ぶらぶらしてましたが今回のために、しっかりと本体に取り付けるため3.5インチ規格に変換するマウンタを用意しました。
これもお気に入りで、すでに4個目です。
Amazon のレビューではこのマウンタ、ABS 樹脂製、いわゆるプラスチック製だということで星1つだったり、厚さが合わないということで星1だったりするのがありますが…
- ABS樹脂製
- 厚さが合わない
それだけで星1って…。
それよりも、3.5インチ規格のサイズにネジ穴までぴったり。
金属製でないデメリットなんて全く気にならず、それ以上に役に立つと思います。
放熱フィンに見えたとか書かれていましたが、風通しが良くて良いじゃないですか。
んで、厚さが合わないとかスペーサーの存在を知らないのかしら?
- 2.5″ HDD 厚さ 9mm
- SSD 厚さ 7mm
2mm くらいなら爪楊枝とかでも、充分です。
それだけで使えないとか言うのは、頭が硬いというかなんというか…
個人的には、メーカーがそこまで用意する必要は全くないと思います。
んでも、インターフェイスの取り付けはメチャクチャ硬かった…。
前のはもう少し緩かった気がしますが、そう何度も付け替えるわけではないのでコダシマはそこまで気になりません。
ビデオカードの取り付け。
んで実は動画にはしてませんが、以前、コチラの記事で紹介した Linux マシンに DaVinci Resolve をインストールしたことがありましたが、その時はエラーが出て、起動させることができませんでした。
その時のマシンはコチラ。
その時は確か、「グラフィックスがなんちゃら…」ってエラーが出てたと思ったので、ビデオカードがあればなんとかなるかと思い、ずいぶん前に買った玄人志向のビデオカードが余ってたので、今回はそれを積んでみます。
玄人志向 ビデオカード GF-GT710-E1GB/LP
- 【チップ】GEFORCE GT 710
- 【メモリ】DDR3 1GB 64bit
- 【コアクロック】 Base Clock: 954Mhz
- 【メモリクロック】1,600Mhz
- 【 I/F】PCI-Express x16 2.0
- 【出力】HDMI / DVI-D / D-Sub 15pin
- 【対応】DirectX 12 / HDCP
- 【FAN】1スロット占有 ファン
- 【補助電源】 不要
今回のタイプ、いわゆるビジネス向けのデスクトップ PC はロープロファイルのビデオカードしか搭載でき無いものが多く、選べるビデオカードの性能は限られてしまいます。
しかも、今回用意したこのビデオカードはだいぶ古く、オンボードメモリは DDR3 1GB しかありません。
ちなみにシステムメモリも 4GB だけしかありません。
これではハードウェア要件が足りませんね。
それでも NVIDIA GeForce なので、オンボードの GPU よりは動いてくれる可能性が高いと思います。
とりあえず、これで一応のハードウェアの準備は整いました。
DaVinci Resolve のインストール
今回のプラットフォームは Ubuntu 20.04 LTS です。
DaVinci Resolve のサイトから無料版をダウンロードしてインストールします。
インストールの際には名前とか登録する必要があるので、それらを入力したあと、「登録&ダウンロード」のボタンをクリックすると、ダウンロードボタンが表示されます。
ダウンロードしてたファイルを展開し、展開したプログラムをダブルクリックすると、インストールが始まります。
インストールは Windows のウィザードのような感じです。
インストールが終わると、ソフトウェア一覧に DaVinci Resolve とそれに関わるソフトウェア群が追加されています。
では、早速起動させて見ましょう!
?
エラーが出て起動しません。
やっぱりダメだったのか?とも思いましたが、ひとつ忘れていました。
ビデオカードのドライバです。
Linux の場合、ほとんどのディストリビューションは何も設定しなければオープンソースのものが使われています。
Linux で NVIDIA のビデオカードを使用する場合には、別途ドライバーが必要になります。
今回は Ubuntu なので、追加のドライバーで設定変更します。
ぶっちゃけどれが良いのかわからないので、とにかく検証済みになっているやつに変更します。
すると、どうでしょう!
無事に DaVinci Resolve を起動させることができました!
とりあえず当初の目標は達成しました。
使い方もまだ良くわからないですし、素材も用意できていないので今回はここまでです。
リクエストが多ければ、DaVinci Resolve の使い方動画も作ってみようかな?とも思っています。
今回のまとめ。
ということで、今回は Linux をインストールした古い PC に、映画製作の現場でも使われる高機能な動画編集ソフト DaVinci Resolve をインストールして、起動させるところまで紹介しました。
現段階での PC のスペックは以下の通りです。
- NEC MK30R/B-H (MK30RB-H)
- CPU: Intel Xeon E3-1226 v3 (4c/4t), 3.30 (3.70) GHz
- RAM: 4 GB DDR3-1600
- Storage: 120 GB SSD
- Graphics: GeForce GT 710 1GB DDR3
正直、動画編集をするのには貧弱だと思いますが、実際に動画編集をやってみていないのでどこまで出来るのかまだわかってません。
ただ、ビデオカードの RAM が少ないので、動画編集の際のエンコードとか大変そうなのは想像できます。
それよりも、コダシマ的には商用レベルのソフトウェアが起動したということだけで
けっこう達成感はあります。
続編ができるかどうかは、あなた次第です。