今回は Amazon で見かける気になる格安中華タブレットを実機レビューします。

紹介するのは Plimpton が販売する PlimPad P50 Android タブレットです。

Plimpton とは?

【実機レビュー】大丈夫?!謎の格安中華タブレット Plimpton PlimPad P50 の正体を暴く!

んで、Plimpton という耳馴染みのないメーカーだったので、調べてみたところ Android タブレットなどに焦点を当てた中国の新しい家電ブランドとのこと。

さらに調べてみると同じく Android タブレットを販売している中国の VASTKING 社のサプライヤーのようです。

なんか中国って、こんな感じのブランドが多い気がするのは僕だけでしょうか?

んで、PlimPad P50 は、最近の中華タブレットでよく見かける 10 インチクラスの Android タブレットです。

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FHD と表記がありますが、正しくは WUXGA (Wide Ultra-XGA) 1920×1200 ドット、アスペクト比 8:5 (16:10)

Full-HD よりもちょっとだけ正方形に近い比率です。

おそらくメーカーも Full-HD の方がイメージしやすい、わかりやすいと思ってこのような表記をしているかと思うのですが、以前に指摘がありましたので修正しておきました。

とはいえ、あの Amazon ですら Wide Ultra-XGA をフル HD ディスプレイと紹介していますからね。

マーケティングの手法のひとつと見たほうが良いでしょう。

発売から少し時間が経ったので、Web 上ではたくさんのブロガーの方がレビューしており、だいぶ情報も増えていますが、コダシマ目線でチェックして行きたいと思います。

PlimPad P50 の外観。

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まずは開封していきましょう。

箱の裏に簡単なスペックが表示されています。

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梱包はしっかりしています。

しっかりしすぎて、開けにくいですね。

初回起動時の注意について書かれているトレーシングペーパーみたいなのが入ってます。

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電源を入れるには長押しとか、そんな内容です。

本体と、その下にアクセサリーが入っています。

おぉ、コダックのSDカードか。

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あんまり見ることないですね。

それと説明書とかです。

こっちの箱にはアダプターとUSBケーブルが入っていました。

5V / 2A が出力できるアダプターです。

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それでは本体。

しっかり保護フィルムが貼られています。

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本体は一見するとアルミ製っぽいですが、金属っぽい色をした樹脂製です。

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ビジネスでの利用も考慮されて設計されたタブレットなため、専用キーボード接続用のポゴピンが底面にあります。

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スピーカーも左右にありますね。

正面向かって左側には、電源ボタンと音量調整ボタン、USB 端子です。

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USB Type-C ですが USB 2.0 規格です。

上部には SD カードスロットと 3.5mm のオーディオジャック。

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他にはありませんね。

背面には 13.0MP の SONY センサーを搭載したカメラがあります。

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んで、技適マークはプリントされていますが、技適番号がありません。

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番号がない時点で無効ですが、一応調べてみました。

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技術基準適合証明等を受けた機器の検索

が、PlimPad のものらしき番号は見つけることが出来ませんでした。

箱や説明書にも記載がないため、技適が取得されていない端末のようです。

すでに技適取得済みの無線モジュールを組み込む場合には、特例措置による技適取得の省略が出来るようですが、その形跡も見つけられませんでした。

VASTKING のサプライヤーということで VASTKING の名前でも検索してみました。

すると、VASTKING だといくつか工事設計認証が出てきますが、これでいいんですかね?

ぜんぜん法律に詳しくないので、わかりませんが、そのまま使って大丈夫なものなのか不安しかありません。

メーカーさん、間違いのないようにきちんと対応したほうが良いと思いますがいかがでしょう?

PlimPad P50 のスペック。

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とりあえずスペックをチェックしていきましょう。

Plimpton PlimPad P50

CPUUNISOC Tiger T610 Octa-Core 12nm
2xA75 2.0GHz + 6xA55 2.0GHz
GPUARM Mali G52 MP2
OSAndroid 11
RAM4GB LPDDR4X
Storage64GB eMMC
Display10.1 inch 1920 x 1200 IPS FHD (Full-HD) 8:5 (16:10)
CameraFront: 5.0MP / Rear: 13.0MP Sony センサー
Battery6,000mAh
Wi-Fi802.11 a / b / g / n / ac(2.4&5G)
Bluetooth5
Size24 × 16 × 0.79 cm
Weight520g

プロセッサは UNISOC Tiger T610

メーカーの公称値では最大 2.0GHz の Cortex-A75×2 コアと Cortex-A55×6 コアのオクタコアですが、実際には 1.82GHz が上限でした。

GPU は ARM Mali G52 MP2 なので、API は Vulkan 1.0、OpenGL ES 3.2、OpenCL Fll Profile 2.0 をサポート。

3D ゲームとかで必要になるスペックはカバーできています。

https://developer.arm.com/Processors/Mali-G52

RAM は 4GB LPDDR4X と少し少なめ。

ストレージは 64GB eMMC

OS は Android 11 と、最近だと、まぁ妥当でしょう。

5.0MP のフロントカメラと 13.0MP の SONY センサーを搭載したリアカメラが特徴的です。

が、具体的な仕様が見つけられなかったためちょっと怪しいです。

バッテリーは 6000mAh と同等のクラスとしてはまぁまぁですね。

重さを実測すると、メーカー公称値よりも軽かったです。

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PlimPad P50 の動作確認。

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カタログスペックよりも実際の使用感が重要だと思うので、サクッと初期設定をして、ベンチマークを計測してみました。

定番の AnTuTu (v9.2.2) でチェックしました。

AnTuTu での結果は 161,049 と UNISOC T610 であれば、コレくらいでしょう。

PCMark では 7579

T618 であれば 8000以上行くところですが、やはり T610 ですね。

Geekbench5 ではシングルで 350 、マルチ 1291

T618 でシングルが 390 くらい、マルチ1400 くらいなので、コレくらいなのでしょう。

ちなみに Widevine はやっぱりというべきか L3 です。

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PlimPad P50 の正体。

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「まぁまぁ使えそうじゃない」と思ったのもつかの間、ベンチマークを計測しているときに気になる点がいくつかありました…。

まず、AnTuTu でチェックした際に、デバイスが Plimpton X100 と認識されます。

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インターネットで調べてみましたが、Plimpton X100 というデバイスが見当たりません。

X100 というところで、富士フィルムのデジカメが引っかかりますが、違うと思います。

またディスプレイのサイズが 5.46 インチ。

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10.1 インチじゃありません。

チェックアプリによっては DPI でしか表示されないものも多いのですが、DPI って理論的な画素密度になるため、同じピクセル数でも OS が仮定しているディスプレイの画素密度によって変わります。

とくに Android の場合には ldpi, mdpi, hdpi, xhdpi, xxhdpi, xxxhdpi と実に様々。

https://developer.android.com/training/multiscreen/screensizes?hl=ja

物理スペックを見たほうが良いかと思いそちらで確認しました。

画素密度の計算は画素密度 (PPI) =√(横^2+縦^2)÷インチ数でできます。

ということで計算すると、√(1980^2+1200^2)÷10.1≒231ppi

AnTuTu の解像度 415ppi の半分くらい?

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ディスプレイサイズが 5.46 で、ピクセル数に変わりがなければ 415 ppi になりそうな感じですね。

でも計算してみたら、√(1980^2+1200^2)÷5.46≒427ppi

微妙に違ってました。

んー、偽装って言うには脇が甘い感じがします。

それと、バッテリー容量。

メーカーの公称値 6,000mAh ですが、チェックしてみると 3,600mAh と60%の容量しかありません。

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これは良くないなぁ…。

別のアプリでリフレッシュレートとタッチサンプリングレートをチェックしました。

リフレッシュレートは 58Hz で、まぁまぁでしょう。

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タッチサンプリングレートは 35~50Hz くらい。

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ときどきまぐれで 90Hz とか出てました。

ここはちょっと厳しいかな。

メジャーな端末情報アプリだと偽装されていることがあるようなので、マイナーなものも含め、最終的に15種類の端末情報のチェックアプリを使って正体を暴いてみました。

調べてわかった PlimPad P50 のスペック

CPUUNISOC Tiger T610 Octa-Core 12nm
2xA75 1.82GHz + 6xA55 1.82GHz
GPUARM Mali G52 MP2
OSAndroid 11
RAM4GB LPDDR4X
Storage64GB eMMC
Display10.1 inch 1920 x 1200 IPS WUXGA (Wide Ultra-XGA) 8:5 (16:10)
CameraFront: 5.0MP / Rear: 13.0MP Sony センサー
Battery3,600mAh
Wi-Fi802.11 a / b / g / n / ac(2.4&5G)
Bluetooth5
Size24 × 16 × 0.79 cm
Weight504g

さっきも言いましたが、これだと偽装と呼ぶには脇が甘い気がします。

が、日本のユーザーはチェックが厳しい人が多いので、コレだと弾かれちゃいますね。

PlimPad P50 でゲームしてみた。

いろいろ気になるところはありますが、とりあえずゲームしてみました。

原神

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まずは重たいゲームの代表格「原神」をプレイしてみました。

UNISOC T618 でもそうでしたが、T610 でも低画質であればそこそこ動いてくれます。

画質にこだわらなければ、ゲーム自体は楽しめます。

Call of Duty

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Call of Duty も低画質であれば思いのほかサクサク動いてくれます。

PUBG

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PUBG も当然「低画質であれば」です。

いずれもそこそこ動いてはくれますが、タッチサンプリングレートが低いため操作はなかなか大変です。

GeForce Now 

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最近、覚えたての GeForce Now で APEX をプレイしてみました。

どのデバイスでも、操作するときに若干のタイムラグを感じますが、PlimPad ではそのラグが少し目立つ感じです。

これもちょっと厳しいかな。

こうして見てみると、プロセッサのスペックといい、専用キーボードを用意しているあたりといい、ゲームとかよりはビジネス向けアプリを前提に設計されているように思います

リモートワークとかで、ノート PC やタブレットの需要が高まっているので、そこに向けた製品ということでしょうね。

ゲームはパズルゲームとか、あんまりシビアな操作を必要としないものが良いでしょう。

専用のキーボードについて。

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用意されている専用キーボードは Bluetooth 接続ではなくポゴピンで物理的に接続するため、別途電源の必要はありません。

キーボードも購入して使ってみようかとも思ったのですが評価が悪い上、お値段もそこそこします

無理して専用キーボードを用意するより Bluethooth キーボードを用意したほうが、機能的にもお財布的にも無難でしょう。

ということで、専用キーボードの実機レビューはしません。

あしからず。

ネットでの PlimPad P50 の評価。

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PlimPad P50 をインターネットで検索すると、けっこうヒットします。

動画もいくつか上がっていますね。

賛否両論です。

でも、よくわかります。

正直な感想として、手放しではおすすめできません。

高コスパ!良品質!というレビューの反面、今回のコダシマのように違和感に気付く人もいるわけです。

確かにプロセッサなどの性能面においては Fire HD よりも高く、お値段も通常時であれば PlimPad のほうが安く手に入ります。

ただし、今回の技適の件や、ディスプレイ・バッテリーなどの端末情報の差異を見ると「どうかなぁ~」というところもあります。

また、ディスプレイの画質やスピーカーの音質についても「コレくらいで十分」なのか「コレだとダメ」なのかが分かれるところ。

コントラストがキツめという人もいれば、発色が良いという人もいます。

音質も良くないという人もいれば、大きな音が出るから良いという人もいます。

なので、物好きだったり、懐に余裕があったり、気持ちに余裕があったりと、けっこう道楽的な感じで使うぶんには良いのかもしれません。

Plimpton PlimPad P50 のまとめ。

【実機レビュー】大丈夫?!謎の格安中華タブレット Plimpton PlimPad P50 の正体を暴く!

今回は気になっていた格安中華タブレット Plimpton PlimPad P50 の実機レビューをしてみました。

コダシマのように緩い性格であれば画質も音質も十分許容範囲ですが、残念ながら手放しでおすすめできるタブレットではありませんでした。

そこそこの性能とお手頃なお値段は魅力的に見えますが、同クラスの競合が多いため、新規参入メーカーはユーザーに対してよほどのメリットを打ち出すことが出来なければ、選択肢に入らないと思います。

そんな激戦区で、技適も微妙、端末情報も正確ではないとなると、目の肥えたユーザーが多い日本の市場では、なかなか勝ち目がないでしょうね。

また Plimpton のサイトは情報も少なく、製品も PlimPad P50 関連のみという状況で、ここらへんもサポート体制や将来性に不安を感じるところでもあります。

【実機レビュー】大丈夫?!謎の格安中華タブレット Plimpton PlimPad P50 の正体を暴く!

一言で言えば「悪くないが、良くもない」やつです。

メーカーに対しては、売る気があるのであれば直さなければ行けないところがイロイロありますと伝えたいですね。

参考サイト