今までも散々 Android タブレットやスマートフォンを紹介してきましたが、それはまるで沼のようなので、今回からは「 dro沼レポート」として個人的に気になった Android デバイスやご提供いただいた Android デバイスを紹介していきたいと思います。
皆さんが Android デバイスを選ぶ際の一助になれば幸いです。
そこで今回は、またまた Amazon で見かけた安価な Android タブレット Kinstone Tab 103SD の実機レビューをします。
結論から言うと、間違いなく普通に流通できる製品なのですが見本品なのかな?という感想です。
この見本品という意味が、どういう意味なのか動画の中でお伝えしていきたいと思いますので、ぜひぜひ最後までお付き合いください。
それでは行ってみましょう!
Kinstone Tab 103SD
Kinstone という、これまた耳馴染みのないブランドですが、やっぱり中国の深センにある企業で、公式サイトを見てみると OEM や ODM を得意とするブランドのようです。
タブレットだけではなくノートPCや大型のスマートディスプレイなどが並んでいます。
Shenzhen Kinstone Digital and Technology Co., LTD., は2003年に設立されました。
https://www.kinstone.net/pages/about-us-1
このノートPCとか、普通にいいですよね。
コダシマの普段遣い用なら、アリアリのアリです!
むしろ、先日からこんな感じの一台を買おうとしているところですからねぇ。
これをベースにした Linux マシンとかかっこよくないですか?
先日、アップした動画の中で OEM とかについて触れましたが、この Kinston という企業もそれっぽいです。
知らないだけあり怪しげではありましたが、所在地は Google Map で簡単に確認することができました。
ま、とにかく肝心の Tab 103SD を見ていきましょう。
103SD のスペック
まずはスペックのチェック。
Amazon ではゲーミングタブレットと謳っていますが、ちょっと盛ってるかな?
機種名 | Tab 103SD |
OS | Android 12 |
プロセッサ | UNISOC T610 (A75@1.8GHz ×2, A55@1.8GHz ×6) |
ディスプレイ | 10.3インチ IPS 8:5 (16:10), WUXGA (Wide Ultra-XGA) 10点マルチタッチ |
RAM | 6GB LPDDR4X@1.6GHz |
ストレージ | 128GB |
カメラ | 背面13 MP / 正面5 MP |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
電源 | 5V/2.0A |
端子 | USB Type-C, 3.5mm Audiojack |
バッテリー | 7500mAh 3.8V |
プロセッサは、現行の UNISOC T610 を搭載しているので、ゲームが全くできないわけではありませんが、ゴリゴリのハイスペックというわけではないので、過剰な期待は禁物です。
チェックアプリによっては UNISOC T618 と表記されたりもしますが、実際には Spreadtrum T618 = 現行の UNISOC T610 です。
- Passmark: T610-Unisoc
- Versus: Unisoc-T610
- ARM: Cortex-A75
- ARM: Cortex-A55
- 4Gmer.net: ARMの次世代CPU「Cortex-A75」「Cortex-A55」は,現行CPUといったい何が違うのか
UNISOC T610 は、1.8GHz で動作し高速処理を行う Cortex-A75 ×2コアと、1.8GHz で動作する消費電力を抑えた Cortex-A55 ×6コアのオクタコアプロセッサです。
どちらかと言うと消費電力を抑えつつ、ある程度の性能とバッテリーの持ちが良いプロセッサと言えます。
また、少し古い世代のプロセッサになるため、価格も抑えられています。
画面は10.3インチ IPS 液晶、アスペクト比8:5 (16:10) の WUXGA (Wide Ultra-XGA) で、視野角は 178度あります。
RAM は 6GB 、ストレージは 128GB ですが eMMC なのか UFS なのかはわかりませんが、価格と数値から見て eMMC ではないかと思われます。
microSD 256GB 対応なので、タブレットでこれだけあれば普段遣いには十分でしょう。
カメラは、背面13 MP 、正面5 MP と解像度的にはそこまで悪くない気がします。
が、経験上タブレットのカメラはおまけ程度に考えていたほうが、ガッカリしなくて済みます。
Wi-Fi は 2.4G/5G のデュアルバンド (IEEE 802.11 a/b/g/n/ac)、Bluetooth 5.0
接続端子は USB Type-C で電源は 5V/2A です。
イヤホン端子もまだ残っています。
バッテリーは 7500mAh と大容量。
コダシマは、普段タブレットを動画視聴や電子書籍の閲覧くらいでしか使いませんが、時々ゲームにハマることもあります。
ゲームをしだすと 5000mAh 以上の容量がないと、すぐにバッテリーが切れてしまう印象です。
場合によっては 5000mAh でも少ないかもしれません。
7500mAh という容量は、この辺のタブレットでは多い方ですね。
とりあえず、スペックとしてはこんな感じです。
まぁ今の御時世、だいたいのことは調べればすぐにわかるので、スペックもお値段に見合ったものになるかと思います。
ココらへんの価格帯にあるタブレットは、正直なところ、もうデザインの違いでしか選びようがないかもしれません。
技術基準適合証明
103SD は技適もOKなのですが、本体に番号がなく、OS のなかでも確認できません。
技適のサイトでは令和4年9月30日付でちゃんと確認できるので、あとは番号の表示ですね。
アプリの安全性
中華タブレットでは「GMS認証」という文字をよく見かけます。
GMS = Google Mobile Service の略で、Google が提供するアプリや API をまとめたものです。
GMSは、プロプライエタリー、つまり Google とのライセンスを通じてのみ利用できるサービスになっています。
Google が良いよ!って言わないと実装できないわけですね。
GMS 認証は Google のお墨付きをもらったデバイスと言い換えることができます。
Google では Google Play プロテクトを使用し、アプリやデバイスが有害な動作を引き起こさないかチェックしています。
※それを蹴って Antutu をインストールしますけれどね…。
中国の通信機器でいろいろと問題視されているのが、アプリの安全性について。
スパイウェアだ、何だと言われますが、「GMS認証」という文字は Google のお墨付きをもらったから大丈夫だよ!という、その対策と言えます。
あえて独自アプリを入れないのも、手抜きではなく対策とも考えられますね。
103SDのベンチスコア
今回も Antutu、 Geekbench、 PerformanceTest を使って、ベンチマークスコアを計測しました。
結果は次のとおりです。
- Antutu v9: 221,477
- Geekbench 5: Single 347/ Multi 1381
- PerformanceTest: 6215
UNISOC T610 搭載タブレットとしては平均的なスコアだと思います。
繰り返しになりますが、値段なりのタブレットですね。
価格に合わせた性能と言えます。
気づいたことろ
いじくり回していて、ちょっと気づいたところをお話していきたいと思います。
保護フィルム
ガラスフィルムが同梱されていましたが、本体にはすでに保護フィルムがはられていました。
コダシマはお構いなしに保護フィルムの上からガラスフィルムを貼りました。
使いにくくなるかなぁ?と思いましたが、案外普通に使えてちょっと驚きました。
ディスプレイの明るさ
ディスプレイの明るさについてもちょっと気になりました。
ココらへんの価格帯のタブレットではありがちなのですが、このタブレットもディスプレイが少々暗めです。
また明るさの自動調整もないので、画質はそれほど悪くないはずですが、あんまりキレイに見えません。
まぁ、明るすぎないぶん、目にかかる負担は軽減されている感じもしますね。
箱に書かれた文字
本体の箱には RAM 容量とストレージ容量、ネットワークにチェックボックスがついていました。
ここで、この企業の Website のことを思い出したのですが、OEM 相手を探すために、うまいこと Amazon を倉庫として使っているのかなぁ?と思いました。
百聞は一見に如かずといいますが、OEM 相手がサンプルを求めたときに「これです!」と直ちに手配しやすいように Amazon を使っているように思えてなりません。
例えば日本で OEM 相手を探すとした場合、中国から日本へサンプルを発送するとなると、早くても1週間程度かかります。
しかし、仮に Amazon に在庫があれば、ほぼ翌日に届けることができます。
でも、Amazon をただの倉庫として使うわけにもいかず、一般販売も行っているという感じではないかと思います。
これをアメリカ・カナダ・メキシコ・ドイツ・イギリス・そして日本で行っているのではないかと推測します。
考えたもんだ。
知らんけど。
Kinstone 103SD のまとめ。
今回は Kinstone 103SD を紹介しました。
可もなく不可もない UNISOC T610 搭載 Android タブレットという印象でした。
ですがコダシマ的に、Amazon で販売しているもののメインターゲットは OEM 相手となる、企業とか向けのサンプル品だったのではないか?という感じがしてなりません。
まぁ、そのせいあってか、品質自体は決して低いものではなく、以前中華タブレットに見られていた作りの甘さのような印象はありません。
素体のような感じではありますが、その辺も含め十分に個人で安心して購入できる製品かな?と思います。
Amazon でも出店者の基準について整備を続けているので、こちらも以前ほど悪質な業者は減ってきたかと思います。(イタチごっこ感はありますが…)
この Kinstone というブランドは、所在地を始めとして比較的透明感のある企業に感じました。
とにかくお手頃価格のタブレットをお探しの際に、検討してみてはいかがでしょうか?
と言ったところで以上となります。
今回は Kinstone 103SD でした!