皆さま、ご機嫌いかがですか?コダシマです。
今回は、HEADWOLF の新製品 HPad 5 のレビューをお届けいたします。このタブレットをざっくり紹介すると MTK Helio G99 プロセッサを搭載し、Android 13 で動作します。また、10.51 インチ 1920×1200 解像度のディスプレイと 8GB DDR4 RAM に加え128GB のストレージを備えており、30W の高速充電に対応する 8500mAh の大容量バッテリーで長時間の使用が可能です。さらに、20MP のメインカメラと 8MP のフロントカメラを搭載しております。
今回は、この HEADWOLF HPad 5 を深掘りしていきましょう。
HEADWOLF HPad 5
それでは、HEADWOLF HPad 5 の開封しながら、詳細を見ていきましょう。HEADWOLF は、一貫してシンプルなデザインの外箱ですね。というか、HPad 3 から 4 を飛ばしましたよね。なんででしょうね?(やっぱりゲン担ぎ?)
何れにせよ、開封すると最初に目に入るのは、タブレット本体。
ちょっと密閉しすぎで、取り出しにくかったですが、これが HEADWOLF HPad 5 です。
先に同梱品を見ておきましょう。まずは、説明書です。
LINE と Facebook にアクセスできる二次元コードが記されています。
SIM ピンと、保証や特典を案内するカードも同梱されています。
続いて、箱の中には充電器と USB ケーブルが含まれています。充電器は PD 30W に対応した急速充電器です。
USB ケーブルは Type-C to C です。
同梱品は以上です。
では、HEADWOLF HPad 5 の外観を見てみましょう。
HPad 5 は、シンプルですっきりとしたデザインです。
横位置にした際の、上部にあたる箇所には電源ボタンと音量調整ボタンが並んでいます。
このタブレットはクアッドスピーカーとのことでしたので、両サイドに2箇所ずつスピーカーが配置されています。
下部になる部分には何もありません。
これまでの HEADWOLF の HPad シリーズには、端子付きのものが多かったように思いますが、今回の HPad 5 にはありません。
そして、見逃せないのが 3.5mm オーディオジャック。まだ健在です。
なんだかんだ言っても、やっぱり 3.5mm オーディオジャックはあったほうがいいと思います。FM ラジオアプリとかでも必要ですしね、何より有線のヘッドフォンとか電源が入りませんからね。
あると間違いなく重宝します。
で、こちらの面にはスピーカーと SIM スロットがあります。
外観はこんな感じです。
HEADWOLF HPad 5 のディスプレイ性能
次に、HEADWOLF HPad 5 のディスプレイに焦点を当てましょう。このタブレットは、10.51 インチ 1920×1200 の高解像度です。画面の色の再現性も非常に高く、写真やビデオの色が非常にリアルに表示されます。
が、HPad 3 の際には 11 インチだったので、個人的には 12 インチとかに大型化していくものとばかり思っておりましたので、10.51 インチと聞いてちょっと拍子抜けしたのは事実でございます。
でもまぁ、色の鮮やかさと解像度のクリアさ、タッチ反応については、何ら問題ありません。
安価なタブレットに部類されるデバイスなので、画面の明るさの自動調節機能はありませんが、基本的にはディスプレイの明るさも十分で、屋外でもしっかり視認できます。
HEADWOLF HPad 5 のカメラ機能
次はカメラ性能にフォーカスしていきます。個人的には、そこまでタブレットのカメラ機能に期待はしていませんが、それでも最近では、タブレットのカメラ機能も高くなってきていると感じています。が、公式サイトの情報を見る限り、この HPad 5 では正直なところ、そんなに力が入っているようには感じられません。
というのも、タブレットにお任せといえば聞こえは良いのですが、標準のカメラアプリも素っ気無い感じで、設定項目も殆どありません。
ちょっとこだわった撮影をしたい場合には、物足りなさを感じてしまうと思います。とりあえず 20MP のメインカメラについて。ライトもありますが、最近では逆に珍しくなった単眼のカメラです。
撮影してみると…
次に、8MP のフロントカメラです。
ここは、最低限の品質は保っているくらいかと思います。まぁ、期待しないオマケ機能と捉えれば、高機能だと思う感じです。コスパのために、あえて!という事もあるんでしょうかね?
HEADWOLF HPad 5 のバッテリー性能
次はバッテリーと、その充電機能について見てみましょう。
このタブレットは 8500mAh の大容量バッテリーを搭載しています。実際の使用状況にもよりますが、メーカーでは音楽再生 45 時間、動画視聴 12時間、ゲーム 7 時間、オフィス用途で 14 時間使い続けることができるとしています。
今回も、念のため計算してみました。
HPad 5 の消費電力をチェックしてみるとアイドル状態で 560-750mA で動作していたので、中央値となる 655mA を消費電力として計算すると…
8500mAh ÷ 655mA = 12.977…
およそ13時間使用できるようです。
メーカー発表は、おそらく最大値だと思われますが、にしても一般的な使用であれば一日中持つほどのバッテリーではあるようです。
さらに、容量だけでなく USB PD 30W の高速充電機能により、バッテリーが切れても短い時間で充電することができ、すぐに使えるようになります。こちらも、念のため充電計算してみます。
まず、バッテリー容量を計算するために mAh ➡ Wh へ変換します。
バッテリー容量 (Ah) × 電圧 (V) = 容量 (Wh)
電圧を調べる必要があるので、チェックアプリで調べてみると、バッテリー電圧は一般的な約 3.7V でした。これらをもとに計算してみてみると…
8.5Ah × 3.7V = 31.45Wh
これで Wh への変換が出来ました。
次に、この容量をもとに、充電時間を計算していきますが、そのときに充電効率が必要になります。100% とは考えにくいので、良いところ 80% くらいだと思ったので、充電効率を 80% として計算しました。
31.45Wh ÷ (30W × 80%) = 1.310416…
すると、およそ1時間18分程度で充電が完了する見込みです。このように、HEADWOLF HPad 5は長時間の使用ができるだけでなく、短い時間で充電できるのも特徴です。
HEADWOLF HPad 5 のワイヤレス機能
次は、HEADWOLF HPad 5 のワイヤレス機能について触れてみましょう。
このタブレットにももちろん Wi-Fi と Bluetooth 機能が搭載されており、これにより高速かつ安定したインターネット接続と、他のデバイスとのスムーズなペアリングが可能です。WiFi は 2.4GHz/5GHz に対応し、Bluetooth は 5.2 対応。また、このタブレットも 4G LTE 対応なので、でっかい電話になるタブレットです。
対応バンドは次の通り。
- GSM: B2/3/5/8
- WCDMA: B1/2/5/8
- FDD: B1/3/5/7/8/18/19/20/26/28AB
- TDD: B41
注目すべきはまず、繋がりやすいとされる 4G のプラチナバンド帯 Band 8/18/19 すべてに対応。つまり、国内キャリアすべてのプラチナバンド帯に対応しています。
正直なところ、個人的にタブレットを電話機として使う機会は、このようなレビューの時くらいですが、あれば便利ですね。何れにせよ、ワイヤレス機能もしっかりしているので、インターネットへの接続や周辺機器へのペアリングもスムーズに行うことが出来ます。
パフォーマンスチェック
ではここらへんで、HEADWOLF HPad 5 のパフォーマンスを詳しく見ていきましょう。
このタブレットは、巷での評価が高い MediaTek Helio G99 (mt6789) プロセッサを搭載しております。ハイエンドなプロセッサが次々と登場しているため、このプロセッサもすでに中の下くらいのパフォーマンスとなってしまいました。しかしながら、コスト面でのパフォーマンスも優れているため、満足度は高いと思われます。
で、そのパフォーマンスですが、これまでの同社の製品と比較してみました。比較したのは、Unisoc T616 を搭載した HPad 2 Pro と、HPad 5 と同じ Helio G99 を搭載した HPad 3 です。
Unisoc T616 よりも Helio G99 の方が、高いスコアが出ますが、同じプロセッサを搭載したデバイスは、どれだけの差が出るのでしょうか?
今回も AnTuTu、Geekbench、PerformanceTEST にてパフォーマンスを計測してみました。
AnTuTu v10
やはり T616 よりも Helio G99 の方が、全体的に高いスコアが出ていますが、それでもメモリのスコアは、新しくなるに連れてスコアが落ちています。ストレージテストの結果も、古いほうがスコアが高いです。
CPU と GPU のパフォーマンスを上げたから…、という感じでメモリやストレージの性能を落として、価格を下げた?と感じてしまいます。
んー、価格設定の都合というのも考えられますが、あんまり良い印象ではないですね。
Geekbench 6
Geekbench ではいい感じに新しい方がスコアが高くなっています。と、言いたかったのですが、グラフィックス関連の差が気になります。特に Vulkan の結果は、誤差程度とも言えなくもないですが…、気になります。
PerformanceTEST
PerformanceTEST では、System、CPU、Memory については、理想的とも言える結果ですが、Disk のスコアは HPad 3 の方が良いです。これって、AnTuTu の結果にも通じるところです。
また、2D・3D Graphics の結果についても、なんだかモヤモヤします。T616 も Helio G99 も、GPU は Mali-G57 という同じものが搭載されていますが、正直この結果のバラツキは気持ち悪いですね。何が違うんでしょうか?
んー、これまでの Headwolf のタブレットは、比較的意欲的な製品だと思っていましたが、HPad 5 に関しては、物足りなさを感じてしまいます。
決して悪い製品だとは思わないのですが、HPad 3 の時ほどのインパクトは感じていないのが正直なところです。
Widevine DRM について
物足りないとは言うものの、この HPad 5 は、Netflix でも Full HD 画質で映像を楽しめる Widevine セキュリティレベル L1 対応です。いつもこのチャンネルをご覧の皆さまには、もう説明不要かとも存じますが、Widevine についてご存知ない方のために、念のために解説しておきます。
Widevine は 3 つのセキュリティレベルに分かれており、デバイスに応じて異なるレベルの保護を提供します。セキュリティレベルは L1 が最も高く、このレベルに応じて再生可能な映像コンテンツが制限されるため、セキュリティレベルが低い場合には、視聴できないコンテンツがあったります。
が、安心してください。この HPad 5 は、先程もお伝えした通り Netflix でも高品質の Full HD 画質で映像を楽しむことが出来ます。
Netflix は、プランに応じて画質の制限を行うなど、他のサービスに比べ制限が厳しいものとなっております。
事実、これまでの同社のタブレットがそうだったように、多くのデバイスで Widevine セキュリティレベル L1 を謳っているデバイスでも、Netflix では制限されることも少なくありません。ついに、一歩先に進んだというべきところです。
いいですね。
詳細データはありませんがクアッドスピーカーも良い感じです。
ゲームをプレイする際に、持ち方によってスピーカーを塞いでしまうこともありましたが、クアッドスピーカーではその心配がなくなるため、しっかりと音声まで楽しむことが出来ます。また、ステレオ感もしっかりある音声を出力するので、映像コンテンツは抜群に楽しめます。個人的にはタブレットと 50-60cm くらいの距離がいちばんちょうどよかったように思います。ガッツリ動画とゲームを楽しんでます。
HEADWOLF HPad 5 のまとめ
今回は HEADWOLF HPad 5 の実機レビューをいたしましたが、いかがでしたでしょうか?
HPad 3 で 11 インチサイズだったので、てっきり次は 12 インチとかだと思っていましたが、また 10 インチクラスに戻ってしまいましたね。
んー、HEADWOLF のタブレットに対して、コダシマは比較的高い期待をしていたので、今回の HPad 5 は、正直なところ拍子抜けしてしまいました。
HPad 5 を選ぶ理由としては Helio G99 搭載で Netflix も大丈夫な Widevine セキュリティレベル L1 対応、加えてクアッドスピーカープラス 3.5mm オーディオジャック健在というところでしょうか。決して悪いデバイスだとは思いませんが、正直コダシマ的にはインパクトに欠けるのは否めません。価格を重視した設計なのかはわかりませんが、ぶっちゃけ競合製品の中に埋もれてしまいそうに思います。
HEADWOLF ファンとしては、他社製品にないインパクトが欲しかったのですが、残念ながら、今回の HPad 5 は選ぶ理由が弱かったと思わざるを得ません。とは言え、何度も言いますが決して悪い製品ではありません。
繰り返しになりますが、Helio G99 搭載で Netfilix も大丈夫な Widevine セキュリティレベル L1 対応、加えてクアッドスピーカープラス 3.5mm オーディオジャック健在というのは、エンタメコンテンツ消費には抜群です。
実売価格 3万円以下というのは、十分にコスパの高いタブレットと言え、手頃な値段で、ガッツリ動画コンテンツを楽しみたい方の選択肢に入るのは間違いないです。
なんだかんだ言っても、コスパが高いのは強いですからね。
HEADWOLF HPad 5 のスペック
CPU | MTK Helio G99 (mt6789) |
GPU | Mali-G57 MC2 |
メモリ | 8GB DDR4X + 8GB Expandable |
ストレージ | 128GB UFS 2.2 +2TB mciroSD Expandable |
ディスプレイ | 10.51 inch FHD 1920*1200 |
オーディオ | クアッドステレオスピーカー 3.5mm オーディオジャック |
バッテリー | 8500mAh PD 30W Fast Charging |
ネットワーク | GSM: B2/3/5/8 WCDMA: B1/2/5/8 FDD: B1/3/5/7/8/18/19/20/26/28AB TDD: B41 |
WiFi | 2.4/5GHz |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
カメラ | 20MP+8MP |
衛星測位システム | GPS+BDS (北斗)+GALILEO |
OS | Android 13, Widevine L1 |