皆さま、ご機嫌いかがですか?コダシマです。
今回は、驚きの耐久性とパワフルなスペックを持つスマートフォン、Oukitel WP33 Pro をご紹介します!
これ、とにかく「デカくて重たい」のが特徴のラゲッジフォンなのですが、その理由は、なんと22000mAhの大容量バッテリーです。これだけの容量だと、もうスマホというより「モバイルバッテリー」レベルですよね。で、それだけじゃコダシマは紹介しません。
なんとこのスマホの裏面には、最大 136dB にも達する大音量を出力できるスピーカーが配置されています。しかも、カメラも 64MP SONY IMX 搭載のメインカメラと、ナイトビジョンも搭載。ダメ押しに、プロセッサは 5G 対応の MediaTek Dimensity 6100+ というパワフルなもの。
こういうのに、ついつい手を出してしまうコダシマでございます。ということで、この Oukitel WP33 Pro を深掘りしていきましょう!
OUKITEL WP33 Pro の外観
さて、まずは Oukitel WP33 Pro の外観を見てみましょう。
このストラップもなかなか気になりますが…、まずはスマートフォンの命とも言えるディスプレイから見ていきます。
ディスプレイは、6.6 インチ 1080×2408 FHD+ 解像度で、画素密度 400ppi、最大輝度 450nits と、きれいで明るいディスプレイです。
加えて、傷がつきにくく、タッチ反応にも優れた Corning 社の Gorilla Glass 5 スクリーンを 採用しており、1.1mm の厚さで落下衝撃にも強くなっています。
おまけに、保護フィルムも最初から貼られています。
で、それだけでなく、見たまんまですが、全体が非常に頑丈な構造で設計されており、IP68 と IP69K の防水・防塵認証に加え、MIL-STD-810H の軍事基準もクリアしています。
過酷な環境でも使える証明書のようなものなのですが、これらの基準についてご存知ない方のために、それぞれの基準についても見てみましょう。
IP68
IP (Ingress Protection) レーティングは、電子機器の塵や水などへの耐性を示す国際基準です。68 というこの数値は、完全な塵の侵入防止 (6) と、一定の条件下での長時間の水没 (8) に対する保護を意味します。
防水保護等級 | IPコード | 保護の内容 | 想定される固形物の例 |
0 | IP0X | 保護されていない | – |
1 | IP1X | 直径50mm以上の大きさの固形物が内部に入らない | 手 |
2 | IP2X | 直径12.5mm以上の大きさの固形物が内部に入らない | 指 |
3 | IP3X | 直径2.5mm以上の大きさの固形物が内部に入らない | 工具の先端 |
4 | IP4X | 直径1.0mm以上の大きさの固形物が内部に入らない | ワイヤー |
5 | IP5X | 有害な影響が発生するほどの粉塵が内部に入らない | 粉塵 |
6 | IP6X | 粉塵が内部に入らない | 粉塵 |
防塵保護等級 | IPコード | 保護の内容 | |
0 | IPX0 | 保護されていない | |
1 | IPX1 | 垂直に落ちてくる水滴による有害な影響がない | |
2 | IPX2 | 垂直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない | |
3 | IPX3 | 垂直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない | |
4 | IPX4 | あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない | |
5 | IPX5 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない | |
6 | IPX6 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない | |
7 | IPX7 | 一時的に一定の水圧(水深)で水没しても内部に浸水しない | |
8 | IPX8 | 継続的に水没しても内部に浸水しない |
通常、IP68 は 1.5 メートルの深さで、最大 30 分間の水没に耐えることができることを意味しています。
IP69K
IP69K は、特に高圧・高温の水流に対する保護を示す IP レーティングです。
9K という基準は、産業用途では特に重要で、80〜100バールという高圧の水噴射による洗浄に耐えることができる装置を示します。1 バールは地球の大気圧に相当します。つまり、80〜100 バールとは通常の大気圧の約 80〜100 倍の圧力ということです。例えば、タイヤの空気圧を考えると、一般的な自動車のタイヤは約 2〜3 バールの圧力で膨らませます。それを考えると、この IP69K という基準は相当な圧力に耐えられるということを示しています。
MIL-STD-810H
MIL-STD-810H は、米国国防総省が制定した軍用基準です。この基準は、軍用装備がさまざまな環境条件下でどの程度耐えうるかを評価するために用いられます。試験には、温度、湿度、振動、衝撃、塵、砂、高度など多岐にわたる環境が含まれます。民間の製品がこの基準を満たしている場合、それは一般的な使用環境をはるかに超える耐久性を持っていることを意味します。
ってことで、これらの基準を満たしているということは、早い話「めちゃめちゃ頑丈」ということです。とにかく、ちょっとやそっとで壊れることはないです。
OUKITEL WP33 Pro のバッテリー
次に特徴的な Oukitel WP33 Pro のバッテリーを見てみましょう。
このスマートフォンには、驚異の 22,000mAh の大容量バッテリーが搭載されています。もう、スマホというよりは「モバイルバッテリー」ですよね。これだけの容量があると、かなり長時間使うことが出来ます。メーカーによると「3 か月以上のスタンバイが可能」とのこと。スタンバイで 2600時間、音楽再生 80時間、ビデオ視聴 30時間、通話 120時間、ゲーム 20時間という、スマホでは見たこともない時間が並びます。
実際に、画面を点灯した状態のアイドル状態で、およそ 250-450mA 程度の電力を消費していたので、中央値として 350mA を消費電力として、これを元にざっくり計算してみると、画面をつけっぱなしでも約 63 時間、2日と半日はバッテリーが持つ計算です。これだけでもかなりですが、この大容量だけではなく 18W の高速リバースチャージ機能が備わっているので、他のデバイスを充電することもできます。ってところを見ると、余計にモバイルバッテリーですよね。
ちなみに公式サイトでは iPhone 15 を 9 回充電することができるとしています。これは、長時間使えるだけでなく、外出時に他のデバイスのバッテリーが切れても安心ですね。また、このスマホ自体の充電時間は 33W 高速充電に対応しているので、これだけの容量でもおよそ3時間で充電できるようです。
念のため計算してみると。
まず、バッテリー容量を計算するために mAh ➡ Wh へ変換します。
次に電圧を調べます。チェックアプリで調べてみると、バッテリー電圧は約 4.3V だったのでコレらをもとに計算してみました。
22Ah × 4.3V = 94.6Wh
これで Wh への変換が出来ました。この容量をもとに、充電時間を計算していきますが、そのときに充電効率が必要になります。100% とは考えにくいので、良いところ 80% くらいだと思ったので、充電効率を 80% として計算しました。
94.6Wh ÷ (33W × 80%) = 3.583…
およそ3時間40分程度の時間がかかる計算ですね。個人的には、これだけの容量でこの時間は早いと思いますが…、いかがでしょう?
ただ、サンプル品のためか、端子の接触が悪いのと、端子周りが狭いため USB ケーブルを選ぶのは改善していただきたいかなぁと思います。
8D イマーシブ・ステレオサラウンド・サウンド
次も目立った特徴である、Oukitel WP33 Pro のサウンドについて。このデバイスには、8D サラウンド効果を生成する機能を備えた、最大 136dB を出力する 5W のマルチメディアスピーカーが搭載されています。
8D イマーシブ ステレオ サラウンド という言葉に耳馴染みのなかったコダシマは、ここらへんを調べてみました。まず、気になった「イマーシブオーディオ」。Immersiveというのは、「没入感」という意味で、「イマーシブ オーディオ」とは「没入感の高いオーディオ」という意味になります。で、8D ですが、3D=三次元とは、意味がちょっと違うようで、「8つの方向から音が聞こえる」という意味で8Dと呼ばれているようです。つまりは「8方向から没入感のある音声出力ができるスピーカー」ということのようで、よりリアルで臨場感あふれる音楽や映像コンテンツを楽しむことができるようです。
間違いなく一般的なスマホよりもパワフルな出力をしてくれます。で、参考までに、コダシマは普段 Anker SoundCore mini (最初のモデル)を使ってますが、これが 5W のスピーカーです。
ちなみに SoundCore mini のバッテリー容量は 1800 mAh 。
いまの SoundCore mini 3 は 6W のスピーカーになってますが、バッテリー容量の変更はありません。いずれにせよ、出力サイズはここらへんですので、それがスマホに搭載されているイメージです。何ならバッテリー容量は、一般的なスマホ+スピーカーのそれよりもたくさん積まれています。
そりゃ、デカくも重くもなりますわ。
OUKITEL WP33 Pro のカメラ機能
次に、Oukitel WP33 Pro のカメラ機能に注目してみましょう。
背面には、4K ビデオの録画も可能な 64MP の Sony IMX メインカメラが搭載されています。この高解像度カメラにより、細部まで鮮明な写真やビデオを撮影することができます。
また、同じく Sony の 20MP ナイトビジョンカメラも搭載されているので、夜間での撮影も行うことが出来ます。
さらに 2MP のマクロレンズも搭載されているため、超近距離での撮影もできます。
そして、これらの背面カメラに加えて、前面には 32MP の高解像度のカメラが搭載されています。
基本的にコダシマは、タブレットや中華スマホのカメラ性能に対して、そこまで期待していませんでしたが、さすが 5G 対応のスマホともなると基本性能が比較的高いため、それに引っ張られるように他の機能も高くなっているように感じます。
OUKITEL WP33 Pro のパフォーマンス
お待たせいたしました、Oukitel WP33 Pro のパフォーマンスについて見ていきましょう。このデバイスは、5G 対応の MediaTek Dimensity 6100+ プロセッサを搭載しています。調べてみると、これは同社の Helio G99 によく似たプロセッサです。
巷の評価の高い Helio G99 なので、このプロセッサでも高いパフォーマンスが期待できます。また、メモリは基本 RAM 8GB に加え、16GB までの拡張メモリを使用することができるため、最大 24GB RAM として使うことができます。さらにストレージは大容量 256GB UFS が搭載されているので、たくさんの音楽や映画を保存することが出来ます。なかなかパワフルな構成ですね。
この性能を数値でチェックしてみましょう。
ベンチスコアチェック
ってことで、WP33 Pro がどれだけのスコアを弾き出すのかチェックしてみました。
PerformanceTEST v11
まず、先程の PassMark で提供している PerformanceTEST でスコアを計測してみました。
比較したのは、タブレットではありましたが Helio G99 を搭載した、スペックが近そうなデバイスがあったので、それと比較してみました。メモリの項目で差が出ていますが、どちらも甲乙つけがたい結果です。
ぶっちゃけ、同じプロセッサなんじゃないかな?と思います。
AnTuTu v10
次は AnTuTu での結果ですが、比較したデバイスとかなりよく似た結果です。実際には誤差程度の差しかありません。
ほんと、同じプロセッサじゃないですかね?
Geekbench 6
Geekbench では、若干 Helio G99 のほうが良いスコアが出ていましたが、こちらもいずれの結果においても、誤差と呼ぶ程度の違いしかありません。
これらを見ると、Helio G99 と Dimensity 6100+ は、基本的に同じ性能と言えると思います。違いと言ったら対応するセンサーとか、表面的にはわかりにくいところの違いでは無いでしょうか?
何れにせよパワフルなプロセッサなのには間違いありません。
対応バンド
それと、スマートフォンであれば特にネットワークの対応バンドも気になるところです。まず WP33 Pro は、デュアル SIM 対応となっており、Nano SIM ×2枚もしくは Nano SIM + eSIM に対応しています。
GSM | 2/3/5/8 |
CDMA | BC0/BC1/BC10 |
WCDMA | 1/2/4/5/6/8/19 |
TDD | 34/38/39/40/41 |
FDD | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28AB/66/71 |
5G | N1/2/3/5/7/8/20/25/28/38/41/66/77/78/79 |
注目すべきはまず、繋がりやすいとされる 4G のプラチナバンド帯 Band 8/18/19 に対応。つまり、国内キャリアすべてのプラチナバンド帯に対応しています。
ソフトバンク系は海外製に強いと言われるように、海外製のスマートフォンの多くは Band 8 のみに対応するものばかりで、au 系の Band 18 や、ドコモ系の Band 19 に対応するものは少なかったのですが、WP33 Pro では、ちゃんと対応しています。
一方の 5G では、4G LTE 向けの周波数を 5G に転用した NR の n28 に加えて、国際的に主要な n77/ 78/ 79 が対応しています。ちなみに 5G で使用される周波数帯には、低い周波数で帯域が狭い電波である 6GHz 未満の「Sub-6」と、高い周波数で帯域が広い 30GHz〜300GHz 帯の「ミリ波」があります。
この WP33 Pro は、主に NR 化された電波と、Sub-6 の周波数帯に対応しているため、国際的に主要な 5G 通信の周波数帯であり、日本でも使われている n77/78 はもちろん対応しています。しかし、残念ながら、28GHz 帯 (ミリ波) は非対応です。
ですが、日本国内では「ミリ波」の環境が整っていないため、対応していなくても現状では問題はないかと思われます。ミリ波は障害物の影響が受けやすい電波と言われているため、障害物の多い日本ではなかなか普及しにくいところです。日本の 5G バンドの一つである n257 はミリ波と言われますが、実際には 28GHz の電波になります。
そのため、厳密にはミリ波とは異なりますが「ほぼミリ波でしょ」ということで、便宜上ミリ波と呼ばれています。
Widevine DRM
Oukitel WP33 Pro は、大きなスピーカーのあるスマートフォンなので、エンターテイメントコンテンツを大音量で楽しんでみたくなるコダシマです。
そうなると気になるのが Widevine のセキュリティレベルです。
いつもこのチャンネルをご覧の皆さまには、もう説明不要かとも存じますが、Widevine についてご存知ない方のために、念のために解説しておきます。Widevine とは、Google が開発したデジタル著作権管理(DRM)システムで、音楽や動画などのデジタルコンテンツを保護するために使用され、著作権侵害などの不正使用を防ぐために設計されています。Widevine は 3 つのセキュリティレベルに分かれており、デバイスに応じて異なるレベルの保護を提供します。
セキュリティレベルは L1 が最も高く、このレベルに応じて再生可能な映像コンテンツが制限されるため、セキュリティレベルが低い場合には、視聴できないコンテンツがあったります。
残念ながら WP33 Pro のセキュリティレベルは L3 で、様々な制限がかかってしまいます。その一つ、Netflix は完全非対応で、アプリのダウンロードすら出来ません。ここは残念というべきところです。
まぁ、アウトドアで使う場合には映像コンテンツよりも、音楽のほうが重要なのですが…、個人的に、ここはもうひと頑張りしてもらいたいところです。
OUKITEL WP33 Pro のそのほかの機能
OUKITEL WP33 Pro には一般的なスマートフォンに搭載される機能ももちろんあります。
まず、お財布機能には欠かせない NFC 機能を搭載しています。Suica や PASMO といった交通系 IC を使っているユーザーには必須の機能ですね。もちろん Google Pay に対応しています。
そうなると、セキュリティが心配になりますね。安心してください、セキュリティも万全です。
電源ボタンには指紋センサーがあり、また顔認証機能によってセキュリティが保たれます。
さらに、その他の機能として GPS をはじめ、GLONASS、Galileo、北斗 (Beidou) といった衛星測位システムと連携し、正確な位置情報を提供してくれます。
当然、OTG も当たり前にサポートされているため、USB ポートを使って外部ストレージや他のデバイスとの接続が可能です。でもまぁ、ここらへんの機能は、無いっていうスマートフォンの方が少ないですね。
OUKITEL WP33 Pro のまとめ
さて、今回は Oukitel WP33 Pro について紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
この WP33 Pro は、大きなサイズや重たい重量は、短所と捉えられるところかもしれませんが、コダシマはコンセプト的にありじゃぁないかなぁと思います。むしろ、頑丈で大容量バッテリーが故の大きさと重さなので、まぁ長所と短所は表裏一体と言うところでしょうか。
それよりも、Widevine セキュリティレベルが L3 で、Netflix 非対応というのはもったいなさすぎます。せっかくの大出力スピーカーを、より活かすためには改善したほうが良いんじゃないかと感じました。てか、そのスピーカーが、今まで使っていた SoundCore minni と同クラスの出力というところに驚かされました。もう、外部スピーカーなしでいいですね。カメラも、なかなかの品質で撮影できるので、必ず重宝するはずです。
こうしてみてみると、最近のラゲッジフォンは、ただ頑丈なだけでは売れないのでしょう。様々なアイディアが盛り込まれたデバイスが増えていますね。今回の WP33 Pro も特徴が際立つ一台でした。
この OUKITEL WP33 Pro に興味を持たれた方は、ぜひチェックしてみてください!
OUKITEL WP33 Pro のスペック
Model | Oukitel WP33 Pro |
ディスプレイ | 6.58 インチ HD+ (2408×1080), 400ppi, 450nit |
CPU | MediaTek Dimensity 6100+ (MT6835) 2xA76@2.2GHz, 6xA55@2.0GHz |
GPU | Mali-G57 MC2 |
メモリ | 24GB (基本 12GB + 拡張 12GB)、1TB TF カード対応 |
ストレージ | 256GB UFS |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 |
センサー | 指紋センサー、顔検出、NFC、GPS |
OS | Android 13, Widevine DRM L3 |
バッテリー | 22,000mAh、18W 急速充電対応 |
ネットワーク | Wi-Fi 5 (802.11ac) |
カメラ | 背面: 64MP SONY IMX686 + 20MP ナイトビジョン + 2MP マクロ 前面: 32MP |
IP68防水、IP69K防塵、MIL-STD-810H耐衝撃 |