今回はどこかで見たことのある名前と見た目の Android タブレットを紹介します。
Android タブレット。
Android タブレットを手がけるメーカーの数が減ってきている印象は受けますが、新型コロナウィルスの流行による、ライフスタイルの変化や仕事のしかたの変化で、タブレット需要も「一定数の高まりを見せている」というデータもあります。
電子書籍や動画配信サービスといったエンタメを楽しんだり、ドキュメントの閲覧・編集といった用途で人気のある Android タブレット。
スマートフォンよりも画面が大きいため電子書籍やドキュメントの閲覧や編集といった場合、タブレットの画面サイズなら視認性も高く、動画配信サービスなどではより迫力のある映像を楽しむことができます。
そのせいあってか Android タブレットの新製品は投入され続けており、大画面を活かした魅力的なモデルが多数ラインナップされています。
その中から今回は CHUWI HiPad Air を紹介します。
今回もいつもお世話になっている Banggood さまの提供でお送りいたします。
なかなか興味深いタブレットなので、ぜひ最後までお付き合いいただけたらと思います。
CHUWI HiPad Air

まずは、スペックなどをチェックしていきます。
CPU | UNISOC T618, 12nm Octa コア、2 x A75 + 6 x A55 2.0GHz + 2.0GHz |
GPU | G52 @ 850MHz |
OS | Android 11 |
RAM | 4GB LPDDR4 |
Storage | 128GB eMMC 5.1 |
Display | 10.3 inch IPS FHD 1920 x 1200 |
Camera | Front: 5.0MP / Rear: 5.0MP 顔認証 |
Battery | 3.8V / 7,000mAh |
Wi-Fi | 802.11 a / b / g / n / ac(2.4&5G) |
Bluetooth | 5.0 |
OTG | サポート |
Sound | 内蔵2PCS8Ω1W |
Audio | AAC、AMR、MP3、OGG、WAV、ACC、M4A、FLAC |
Image | JPG、JPEG、BMP,GIF、PNG … |
Video | 3GP、AVI、MKV、MP4、M4V、WEBM、MPEG4 |
I/O port | 1×Type Cポート 1 xマイクロSDカードポート(最大サポート128GB) |
Size | 245*157.7*7.2mm |
1.5kg | |
Package | 1 x CHUWI HiPad Air タブレットPC、1×充電器(5V / 2A)、1 xアダプター(アダプターは購入者の国によって異なります) |
画面は 10.3 インチ IPS 10点マルチタッチ対応液晶ディスプレイで、解像度は Full-HD というか、正確には WUXGA (Wide Ultra-XGA) という 1920×1200 の規格。
液晶パネルの中にタッチセンサーを組み込んだインセル型。
ここらへんは定番ですね。
オペレーティング・システム。

OS は、より機能や操作性が向上した Android 11 です。
2021年10月4日に Android 12 が発表されましたが、現状ではまだタブレットに搭載されていませんので、今現在最新版は Android 11 です。
HiPad Air の Android は全くと言っていいほどカスタマイズされていない、シンプルな Android です。
個人的には何もないところに、いろいろと好きなものを追加していくのが好きなので、ココらへん好感が持てます。
というか、ほかの中華タブレットもそんな感じなのが多いので、Android のタブレット対応が進んでないのかもしれませんね。
SoC

プロセッサは 12nm (ナノメートル)プロセスで設計された Unisoc Tiger T618 で、最大クロック周波数 2.0 GHz の Cortex-A75 ×2コアと、最大クロック周波数 1.8 GHz の Cortex-A55 ×6コアで設計されたオクタコアのプロセッサです。(UNISOC は上海に本拠を置くファブレスの半導体メーカー)
GPU は Mali (マリ)G52 3EE 最大クロック数 850MHz が搭載され、グラフィックス API は「Vulkan」と「OpenGL ES 3.0」をサポートしているので、なめらかな動画再生とゲームプレイを実現しているとのこと。
RAM は 4GB LPDDR4 と、同じプロセッサを搭載するタブレットの中では少し少なめ。
ストレージは 128GB eMMC 5.1 で、コチラは同クラスと同程度かと思います。
ちなみに Micro SD は最大 128GB まで対応してます。
CHUWI HiPad Air の外観チェック。

それでは CHUWI HiPad Air の外観を見ていきましょう。
最近の中華タブレットには予め保護フィルムが貼られているものがほとんどです。

この HiPad Air にも保護フィルムが貼られていました。
わかりますかね?
んで、寸法なのですが、公称値 = 厚さ 7.2mm、外寸 247mm × 157.7mm 高精度 CNC 加工のフルメタルボディということです。
厚さを実測してみました。
フィルムが無いところはちゃんと 厚さ 7.2mm でした。

ちなみにフィルムのあるところは 7.5mm で、

カメラ部は 9.0mm でした。(正直で良いですね。)

重さについて、公式サイトには総重量が 1.5kg とありましたが、何を計測した数値なのでしょう?

そこで Banggood の商品ページを確認してみると 450g との記載。

実測してみると 471g でした。

保護フィルムを貼ったままだったからかな?
でもまぁ 20g とか、ぶっちゃけ違いが分かりません。
7,000mAh のリチウムバッテリーを搭載しているので、コレくらいの重量にはなると思います。
ちなみに頭文字 H の無いタブレットの方は、公称値 = 厚さ 6.1mm、外寸 247.6mm × 178.5mm、重さ=Wi-Fi モデル 458g、セルラーモデル 460g っと、画面サイズとバッテリーの違いが出てるかと思います。
んで、外観ですね。
画面向かって左側に電源ボタン。
特に指紋認証とかない普通の電源ボタンです。

上部には音量調整ボタンと TF カードスロット Micro SD カードスロットといったほうが良いですかね?

ちなみに、カードスロットを取り出してみると SIM カードが使えるタイプのやつのスロット部分が潰されていました。

おそらくタブレットの基盤とかは同クラスのもの共通とかではないかな?と思います。(うん。世界の工場。)
ってかセルラーモデルがあったら欲しかったかも。
んで右側、ってか縦位置で使うときはコチラが下になるのでしょうね。
スピーカーと USB Type-C ポート。

仕様表を見ると「2PCS 8Ω 1W」とあるので、スピーカーはこの2つだけ。
たしかに、反対面にはそれらしいのがありませんでした。
で、最後のコチラの面には何もありません。

が、マグネットがあるようです。
開封するときに使ったペーパーナイフがくっつきました。

別売りのワイヤレスキーボードが用意されているようなので、それで使うのかな?と勝手に思ってます。(スタイラスペンかもしれません)
ってか、オーディオジャックが見当たりませんね。
中華タブレットでも、ついに省略するモデルが出てきたようです。
本体背面はサンドブラスト加工された金属です。

相当デザインを寄せてますよね。
でも、カメラ部分のデザインは、よりスマホっぽい感じ (iPhone X ?) ですが、個人的にはコチラのほうが好みです。
以前の中華タブレットといえば、金属製の本体といっても歪んでたり、たわみがあったり、また中に空間があるようなハリボテな感じをしているものが多かったのですが、最近ではわりと中身がしっかり詰まった感じの
しっかりとしたものが増えてきているように思います。
この HiPad Air も、得体のしれない空間の存在が感じられず、一枚の鉄板のような雰囲気がありました。(これ好き。)
CHUWI HiPad Air の動作チェック。

動作確認をしていきましょう。
まず、プロセッサについてですが、 HiPad Air に搭載されている UNISOC T618 は最近の中華タブレットでよく見かけるものです。
たとえば、
- Alldocube iPlay 40, 40H, 40 Pro
- Teclast M40, M40 Pro, T40 Plus
- BMAX MaxPad i11
などなど。
ここらへん、性能的にはあまり大差が無いようにも思えるのですが、他のスペックに違いがあるので、実際にチェックしていきたいと思います。
AnTuTu Benchmark v9

まずは AnTuTu Benchmark v9 で HiPad Air のベンチマークスコアを計測。
結果は、179,743点。
何度か計測した中で最も良かったスコアです。
おおむね 18万点くらいだったのですが、今回のチェックで 18万点を超えることはありませんでした。
同じプロセッサのタブレットで RAM 容量の最も多い 8GB を搭載している Teclast T40 Plus を所有しているのでそれと比較してみると…

Teclast T40 Plus = 231,828
こちらは AnTuTu Benchmark v9 で 23万点超えのスコアを記録しています。
同じプロセッサを搭載する他のタブレットも 6GB や 8GB RAM を搭載する中で、この HiPad Air の RAM 容量は 4GB と少なめ。
これがパフォーマンスに影響したのでしょうか?
https://www.antutu.com/en/index.htm
PCMark

次に、PCMark で計測。
コチラも Teclast T40 Plus と比較してみましたが、なんとコチラは HiPad Air のほうが若干ですが高いスコアでした。

- CHUWI HiPad Air = 8,350
- Teclast T40 Plus = 8,267
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.futuremark.pcmark.android.benchmark
Geekbench 5

さらに Geekbench 5 で計測してみると、やっぱりコチラも若干ではありますが HiPad Air のほうが高いスコアでした。

- CHUWI HiPad Air = S: 387, M: 1,403
- Teclast T40 Plus = S: 383, M: 1,339
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.primatelabs.geekbench5&hl=ja&gl=US
RAM 容量が少ないためなのか、スピーカーが2基しかないためなのか、正確な理由は定かではありませんが AnTuTu でのスコアは伸び悩みましたが、他のベンチマーク計測アプリではほぼ変わりなく、むしろ良い結果が出たりしてました。
コレを見ると、HiPad Air は、けっこう性能のバランスは良いのかもしれません。
またこのベンチマークスコアを眺めていて思ったのは、RAM 容量を減らすことで価格も抑えられるため、より高いコストパフォーマンスが実現されているのかもね?と思いました。
CHUWI HiPad Air の ディスプレイ性能。

リフレッシュレートとタッチサンプリングレートも計測してみました。
リフレッシュレートは1秒間に画面が何回更新されるかを示したもので、単位はHz(ヘルツ)。
タッチサンプリングレートは1秒間に何回タッチを認識できるかを示したもので、単位はやっぱりHz(ヘルツ)です。
参考までに iPhone 13 Pro のリフレッシュレートが120Hzで、タッチサンプリングレートも120Hzです。
なのでiPhone 13 Pro は、1秒間に120回画面を更新し、1秒間に120回タッチを認識できるということになります。
これらをそれぞれのアプリでチェックしてみました。
Refresh Rate Checker といアプリでリフレッシュレートを、Touch Sampling Rate Checker というアプリでタッチサンプリングレートをチェックして見ました。
その結果、
- リフレッシュレートは58Hz
- タッチサンプリングレート117Hz
リフレッシュレートはさほど高くありませんが、タッチサンプリングレートは思いのほか高いように思いました。
ゲームとかで微妙な操作を必要とする場合にはもう少し高いレートが必要なのかもしれませんが、普段遣いで困ることはないでしょう。
ってか、Teclast T40 Plus と同じでした。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.cast4tv.refresh.rate.checker&hl=ja&gl=US
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.cast4tv.touch.sampling.rate.checker
ゲームをプレイしてみた。
プロセッサや RAM 容量、リフレッシュレートやタッチサンプリングレートがゲームのプレイにどの程度影響するのものなのか、実際に重量級の「原神」や「Call of Duty」「PUBG」をプレイしてみました。
原神

解像度は最低限です。
そこそこ動いてはくれますが、なんとかプレイできるという感じですかね。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.miHoYo.GenshinImpact&hl=ja&gl=US
Call of Duty

デフォルトのグラフィック品質は「低」と解像度はやっぱり低いですが、思いのほかしっかりプレイできます。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.activision.callofduty.shooter&hl=ja&gl=US
PUBG

解像度は HD まで上げられます。
バッテリーの消費や発熱は激しくなりますが、HD 解像度だとなかなかきれいです。
でもその分、重たさを感じる気がします。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.tencent.ig&hl=ja&gl=US
CHUWI HiPad Air のカメラ性能。

やっぱりオマケ性能だと思いますが、HiPad Air のカメラはフロント・リアともに公称値 5MP (500万画素)のものが搭載されています。
てか、カメラアプリの翻訳が中途半端なのが気になりました。
実際の写真はコチラ。

(被写体についてはスルーしてください。)
実際の映像はコチラ。
(被写体についてはスルーしてください。)
まぁ、他のタブレットのレビューの際にも言ってますが、最低限のカメラ性能という感じです。
でも、気持ち発色がきれいかな?という感じです。
ただ、フロントカメラはあると便利な 2D 顔認証機能がついています。
反応もそれほど悪くないです。
CHUWI HiPad Air のその他の機能。

映像にしにくいところの性能についても紹介しておきます。
HiPad Air は Wi-Fi モデルのみとなっており、2.4GHz 帯と 5GHz 帯のデュアルバンド Wi-Fi をサポートしています。
また、 Bluetooth 5.0 対応で、ワイヤレスデバイスと接続できます。
重さのところで少し触れましたが、7,000mAh のリチウムバッテリーを搭載し連続8時間の動画再生が可能とのこと。
USB ポートは1つしかありませんが USB 3.0 の Type-C で、デジタルカメラやプリンターなどを直接接続できる OTG = On-The-Go 対応。
データ転送やヘッドフォンなども使うことができます。
ドッキングステーションというかハブを使って拡張することができます。
これらを使えば充電しながら省略されたオーディオジャックも使えます。
OTG 機能自体は Android 6 以降の機能で、USB 3.1 をサポートしています。
USB の規格のサポートについて、2.0 なのか 3.0 なのか、はたまた 3.1 を対応させるかはメーカーの力量次第。
HiPad Air は 3.0 とのことでした。
CHUWI HiPad Air の気になるところ。

性能のバラランスがよくコストパフォーマンスの高い HiPad Air ですが、気になるところや注意すべき点があるので
そちらも紹介しておきます。
注①スピーカーの位置。
フロントカメラの位置を見ると横位置で使う感じみえますが、タブレット全体のデザインは縦位置での使用を想定しているように思います。
USB ポートの位置はやむを得ないかとも思いますが、2基しかないスピーカーが位置がここだと、ゲームなどをプレイする場合にスピーカーを塞いでしまいます。
これはちょっとキツイかな…。
注②有線接続の物理キーボード・マウスが使えない。

ハブ経由で有線接続のキーボードを使ってみようと思ったのですが、無理でした。
キーボードやマウスは Bluetooth 接続のみっぽいです。
注③技適証明番号がありません。

致命的ですね。
今回の本体には技適マークおよび証明番号がありません。
日本国内正規品では無いから?とも思ったのですが、技適のサイトで調べてみても見つけられませんでした。
これでは現状、日本で使うことができません。
※特例制度を利用しましたが…
CHUWI さん、せっかく良い製品なのに勿体ないです!
ここらへんちゃんとお願いします!
CHUWI HiPad Air のまとめ。

ということで、今回はどこかで見たことのある名前と見た目の Android タブレット、CHUWI HiPad Air の実機レビューをしてみました。
実機が届くまで、他の人のレビューを探してみましたが、日本語の実機レビューがほぼ有りませんでした。
きっと技適マークの件かな?というところです。
が、コレはホントにもったいない!
外観はスマートで、安っぽさは全く感じられません。
また実際に使ってみて、スピーカーの数や位置、オーディオジャックがなく USB ポートがひとつというところは気になるものの、4GB RAM でも「全然アリじゃね?」という使い心地でした。
むしろ、その割り切った構成で同じプロセッサのタブレットよりもだいぶ安く手に入るのはありがたいです。
参考までにお値段ですが、CHUWI の公式ストアや Banggood では実売 $169.99 、およそ19,600くらい。(2021/11/25現在)
コレって同プロセッサ搭載機よりも、割引された金額からさらに6,000~7,000円程度お手頃です。
これだけの性能と品質で 2万円を切るとか、ホントであれば人に薦めたくてしょうがないです!
でも、現状では残念ながら技適証明がないので堂々とすすめることができません。
CHUWI さん、ホントにお願いします!
もったいなさすぎ!
(いやマジで!)
早急な対応を心より切望いたします。
おまけ

著作権管理の DRM (デジタル著作権管理方法) の一つである「Widevine」のセキュリティレベルが L1です。
動画配信サービスの解像度制限を気にせずに楽しめそうです。