だいぶ暖かくなってきて、屋外に出るのも楽しくなってきましたね。
今回は、キャンプや車中泊などのアウトドアシーンや防災グッズとしてもぴったりな BLUETTI PV120S 120W ソーラーパネルのレビューです。
このソーラーパネルは、最新型の ETFE 素材を採用した、設置も簡単な折りたたみ式の高性能太陽光発電器です。
では、早速見ていきましょう!
太陽光発電機の概要
まず、製品を紹介する前に、ソーラーパネルの基礎を少し勉強しておきましょう。
ソーラーパネルで最も重視したいのが、「変換効率」です。
変換効率とは、ソーラーパネルが太陽光を電気エネルギーに変換する能力を示す指標で、その効率が高いほど、同じ面積のソーラーパネルでより多くの電力を生成することができます。
ソーラーパネルの変換効率は、パネルの種類や品質、設置場所や角度、気温や日照時間などによって異なりますが、一般的にソーラーパネルの変換効率は 10〜20% 程度であり、高いものでも 30% を超えることはありません。
ソーラーパネルの種類
ソーラーパネルには大きく分けて「結晶系」と「薄膜系」の2種類があります。
また、結晶系は、単結晶シリコンと多結晶シリコンの2種類があります。
単結晶シリコン
単結晶シリコンは、純度が高く均一な構造を持つため、変換効率が高く、約20%前後です。
ただし、高純度なシリコン結晶を作るためのコストが高く、他のタイプに比べてお値段がが高めになります。
多結晶シリコン
多結晶シリコンは、いくつかのシリコン結晶を組み合わせて構成されるため純度が高くありません。
不均一な構造を持つため変換効率が低く、約15%前後です。
しかし、多結晶シリコンは単結晶シリコンより製造コストが低く、お値段が手頃になるため市場で最も多く使われています。
薄膜シリコン
薄膜系は、アモルファスシリコンやカドミウムテルライドなどの材料を極薄に蒸着したものであり、変換効率は10%以下です。
変換効率は高くないのですが、薄膜系はシリコン層が非常に薄く、結晶系よりも柔軟で軽量なためデザイン性に優れ、曲面や影のある場所にも設置できるため、応用範囲が広く様々な場面で利用されています。
なるほど。
一言で「ソーラーパネル」と言っても、いろいろな種類があるもんですね。
これを踏まえた上で BLUETTI PV120S を見ていきましょう。
BLUETTI PV120S
今回紹介する BLUETTI PV120S は最大出力 120W の折りたたみ式ソーラーパネルです。
同梱品はソーラーパネルの他、説明書となにやら黄色い封筒。
封筒の中身はポータブル電源などを接続するためのケーブルでした。
では早速使ってみましょう。
この BLUETTI PV120S の特徴は、なんといってもその変換効率の高さです。
これを伝えたいがために、前置きが長くなりました。
高い変換効率
アウトドアで使うことを考えると、コンパクトで持ち運びしやすい携帯性や、設置するためのスペースや場所が重要になります。
そのため、より少ない面積でより多くのエネルギーを得ることができる、高い変換効率が望まれます。
また山間部や曇りがちな環境など、低光線条件下での使用を考えたときにも性能が良い太陽電池が望ましいです。
この BLUETTI PV120S は、太陽光の変換効率が最も良いとされる「単結晶セルパネル」で作られています。
単結晶セルパネルは、結晶が規則正しく並んでいるため電力ロスが少なく、優れた変換効率を発揮します。
また、アメリカ・テスラの最新型光電転換技術を導入しており、より安定した発電性能、高効率光電変換を併せ持つため、太陽光の変換効率は最大23.4%に達成します。
さらに、ポータブル電源の最大入力制限を確認する必要がありますが、複数のパネルを組み合わせて直列や並列して充電することもできます。
ただし、気象条件や設置場所によって変換効率が変わることは理解しておきましょう。
同社の EB3A 268Wh で試してみました。
接続したときの残量はおよそ92%で、充電を始めると100%まで0.2時間かかるとの表示。
※写真は大変見づらいですが…ってか、全然見えてない…。
実際に発電される実効出力を計算してみると次の通り。
実効出力(W) = 最大出力(W) × 変換効率
実効出力(W) = 120W × 0.234 = 28.08W
仮に0%からの充電だとして、最大変換効率で充電しておよそ9時間半ちょっとかかる計算です。
残り8%を充電するのにかかる時間が12分程度と言うのは、ほぼ最大値だと思われます。
充電時間(時間) = ポータブル電源の容量(Wh) ÷ ソーラーパネルの実効出力(W)
充電時間(時間) = 268Wh ÷ 28.08W ≈ 9.54時間
さすがに空っぽの状態からフル充電するまでには時間がかかりますが、BLUETTI のバッテリーは継ぎ足し充電に適しているリン酸鉄リチウムイオン電池なので、ちょこちょこ充電しながら使うのにはちょうど良さそうです。
最新型ETFE素材採用
次に、このソーラーパネルの素材についてお話しします。
このソーラーパネルは、最新型の ETFE というフッ素樹脂を表面にコーティングしています。
見た目、たしかに丈夫そうな感じです。
PV120S に採用されている ETFE 素材は、可視光透過率が高く、他のフッ素樹脂と比べて塗膜が厚く、耐熱・耐食・耐久性に優れ、工業用部品にも使われている素材です。
日光に長く当てても劣化しにくく、燃焼や爆発の危険もありません。
ETFEとは?- https://www.meikou.jp/etfe.html
また、このコーティングは防水機能も IP65 という等級で、小雨や小雪程度であれば問題なく使うことができます。
ただし、完全防水というわけではないため豪雨や浸水には耐えられないので、その点は注意してくださいね。
故障の原因になります。
まぁ、太陽光も出てないときに使おうとする人はいないと思いますが…
防水型IP67(IEC規格)とは何ですか? – http://www.nissinsan.jp/FAQ/faq-sp1.html
また、いくら防水機能があるとは言え、ソーラーパネルの寿命を延ばすために、使用時の湿気や濡れなどには注意しましょう。
こちらは故障もそうですが、後々の腐食の原因にもなりますからね。
持ち運びに便利な折りたたみ式
BLUETTI PV120S はデザインにも注目です。
このソーラーパネルは、折りたたみ式でとても簡単に展開でき、収納もコンパクトです。
ちなみに、接続ケーブルもジッパー式のポーチに収納するようになっています。
ソーラーパネルの展開時は 174.9 × 55.2 cm まで広がり、折りたたみ時は 461 x 55.2 cm になります。
コダシマは身長 183.6cm なので、両手を広げると大体それくらいになります。
広げてみるとなかなかの迫力です。
また、重さは 6.8kg とまぁまぁな重量。
持ち運べないことはないと思いますが、この手の製品に馴染みがない方だと、結構ずっしりとした重さを感じることでしょう。
一緒に使うポータブル電源にもよりますが、合わせて持ち歩くとなかなかですね。
設置は簡単で、収納型スタンドを展開するだけで簡単に設置できます。
また、スタンドはベルトを使った55°・45°・35°の3段階の角度調整ができるため、太陽に向けて最適な位置に固定できます。
季節や時間帯によって太陽の位置が変わるため、パネルの角度を調整することで転換率を向上させることができます。
一般的に、冬季はパネルを立て気味にし、夏季はパネルを寝かせ気味にすることで最適な角度を得られます。
ココらへんも、角度を合わせボタンで止めるだけのとても手軽な調整です。
汎用性の高い MC4 ケーブル
最後に、このソーラーパネルの互換性について説明します。
初心者にとってはソーラーパネルとポータブル電源の組み合わせ方が難しく感じることもあるかもしれませんが、この PV120S は、汎用性が高く取り扱いに優れている MC4 コネクタコードを使ってポータブル電源に接続します。
現在市販されている多くのポータブル電源は、この MC4 コネクタを採用していますが、特に BLUETTI 社製のポータブル電源との組み合わせがおすすめです。
先程もお伝えしましたが、BLUETTI 社製のボータブル電源は充電サイクル2500回以上のリン酸鉄リチウムイオン電池が使われているため、継ぎ足し充電に向いている製品です。
PV120S 1枚で EB3A はもちろん、EB55 や EB70S も充電できます。
念のため説明書を読みながら接続してみましたが、コネクタはその形状のため正しい組み合わせでないと取り付けできないため、接続を間違うことはありません。
実際にやってみると驚くほど簡単でした。
カチッとするまで挿し込めば、誰でも接続できます。
また、直列や並列に接続することもできるため、複数枚利用してより大容量のポータブル電源を充電することもできます。
例えば3枚あれば、同社の大容量ポータブル電源 AC200MAX を充電することもできます。
ただし、ポータブル電源の最大入力制限を確認してくださいね。
以上が、BLUETTI PV120S 120W ソーラーパネルの特徴でした。
BLUETTI PV120S のまとめ
今回は、アウトドアシーンや防災グッズに最適な BLUETTI PV120S 120W ソーラーパネルを紹介しました。
この折りたたみ式ソーラーパネルは、最新型の ETFE 素材と単結晶セルパネルを使用しており、太陽光の変換効率が最大23.4%に達する高性能な太陽光発電器です。
IP65 の防水機能も備えており、小雨や小雪程度なら問題なく使用できます。
さらに、使い方も収納型スタンドを展開するだけで簡単に設置が可能で、角度調整も3段階で行えます。
また、汎用性の高いMC4コネクタコードを使用しており、もちろん BLUETTI 製のポータブル電源との相性は抜群です。
実際に使ってみると、相当便利!!!
無限の電力を得られた気分になります!!!
普段は、かなりインドア派のコダシマですが、この PV120S と EB3A を使って、アウトドアでブログの執筆でもしようと思います。
何れにせよ、買うか買わないかはアナタ次第です!