今回は Windows 11 を Raspberry Pi 4 で動作させて見たいと思います。
今回紹介する情報は、プロジェクトサイトでは合法とされています。
ただし、Windows の販売元である Microsoft はもちろん、ハードウェアの Raspberry Pi 財団でもサポートや保証が一切ないため、もしも動画を参考に実行する場合、完全自己責任であることをご理解ください。
また何かしらの不具合が発生した場合でも、このチャンネルでは一切の責任を負いかねることもご了承ください。
すべて自己責任でお願いします。
はじめに。
以前にも何度かこのチャンネルやブログで紹介している WoR (=Windows on Raspberry) を使って話題の Windows 11 を Raspberry Pi で動作させてみます。
言ってしまえば、基本的には以前の記事とやることは代わりません。
ですが WoR がはじめましての方のために、簡単に WoR について説明しておきます。
すでに皆さんご存知かと思いますが、Windows には Intel や AMD プロセッサで動作するもののほか、ARM プロセッサで動作するデバイスの Windows も存在します。
例えば Surface シリーズとかですね。
そして、Raspberry Pi も ARM プロセッサで動作するデバイスのひとつです。
Windows ARM は本来 Serface Pro X とかのための開発なので、そもそもの用途が Raspberry Pi を前提としたものではありませんが、それを Raspberry Pi で動作できるように microSD や SSD などのストレージに書き込むプログラムが WoR (=Windows on Raspberry) です。
現在の WoR は 2.2.2 が最新版で、対応する Raspberry Pi は 2, 3, 4, 400 です。
ですが、2, 3 はおまけのような感じで 4 とで使うのがほとんどでしょう。
この WoR だけで全部できるわけでなく、Windows 11 を Raspberry Pi で動作させるためには、まず Windows 11 のイメージを用意しなければいけません。
Windows 11のイメージを取得する方法は Microsoft サーバーから直接 UUP ファイルをダウンロードし、それらから ISO を構築することです。
プロジェクトサイトでは合法とされていますが、なかなかのグレーゾーンだと思います。
ただ、コダシマの見解はやっぱり合法と考えます。
理由は Microsoft のライセンスの扱い方。
今までは OS とそのライセンスにお金を払うというビジネスモデルでしたが、Linux や macOS のように基本的に OS は無料という存在、サブスクリプションサービスの台頭によって、そのスタイルが変わったのでは無いでしょうか。
なので、OS (プログラム) そのものは無料だったり、何かしらの制限があったりするバージョンを提供し、使い続けたり制限を解除するのであれば料金を払うというサブスクリプションサービスのような感じになるのでは無いでしょうか?
そう考えると、UUP ファイルをダウンロードして ISO イメージを作成することに違法性を感じません。
まぁ、コダシマは法律家ではないので鵜呑みにしないでくださいね。
あくまでも個人的な意見です。
UUPファイルのダウンロード。
とりあえず、UUP ファイルがダウンロードできるサイトは UUPDump または uup.rg-adguard.net の2つがあります。
どちらも同じくイメージデータを作成するスクリプトをダウンロードできるのですが、UUPDump のスクリプトは、rg- adguard のスクリプトよりも信頼性が高いとして、WoR のプロジェクトサイトでは UUPDump を使用することを強く勧めています。
コダシマは WoR 1.5.2 から何度も WoR を使っていて感じたのは、たしかに UUPDump のスクリプトは失敗することはありませんでしたが、rg-adguard のスクリプトでは失敗に遭遇したことがありました。
原因は定かではありませんが、プロジェクトサイトでも特定できていなくても何かしらの原因があるとして注意文を記載しているのでしょう。
いずれにしろ、今回は UUPDump の内容で進めていきます。
スクリプトのダウンロードは任意のフォルダで問題ないのですが、実際にスクリプトを実行する際にはいくつかの制約があります。
特にディレクトリのどこかにスペースが入っているとエラーが出るので、ファイル名などには注意してください。
エラーメッセージをよく読まなかったコダシマは、はじめの頃めちゃくちゃハマりました…。
ダウンロードした CMD ファイルを実行するには、右クリックメニューから「管理者として実行」を選択します。
セキュリティによって警告文が表示されます。
このままだと実行できないので、詳細情報をクリックします。
すると実行ボタンが表示されるので、クリックして進めます。
問題がなければスクリプトが実行され、必要な ISO ファイルが作成されます。
環境によって変わるかもしれませんが、早くてもおよそ30分程度、長ければ1時間はかかります。
時間があるときや、他になにかしている間に実行するのが良いでしょう。
なにはともあれ必要な ISO データが出来上がったので、WoR で microSD にインストールしましょう。
WoR でインストール。
ダウンロードと展開が終わったファイルの中から「WoR.exe」を見つけ出しダブルクリックで起動させます。
プロジェクトサイトにも記載がありますが WoR を実行する前に、セキュリティソフトの例外設定などもしておいてください。
繰り返しになりますが、以前の記事でも紹介しているので、そちらも合わせてチェックしてみてください。
ファームウェアのダウンロードあたりでウィルス的な挙動と感知され、WoR が削除されてしまいます。
そうなると、長い時間かけて書き込んだ Windows イメージがちゃんと完結せず起動できないものになってしまいます。
コダシマはココでもハマりました…。
インストールを続けましょう。
ようこそ
WoR の日本語化は済んでいるので、表示されている指示に従って操作するだけです。
基本的に初期設定で問題ありませんでした。
言語も日本語になっています。
デバイス選択
デバイスの選択では、上段の窓にインストール先のストレージを選択、下段の窓で表示されている RasPi のモデルをクリックします。
今回は RasPi 4 にインストールするので、Raspberry Pi 4 / 400 [ARM64] を選択します。
すると「警告!」が表示されます。
内容は USB ドライブから起動する場合や GPT パーティションを使う場合には、Raspberry Pi のブートローダーを最新バージョンにしておかないといけませんというやつです。
今回は microSD を使うのでスルーしますが、ブートローダーの更新は Raspberry Pi OS などのターミナルを使って更新する必要があります。
やり方は Rasberry Pi の公式サイトに記載されています。
概要欄に URL を貼っておくので必要な方はチェックしてみてください。
イメージの選択
次に ARM 用 Windows のイメージを選択します。
上段の窓には先ほど用意した ISO データを選択します。
Windows のエディションでは、Windows 7 Pro のライセンスが通るか試してみたいので、今回は Windows 11 Pro に変更しました。
ドライバーの選択
ドライバーを選択しますが、通常は「最新のパッケージをサーバーからダウンロードして使用」で問題ありません。
UEFI ファームウェア
UEFI ファームウェアを選択しますが、ここもドライバーと同様で「最新のファームウェアをサーバーからダウンロードして使用」を選択します。
以前のバージョンはここらへんでイロイロな注意とかが表示されましたが、だいぶ改善されましたね。
設定
イロイロと表示されていますが、実際にはいじるところがありません。
というかスキルがある方であれば調整できるかもしれませが、素人のコダシマは手出ししません。
強いて言えば、「終了時に、この設定を保存する」のチェックを ON にする程度かと思います。
なので「次へ」をクリックして先に進めます。
インストール
インストールの概要ということで、インストールする内容が表示されます。
目立つように警告文が表示されていますが、コレ用に用意した microSD なので「インストール」をクリックして先に進めます。
今回の環境では「インストール」ボタンをクリックしてから、およそ20分ちょっとでインストールが完了しました。
これで Windows ARM for Raspberry Pi 4 が用意できたので、早速起動させてみます!
Windows 11 起動。
今回はプロセッサの負荷が高そうなので、冷却ファンのついたケースに入ったほうを使いました。
Windows ARM をインストールした microSD を Raspberry Pi 4 にセットして電源を入れます。
WoR のサイトにも記載がありましたが、初期段階では RAM が 3GB までの制限がかかっているため、はじめにコレを解除しておきます。
起動のときに「ESC」でファームウェアに入ることができます。
ココでオーバークロックも設定できたはずなので、いっしょに設定しておきましょう。
CPU のオーバークロックは「Device Manager」⇒「Raspberry Pi Configuration」⇒「CPU Configration」で以下の画面になります。
「CPU Clock」を「Custom」に変更し、「CPU Clock Rate (MHz)」に「2000 (これで2GHz換算になるはず)」を入力しました。
んで、肝心の RAM の制限解除は「Device Manager」⇒「Raspberry Pi Configuration」⇒「Advanced Configuration」にある「Limit RAM to 3 GB」の項目を「Enabled」から「Disabled」へ変更します。
設定が終わったら「Continue」で再起動しましょう。
今回は念の為、設定が反映されたか確認してみました。
ココではちゃんと設定が反映されたようです。
毎回起動させた瞬間はめっちゃ感動しますが、いつも待ち時間が長い。
設定画面が表示されるまで、電源を入れてから20分以上かかりました。
Windows 11 on Raspberry Pi 4
初期設定の内容は基本的に Windows 10 のと変わらない感じですが、レイアウトやデザインなどは大幅に変わりましたね。
指示に従って設定していきます。
起動直後はイロイロなセットアップの続きがあるのと、そもそもストレージが microSD ということが重なって動作が相当もっさりします。
それでも Windows 11 が起動していちばん最初に、気になっていた Windows 7 のライセンスが通るかやってみました。
残念ながらはじかれます。
さすがに、そろろそ使いまわしも限界なのでしょう。
Microsoft も企業ですからね。
ライセンス料がビジネスの要でしょうから。
次に動作周波数が気になったのでチェック。
ファームウェアでオーバークロックしたつもりでしたが1.5GHz のままです。
調べてみたところ、現状では直接書き換えないとうまくいかないっぽいです。
まぁ、そもそも正規の使い方じゃない上に Windows 自体もベータ版ですし
コレくらいの不具合は今のところ許容範囲でな無いでしょうか。
今回のまとめ。
今回は WoR = Windows on Raspberry を使って Raspberry Pi で Windows 11 を起動させてみました。
無事に起動させることができましたが、現時点での Windows 11 は
まだベータ版なので起動させるところまでにしました。
今回は起動の確認まで。
Windows 11 は正式リリースまで、今後もいろいろな変更があることでしょう。
現時点ではできない事ができるようになったり、逆に現時点でできることが廃止されたりするかと思います。
Windows 11 が正式にリリースされた際にはアプリケーションの互換性とか、そういったところもチェックしたいと思います。
とりあえず今回はここまで。